◯(5331)ノリタケ : PBR0.89倍・高配当、多角事業で成長期待

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、東証プライム市場に上場するノリタケカンパニーリミテド(証券コード:5331)です。ノリタケと聞くと、「高級な洋食器」を思い浮かべる方が多いかもしれませんね。確かにそのイメージは正しいのですが、実はノリタケの事業はそれだけに留まりません。創業は1904年と非常に歴史があり、日本を代表するセラミックスメーカーとして、多岐にわたる事業を展開しています。

主な事業内容は、伝統的な食器事業に加え、研削・研磨材事業セラミック材料事業電子部品事業、そしてエンジニアリング事業など、産業界の様々な分野で欠かせない製品や技術を提供しています。特に、半導体製造装置の部品や燃料電池関連のセラミックス、環境保全に貢献するフィルターなど、最先端技術を支える素材や装置も手掛けているのが特徴です。まさに「見えないところで社会を支える」企業と言えるでしょう。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 472,000円(4,720円/株)
  • PBR : 0.89倍
  • PER : 12.76倍
  • 配当利回り : 2.97%
  • 株主優待 : ノリタケ製品(食器等)の割引販売

(2025年10月3日(金)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!PBR1倍割れで高配当、財務も盤石だから、少し下がってきたら買いたいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント]
PBR1倍割れと高配当が魅力的!財務も堅実で、多角的な事業展開に将来性を感じるぽん!

A. 成長性:〇

ノリタケの成長性は、伝統的な食器事業のブランド力と、産業機材・セラミックス事業の技術革新に支えられています。食器事業は、国内での高付加価値製品の展開や、インバウンド需要の回復によるホテル・レストラン向け需要の増加が期待できます。また、海外市場でのブランド浸透も進んでいます。

一方で、成長の大きな柱となっているのが、研削・研磨材セラミック材料といった産業向け事業です。半導体製造装置の精密部品や、環境規制強化に対応する排ガス処理用セラミックスフィルター、さらに次世代エネルギーとして注目される燃料電池関連部品など、多岐にわたる分野でノリタケの技術が活用されています。これらの分野は、DX(デジタルトランスフォーメーション)や脱炭素化といった社会の大きな流れの中で、今後も堅調な需要が見込まれるでしょう。過去数年の売上や利益は、産業機材部門の好調が全体を牽引しており、安定した成長基盤を築いていると言えます。

配当金については、会社予想で1株あたり140.00円と、安定した株主還元姿勢が伺えます。配当利回り2.97%は、魅力的な水準と言えるでしょう。

B. 割安性:◎

ノリタケの割安性は、特にPBR(株価純資産倍率)に表れています。PBRが0.89倍というのは、企業の資産価値に対して株価が割安であることを示しており、市場から過小評価されている可能性があります。一般的にPBR1倍割れの企業は、株主還元策の強化や事業再編などにより、企業価値向上が期待されることがあります。

PER(株価収益率)も12.76倍と、日本の製造業としては妥当な水準であり、極端な割高感はありません。そして、配当利回り2.97%は、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的な水準です。株主優待としてノリタケ製品の割引販売があるため、ノリタケの食器や製品に興味がある方にとっては、さらなる魅力となるでしょう。

PBR1倍割れの銘柄は、他にも日創グループ堺化学工業日工など、堅実な財務基盤を持つ企業に多く見られます。

C. 安全性:◎

ノリタケの財務健全性は非常に高く、投資の安全性という観点では非常に評価できます。自己資本比率は75.6%と、極めて高い水準を誇ります。これは、借入金などに依存せず、自社の資本で事業を運営している割合が高いことを示しており、外部環境の変化や景気変動に対する耐性が強いことを意味します。

また、ROE(自己資本利益率)は8.71%と、PBR1倍割れの企業としては比較的良好な水準です。これは、効率的に自己資本を活用して利益を生み出していることを示しています。高い自己資本比率と安定した収益力は、長期的な視点で見ても安心感を与えてくれる要素と言えるでしょう。

ノリタケの多様な事業と未来

ノリタケの魅力は、その多角的な事業ポートフォリオにあります。単に食器メーカーという枠を超え、社会のインフラや最先端技術を支える「素材と技術の会社」としての顔も持っています。

食器事業の伝統と革新

「ノリタケ」ブランドの洋食器は、その美しさと品質で世界的に知られています。ホテルやレストランといった業務用から、一般家庭向けの贈答品、そしてコレクターズアイテムまで、幅広いニーズに応えています。近年は、伝統を守りつつも、現代のライフスタイルに合わせたデザインや、環境に配慮した製品開発にも力を入れています。特に、日本へのインバウンド需要が回復する中で、高級食器の需要は国内外で高まる可能性があります。

例えば、最近のニュースでは、日本の観光業の活況を示す記事がありました。「Tokyo Edition Ginza anchors a mother-daughter visit to Japan – Travel Weekly」という記事では、東京の高級ホテルでの滞在が紹介されており、日本のホスピタリティと現代的な魅力が評価されています。このような観光客の増加は、ホテル・レストラン業界におけるノリタケの業務用食器の需要を刺激するだけでなく、日本土産としての高級食器の個人消費にも良い影響を与えることが期待されます。

産業機材・セラミックス事業の強み

ノリタケの収益を大きく支えているのが、この産業機材・セラミックス事業です。具体的には、研削・研磨材セラミック材料電子部品などが挙げられます。

  • 研削・研磨材: 自動車、航空機、鉄鋼、ベアリングなど、様々な産業で部品の精密加工に不可欠な砥石や研磨材を提供しています。特に、超砥粒砥石などの高機能製品は、高い技術力を要し、競合優位性を持っています。
  • セラミック材料: 半導体製造装置の部品、燃料電池関連部品、ファインセラミックス製品など、耐熱性、耐摩耗性、絶縁性などに優れた特殊セラミックスを開発・製造しています。これらの材料は、DXや脱炭素化社会の実現に不可欠な基盤技術として、今後さらなる需要拡大が見込まれます。
  • 電子部品: 積層セラミック基板やセンサーなど、電子機器の高性能化に貢献する部品を提供しています。

環境エンジニアリングへの貢献

近年、特に注目されているのがエンジニアリング事業です。ノリタケは、排ガス処理装置や水処理装置など、環境保全に貢献するプラントやシステムを提供しています。脱炭素社会への移行が加速する中で、環境負荷低減技術の重要性はますます高まっており、ノリタケの持つセラミックス技術が、この分野で大きな役割を果たすことが期待されます。例えば、CO2排出量削減に貢献する燃料電池関連技術や、資源リサイクルに資する水処理技術などは、持続可能な社会の実現に向けて不可欠なものです。

まとめ

ノリタケカンパニーリミテドは、伝統ある食器事業で培ったブランド力と、最先端の産業を支えるセラミックス技術を両輪とする、非常にユニークな企業です。PBR1倍割れという割安感がありながら、高い配当利回りと盤石な財務基盤を誇る点は、長期的な視点を持つ投資家にとって魅力的に映るかもしれません。

食器事業はインバウンド需要の回復やブランド戦略で堅調に推移し、産業機材・セラミックス事業はDXや脱炭素化といった社会の大きなトレンドを背景に、今後も安定的な成長が期待されます。見かけは地味かもしれませんが、その事業内容は社会の根幹を支える重要なものであり、未来への貢献度も高いと言えるでしょう。

投資を検討される際は、ぜひノリタケの多様な事業内容に注目し、ご自身の投資戦略と照らし合わせてみてください。

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