はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、乳原料やチーズといった乳製品の専門商社であるラクト・ジャパン(証券コード:2737)です。同社は、世界各国から高品質な乳製品を調達し、国内の食品メーカーや外食産業などに供給しています。特に、チーズやバター、脱脂粉乳、ホエイパウダーといった乳原料の輸入・販売において強みを持っており、日本の食卓を陰で支える重要な役割を担っています。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 359,500円(3,595円/株)
- PBR : 1.19倍
- PER : 8.24倍
- 配当利回り : 3.67%
- 株主優待 : なし
- (2025年11月11日(火)時点)
ぽんぽん的な評価
◎ ぽんぽんは、強く買いたいぽん!
PERもPBRも割安感があり、高配当も魅力的なぽん!今すぐ買いたいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント]
乳原料専門商社として安定成長を続け、高収益・盤石な財務基盤と魅力的な割安感を兼ね備えているぽん!
A. 成長性 : ◎
ラクト・ジャパンの成長性は非常に力強い印象です。過去数年間の売上高は右肩上がりのトレンドを維持しており、着実に事業規模を拡大しています。また、1株当たり純利益(EPS)も前年同期比で増加を続けており、安定した上昇トレンドを保っている点は評価できます。これは、乳製品の需要が堅調であることに加え、同社が多様な調達ルートと顧客基盤を構築し、市場の変化に柔軟に対応できている証拠と言えるでしょう。
B. 割安性 : ◎
割安性についても、非常に魅力的な水準にあると感じます。現在のPERは8.24倍、PBRは1.19倍と、市場平均と比較しても割安感があります。特にPERが10倍を下回る水準は、企業の利益成長に対して株価が過小評価されている可能性を示唆しています。さらに、配当利回りも3.67%と高く、安定したインカムゲインを期待できる点も投資家にとって大きな魅力です。高配当と割安な株価が両立しているのは、なかなか見られないチャンスかもしれません。
C. 安全性 : ◎
財務の安全性は極めて良好です。自己資本比率は33.8%と、一般的に望ましいとされる30%を上回る水準を維持しており、財務基盤の健全性を示しています。有利子負債についても、足元で増減はあるものの、大きな振れは限定的であり、過度なリスクを抱えているようには見えません。収益性も改善傾向にあり、純利益率、営業利益率ともに前年同期比で上向きです。ROE(自己資本利益率)も12.05%と、一般的に望ましいとされる8~10%を上回っており、効率的な資本活用ができていることが伺えます。これらの指標から、ラクト・ジャパンは非常に安定した企業体質を持っていると評価できます。
乳製品市場の新たな潮流とラクト・ジャパンの役割
ラクト・ジャパンは、伝統的な乳製品の専門商社として確固たる地位を築いていますが、乳製品市場は常に進化しています。特に近年注目されているのが、代替乳製品や高機能性乳成分の分野です。このような市場の動きは、同社の将来的な事業戦略を考える上で非常に重要になってきます。
例えば、AgFunderNewsが2025年11月10日に報じた記事「‘New Milk’ signals new phase for recombinant dairy, says Remilk: ‘It doesn’t look like another alternative product’」では、組換え乳製品を手掛けるRemilk社が「New Milk」という新製品を発表したことが報じられています。この記事によると、Remilk社の製品は、従来の植物性代替ミルクとは異なり、味や体験が伝統的な乳製品と遜色なく、栄養価や機能性の面で優位性があると主張しています。これは、乳製品市場における新たな競争軸の登場を示唆しています。
記事の中では、一部の組換え乳製品スタートアップが高付加価値製品、例えばラクトフェリンのような機能性成分に注力している一方で、Remilk社は牛乳やヨーグルトといったコアな乳製品でもコスト競争力を確立できると考えていると述べられています。また、ラクトフェリンを含む既存の乳糖不耐症向け製品市場も「かなり大きく成長している」と指摘されており、高機能性乳成分への需要の高まりが伺えます。
ラクト・ジャパンのような乳原料専門商社にとって、このような動きは大きな意味を持ちます。伝統的な乳製品の需要が安定している一方で、組換え乳製品が市場に浸透すれば、従来の乳原料の需要構造に変化が生じる可能性も考えられます。しかし、同時に、ラクトフェリンのような高付加価値な機能性乳成分の市場が拡大することは、同社にとって新たなビジネスチャンスとなり得ます。同社が世界中から幅広い乳原料を調達できるネットワークを持っているからこそ、こうした新しい需要に対応できる可能性があります。
ラクト・ジャパンが今後、このような新しい乳製品市場のトレンドをどのように捉え、事業戦略に組み込んでいくのかは注目すべきポイントです。高機能性乳成分の供給強化や、代替乳製品メーカーへの原料供給など、新たなビジネスモデルの構築も視野に入ってくるかもしれません。同社が持つ調達力と販売ネットワークが、変化する市場環境の中でどのように活用されていくのか、引き続き注目していきたいところです。
まとめ
ラクト・ジャパンは、乳原料専門商社として安定した収益基盤と盤石な財務を誇り、高い成長性も兼ね備えている魅力的な企業です。現在の株価水準には割安感があり、高配当も期待できるため、長期的な視点での投資を検討する価値は十分にあると言えるでしょう。乳製品市場の新たな潮流にも柔軟に対応し、持続的な成長を続けていくことを期待しています。
他の魅力的な銘柄についても、ぜひ参考にしてみてください。


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