〇(2819)エバラ食品 : PBR0.72倍の割安感!強固な財務基盤とファン共創に注目

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

今回は、私たちの食卓には欠かせない、あの「焼肉のたれ」「プチッと鍋」でおなじみのエバラ食品工業(東証プライム:2819)について深掘りしていきたいと思います。

エバラ食品工業は、食肉加工品や調味料の製造販売を主軸とする企業です。特に家庭用では、焼肉のたれや鍋つゆ、浅漬けの素といった多様な調味料を展開し、私たちの食生活を豊かにしてくれています。業務用としても、外食産業や給食向けに幅広い製品を提供しており、その存在感は大きいですよね。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 255,400円(2,554円/株)
  • PBR : 0.72倍
  • PER : 19.20倍
  • 配当利回り : 1.76%
  • 株主優待 : なし
  • (2025年12月2日(月)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!

PBRの割安感と堅実な財務基盤は魅力的だけど、もう少し収益性の改善が見えてきたら、今すぐ買いたいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント]: PBR0.72倍の割安感と堅実な財務が魅力!ファンとの共創でブランド力向上にも期待ぽん!

エバラ食品工業を評価するにあたり、以下の3つの観点から見ていきましょう。

A. 成長性 : △

エバラ食品工業の成長性については、直近のデータを見ると少し慎重な見方が必要かもしれません。

提供された情報によると、純利益率は前年同期比で低下し、営業利益率も勢いが鈍っているとのこと。また、ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)も、一般的に望ましいとされる目安を下回る水準が続き、収益性は不安定な状況が見られます。EPS(1株当たり利益)の伸びも鈍化傾向にあるとされており、短期的な成長モメンタムはやや弱いと言えるでしょう。

しかし、食品業界は景気変動に比較的強く、安定した需要が見込める分野です。エバラ食品工業は、長年にわたり培ってきたブランド力と製品開発力を活かし、多様なニーズに応える製品を提供し続けています。例えば、家庭用では「焼肉のたれ」「プチッと鍋」といったヒット商品があり、業務用でも幅広い顧客基盤を持っています。

近年では、ファンコミュニティサイト「エバラランド」の開設や、ファンと共に商品開発を行うなど、顧客とのエンゲージメントを強化する取り組みも見られます。こうした活動が、中長期的なブランド価値向上や新たな需要創出に繋がり、将来的な成長の原動力となる可能性も秘めていると見ています。

B. 割安性 : 〇

次に、割安性の観点です。エバラ食品工業の現在の株価指標を見ると、PBR(株価純資産倍率)は0.72倍と、1倍を大きく下回っています。これは、企業の純資産価値に対して株価が割安に評価されていることを示唆しており、いわゆる「解散価値」を下回る水準とも言えます。市場全体でPBR1倍割れの企業への改善要請が高まる中、この水準は魅力的に映るかもしれません。他のPBR割安銘柄については、以前の記事「(2790)ナフコ : PBR0.31倍の超割安!盤石な財務基盤と今後の収益性に注目」でもご紹介していますので、ご興味があればご覧ください。

PER(株価収益率)は19.20倍となっており、これは業種や市場環境によって評価が分かれるところですが、極端に割高という水準ではありません。収益性の不安定さを考慮すると、妥当な範囲内と考えることもできるでしょう。

配当利回りは1.76%と、特別に高い水準ではありませんが、安定配当を継続している点は評価できます。株主優待制度は現状ありませんが、PBRの割安感と合わせて検討する価値はありそうです。

C. 安全性 : ◎

財務の安全性に関しては、非常に高い評価ができます。自己資本比率は72.2%と、一般的に望ましいとされる30%を大きく上回る非常に高い水準を維持しています。これは、企業の財務基盤が極めて強固であることを示しており、外部環境の変化や不測の事態にも十分に耐えうる安定性を持っていると言えるでしょう。

また、有利子負債も増減を繰り返しつつも、直近期では抑制されているとのこと。これは、過度な借入に頼らず、自己資金で事業を運営できている証拠であり、財務リスクが低いことを意味します。このような盤石な財務体質は、長期的な視点で投資を考える上で、非常に重要な安心材料となります。

収益性に課題が見られる中でも、この高い財務健全性はエバラ食品工業の大きな強みであり、今後の事業展開においても柔軟な対応を可能にするでしょう。他の財務が盤石な企業については、「(2737)ラクト・ジャパン : 高収益・盤石財務、割安感と高配当」でも触れていますので、参考にしてみてください。

エバラ食品工業のユニークな取り組み:ファンと創る「おいしい福袋2026」

エバラ食品工業が近年力を入れているのが、顧客とのエンゲージメント強化です。その象徴的な取り組みの一つが、ファンコミュニティサイト「エバラランド」の運営と、そこから生まれた「おいしい福袋2026」の販売です。

2025年12月1日より、エバラ食品工業は公式オンラインショップで、ファンコミュニティサイト「エバラランド」のユーザーと共に作り上げた「エバラランドユーザーが選んだ!おいしい福袋2026」を数量限定で販売開始しました。この福袋には、焼肉のたれ「黄金の味」「プチッと鍋」「浅漬けの素」といった定番人気商品に加え、九州・沖縄限定の「タコミートソース」や業務用商品など、総額約6000円相当の商品が3996円(税込)で詰め合わされているとのことです。

この取り組みは、単に商品を詰め合わせた福袋とは一線を画します。ファンコミュニティの意見を直接取り入れ、商品ラインナップを決定することで、顧客の「欲しい」を形にするという、非常に顧客志向の高いマーケティング戦略と言えるでしょう。これにより、ファンは自分たちの声が製品に反映される喜びを感じ、企業へのロイヤリティがさらに高まることが期待されます。

このようなファンマーケティングは、単なる製品の販売促進に留まらず、ブランドイメージの向上、顧客ニーズの正確な把握、そして口コミによる新たな顧客獲得にも繋がります。特に食品業界においては、消費者の嗜好が多様化する中で、直接的な意見を聞くことは製品開発の大きなヒントにもなるはずです。

このニュースはニコニコニュースでも取り上げられており、多くの消費者の関心を集めていることが伺えます。エバラ食品工業が、このようなユニークなアプローチで顧客との絆を深め、ブランド力を強化していくことは、今後の成長戦略において重要な要素となるでしょう。

まとめ

エバラ食品工業は、私たちの食卓に欠かせない調味料を提供し続ける、歴史と実績のある企業です。PBRが0.72倍と割安感があり、自己資本比率72.2%という非常に強固な財務基盤を持っている点は大きな魅力です。

一方で、直近の収益性には課題が見られ、成長の勢いが鈍化している点は注意が必要です。しかし、「エバラランド」のようなファンコミュニティを通じた顧客との共創は、今後のブランド力向上や新たな需要創出に繋がる可能性を秘めています。

投資を検討する際は、この盤石な財務基盤と割安感を評価しつつ、今後の収益性改善や、ファンマーケティングが事業成長にどう結びついていくかを注視していくことが大切になりそうですね。

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