◎(4078)堺化学工業 : PBR0.58倍・高配当、事業変革と盤石財務

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

堺化学工業(4078)の基礎情報

今回ご紹介するのは、東証プライムに上場している堺化学工業(4078)です。同社は1918年に酸化亜鉛の製造販売で創業した歴史ある化学メーカーで、大阪府堺市に本社を構えています。創業以来培ってきた粉体プロセシングと有機合成のコア技術を基盤に、無機・有機の多岐にわたる化学製品を開発・製造しています。

主な事業セグメントとしては、「無機材料事業」「有機材料事業」「電子材料事業」「医薬品事業」の4つに分かれています。酸化チタンや酸化亜鉛といった基礎化学品から、プラスチック添加剤、触媒、電子部品材料、さらには医薬品原薬や中間体まで、幅広い分野で社会を支える製品を提供しています。特に、酸化チタンは塗料やプラスチック、化粧品などに幅広く使われる白色顔料として知られ、同社の主力製品の一つです。また、近年では環境対応型材料や高機能材料へのシフトを加速しており、持続可能な社会の実現に貢献する技術開発にも力を入れています。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 284,300円(2,843円/株)
  • PBR : 0.58倍
  • PER : 8.32倍
  • 配当利回り : 4.57%
  • 1株配当(会社予想) : 130.00円(2026年3月期)
  • 自己資本比率 : 63.5%

(2025年10月3日(金)時点)

ぽんぽん的な評価

◎ ぽんぽんは、強く買いたいぽん! 高い配当利回りと盤石な財務基盤に加えて、事業構造変革による成長期待も大きいぽん!

評価の理由

[評価の注目ポイント]
高配当と低PBRの割安感に加え、事業ポートフォリオ変革で持続的な成長を目指す化学メーカーぽん!

A. 成長性 : 〇

堺化学工業は、伝統的な化学メーカーでありながら、常に時代の変化に対応し、事業構造の変革を進めています。特に注目すべきは、同社が「事業ポートフォリオ変革」を加速している点です。これは、競争が激しい汎用化学品から、高機能材料や環境関連材料といった成長分野へ経営資源をシフトさせる戦略です。

Yahoo!ファイナンスに掲載されたフィスコの記事「堺化学工業:事業ポートフォリオ変革を加速、高水準の株主還元も魅力」でも指摘されているように、同社は高機能材料や環境関連技術への注力を強化しています。例えば、半導体製造プロセスに不可欠な研磨剤や、次世代ディスプレイ向けの材料、さらには環境負荷低減に貢献する触媒などの開発に力を入れています。これらの分野は、DX(デジタルトランスフォーメーション)や脱炭素化といった社会全体の大きな潮流に乗っており、今後の需要拡大が期待されます。

過去数年の売上や利益の推移を見ると、市場環境の変動に左右される部分もありますが、こうした戦略的な転換が実を結び始めれば、安定的な成長軌道に乗る可能性を秘めています。特に、成長分野への投資を積極化し、研究開発費を投じることで、将来の収益源を確保しようとする姿勢は評価できるでしょう。また、グローバル市場での競争力を高めるため、海外展開も視野に入れた事業戦略を進めている点も、成長ドライバーとなり得ます。

B. 割安性 : ◎

堺化学工業の株価指標を見ると、非常に魅力的な割安感があります。PBR(株価純資産倍率)は0.58倍、PER(株価収益率)は8.32倍と、いずれも市場平均と比較してかなり低い水準にあります。PBRが1倍を大きく下回っているということは、会社の純資産に対して株価が割安に評価されていることを示しており、いわゆる「解散価値」よりも低い水準にあると言えるでしょう。これは、現在の市場が同社の潜在的な価値を十分に評価しきれていない可能性を示唆しています。例えば、地域金融の安定性を持ちながらPBR0.29倍と割安感のあるプロクレアHD (7384)など、PBR1倍割れの企業は少なくありません。

また、配当利回りは4.57%と非常に高く、安定したインカムゲインを期待できる点も大きな魅力です。同社は高水準の株主還元を重視しており、安定配当を維持しつつ、業績に応じて増配も検討する方針を示しています。このような高い配当利回りは、株価の下支えにも繋がりやすく、投資家にとって安心材料となるでしょう。

PBR1倍割れで高配当の企業としては、インフラ需要を背景に熟練技術を持つ日工 (6307)なども挙げられます。堺化学工業も、その堅実な事業基盤と株主還元姿勢から、割安性を求める投資家にとって非常に魅力的な選択肢となり得ます。

C. 安全性 : ◎

企業の財務健全性を示す指標として重要な自己資本比率は、63.5%と非常に高い水準を誇っています。これは、総資産のうち返済不要な自己資本が占める割合が大きく、外部からの借入に依存しない安定した経営基盤を持っていることを意味します。一般的に、自己資本比率が40%を超えれば優良企業と評価されることが多い中で、60%を超える水準は極めて盤石な財務体質であると言えるでしょう。

高い自己資本比率は、景気変動や予期せぬ経済ショックに対しても強い耐性を持つことを示します。また、新規事業への投資や研究開発など、将来の成長に向けた戦略的な投資を自己資金で賄う余力があるため、外部環境に左右されずに経営の自由度を高く保つことができます。

さらに、同社はキャッシュフローも安定しており、有利子負債も適切に管理されていると見られます。このような盤石な財務基盤は、長期的な視点で安心して投資を検討できる重要な要素となります。高配当を維持できるのも、この安定した財務基盤があってこそと言えるでしょう。

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