◯(6307)日工 : PBR1倍割れ・高配当、インフラ需要と熟練技術

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

日工(6307)の基礎情報:日本のインフラを支えるプラント技術のパイオニア

今回ご紹介するのは、東証プライム市場に上場している日工(6307)です。日工は、道路建設やインフラ整備に不可欠なアスファルトプラントやコンクリートプラントで国内トップクラスのシェアを誇る老舗メーカーなんですよ。

皆さんが普段利用している道路や橋、建物の基礎など、私たちの生活を支える多くのインフラは、日工の技術によって作られたプラントから生み出される材料によって成り立っています。主力のアスファルトプラントやコンクリートプラントのほかにも、粉粒体関連機器や環境関連機器など、幅広い製品を手掛けており、単に機械を製造・販売するだけでなく、その後の据付、メンテナンス、部品供給までを一貫して行うことで、顧客のニーズに応えています。

特に、老朽化が進む国内インフラの維持補修や、国土強靭化計画といった国の政策が推進される中で、日工のプラント技術はますます重要性を増しています。また、近年では海外市場への展開も積極的に進め、グローバルなインフラ整備にも貢献しているんですよ。

直近の主要指標(2025年10月1日(水)時点)

  • 最低投資金額 : 76,900円(769円/株)
  • PBR : (連)0.87倍
  • PER : (連)14.09倍
  • 配当利回り : 4.42%
  • 株主優待 : なし

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!PBR1倍割れで高配当、インフラ需要と熟練技術に期待ぽん!

評価の理由

[評価の注目ポイント]
インフラ整備に不可欠なプラント技術で国内トップ!PBR1倍割れと高配当で安定感もあるぽん!

A. 成長性:〇

日工の成長性は、国内のインフラ投資動向に大きく左右されます。現在、日本国内では高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が深刻化しており、その維持補修や更新が喫緊の課題となっています。政府の「国土強靭化計画」も継続的に推進されており、これにより日工の主力製品であるアスファルトプラントやコンクリートプラントへの需要は今後も堅調に推移すると考えられます。

また、災害に強い国づくりを目指す動きは、日工の技術が活かされる場面を増やしてくれるでしょう。一方で、国内市場の大きな伸びしろは限定的であるため、海外市場への展開が今後の成長ドライバーとして重要になってきます。アジアを中心にインフラ整備が活発な地域への進出や、環境関連機器など新たな事業領域の拡大も、長期的な成長を支えるカギとなるでしょう。

さらに、日工の事業は単に機械を売るだけでなく、その後のメンテナンスや部品供給といったアフターサービスも重要な収益源です。一度導入されたプラントは長期にわたって稼働するため、安定したメンテナンス需要が見込めます。このサービス事業の強化は、景気変動に左右されにくい安定的な収益基盤を築く上で非常に重要だと言えるでしょう。

B. 割安性:◎

日工の現在の株価指標を見ると、非常に魅力的な水準にあると言えるでしょう。PBR(株価純資産倍率)は(連)0.87倍と、純資産を下回る「1倍割れ」の状態です。これは、企業の解散価値よりも株価が低いことを示唆しており、割安感があると考えられます。同様にPBRが1倍割れの銘柄としては、以前ご紹介した加藤製作所(6390)なども挙げられますね。

また、PER(株価収益率)も(連)14.09倍と、市場平均と比較しても決して高くなく、企業が生み出す利益に対して株価が過度に評価されていないことを示しています。そして何よりも注目すべきは、配当利回り4.42%という高水準です。これは、安定した収益を背景に、株主還元にも積極的な姿勢が見て取れます。PBRが1倍を割り込み、かつ高配当である点は、長期的な視点で投資を検討する上で大きな魅力となるでしょう。

C. 安全性:◎

企業の財務健全性を示す自己資本比率は(連)54.2%と非常に高く、盤石な財務基盤を持っていることが伺えます。自己資本比率が高いということは、借入金などの負債に頼らず、自社の資金で事業を運営している割合が大きいことを意味し、景気変動や予期せぬ事態に対しても強い抵抗力を持っていると言えます。

また、安定した事業内容と国内トップシェアという強みは、日工の事業リスクを低減させています。インフラ整備という社会に不可欠な事業を手掛けているため、需要が急激に消失するリスクは低いと考えられます。このような財務の安定性と事業の堅牢性は、投資家にとって大きな安心材料となるでしょう。

AI時代に輝く「熟練の技」:日工の強固な事業基盤

現代社会ではAI(人工知能)の進化が目覚ましく、多くの仕事が自動化される可能性が指摘されています。しかし、そんな中でも「AI-proof(AIに取って代わられにくい)」とされる仕事も存在します。米USA Todayが2025年10月1日に報じた記事「13 ‘AI-proof’ jobs that don’t require a college degree」では、その一つとして「Maintenance workers, machinery(機械のメンテナンス作業員)」が挙げられています。記事によれば、複雑な修理には人間のリアルタイムな問題解決能力が不可欠であり、AIでは対応が難しいとされています。

この指摘は、日工の事業の強固さを理解する上で非常に重要なポイントとなります。日工が提供するアスファルトプラントやコンクリートプラントは、巨大で複雑な機械設備です。これらのプラントは、設置から稼働、そして定期的なメンテナンス、予期せぬトラブル発生時の修理に至るまで、高度な専門知識と長年の経験に裏打ちされた熟練の技術が求められます。

例えば、プラントの故障診断一つとっても、AIが過去のデータからパターンを学習することはできても、現場の微妙な振動や音、材料の特性、天候条件など、多岐にわたる要因を総合的に判断し、最適な解決策を導き出すには、やはり人間の「目」と「手」と「経験」が不可欠なのです。日工は、このようなプラントのライフサイクル全体をサポートするメンテナンス事業を重要な柱としており、熟練技術者の育成と技術伝承にも力を入れています。これは、単に機械を販売するだけでなく、その後の安定稼働を保証し、顧客との長期的な信頼関係を築く上で極めて重要です。

AIが進化しても、インフラを支える「現場」では、人間の五感と判断力、そして熟練の技が求められ続けます。日工が持つ技術力と、それを支える熟練工の存在は、AI時代においてもその事業価値が揺らぐことのない、強固な競争優位性であると言えるでしょう。このような「人間力」に裏打ちされた事業基盤こそが、日工の安定性と将来性の一因となっているのです。

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