はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、東証スタンダード市場に上場している大盛工業(1844)です。同社は、主に道路舗装工事、土木工事、建築工事を手掛ける総合建設会社です。特に道路舗装においては、アスファルト合材の製造・販売から施工までを一貫して行うことで、品質と効率性を追求しています。国土のインフラ整備や維持補修、災害復旧など、社会の基盤を支える重要な役割を担っています。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 69,600円(696円/株)
- PBR : 2.21倍(連結実績)
- PER : 30.13倍(連結会社予想)
- 配当利回り : 1.65%(会社予想)
- 株主優待 : なし
- (2025年10月8日(水)時点)
ぽんぽん的な評価
△ ぽんぽんは、売りたいぽん!
インフラ需要は魅力的だけど、現在の株価指標には少し割高感があるぽん。信用買残の多さも気になるので、今は様子見が賢明かもしれないぽん〜。
評価の理由
[評価の注目ポイント]
インフラ需要は堅調も、PER・PBRはやや割高感があり、信用倍率の高さも気がかりぽん。
A. 成長性 : △
大盛工業は、日本のインフラを支える建設・舗装事業を主軸としており、インフラの老朽化対策や国土強靭化計画といった国の政策によって、今後も安定的な需要が見込まれるでしょう。特に、アスファルト合材の製造から施工までを一貫して行う体制は、品質管理やコスト競争力において強みとなります。
しかし、建設業界全体としては、人手不足や資材価格の高騰といった課題に直面しており、これらが収益性を圧迫する可能性も考えられます。提供されたデータでは、1株配当(会社予想)が11.50円(2026年7月期)と示されており、株主還元への意識はうかがえますが、過去数年の具体的な売上や利益の成長トレンドが見えないため、継続的な成長力を判断するにはより詳細な情報が必要となります。
また、同社は2025年10月7日に「2025年定時株主総会招集通知及び株主総会資料」を適時開示しています。日経会社情報DIGITALで詳細を確認できますが、株主総会は会社の最高意思決定機関であり、経営陣が株主に対して事業報告を行い、今後の経営方針や重要議案(剰余金処分、役員選任など)の承認を得る場です。投資家にとっては、会社の現状と将来の見通しを把握し、経営陣の考えを直接知る貴重な機会となります。この総会で示される事業戦略や成長への取り組みが、今後の株価に影響を与える可能性もあるため、その内容には注目したいところです。
年初来高値が1,450円(2025年9月4日)に対し、年初来安値が203円(2025年1月17日)と、株価の変動幅が大きい点も特徴的です。これは、特定の材料や市場の思惑によって大きく動く傾向があることを示唆しており、成長への期待と同時にリスクも内包していると言えるでしょう。
B. 割安性 : △
大盛工業のPBR(実績)は2.21倍、PER(会社予想)は30.13倍となっています。建設業界の平均と比較すると、PBRはやや高め、PERも今後の成長期待を織り込んでいる水準と言えるでしょう。一般的に、PBRが1倍を超えると株価は解散価値を上回っていると判断され、2倍を超えると割高感が出始めることがあります。PERも30倍を超えると、高い成長が期待されていると見なされることが多いです。
配当利回り(会社予想)は1.65%と、特段高い水準ではありません。株主優待制度も現時点では導入されていないため、株主還元策としては配当が主となります。最低投資金額は69,600円(100株単位)と比較的手が出しやすい水準ではありますが、現在の株価指標だけを見ると、割安感は乏しいと判断せざるを得ません。
また、信用買残が1,285,900株と多く、信用倍率が112.80倍と非常に高い水準にある点も注目すべきです。これは、将来的にこれらの買い残が決済される際に売り圧力となる可能性があり、需給面から株価の上値を抑える要因となることがあります。
C. 安全性 : ◎
財務の健全性については、自己資本比率(実績)が48.8%と比較的高い水準を維持しており、これは企業の安定性を示す良い指標です。一般的に、自己資本比率が40%を超えると財務が健全であると評価されることが多いです。BPS(1株当たり純資産)も314.75円と、会社の資産価値をしっかりと保有していることがうかがえます。
建設業は景気変動や公共投資の動向に左右されやすい側面がありますが、堅実な財務基盤は、そうした外部環境の変化に対する耐性を高める上で非常に重要です。安定した自己資本比率を維持していることは、長期的な経営の安定性につながり、投資家にとっても安心材料となるでしょう。
インフラ整備は国の根幹をなす事業であり、大盛工業のような企業は社会的な需要に支えられています。このような事業特性と健全な財務状況は、同社の事業継続性と安定性において強みと言えるでしょう。インフラ関連の銘柄としては、AIRMAN(6375)や日工(6307)なども同様にインフラ需要に支えられた企業として知られています。


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