〇(9908)日本電計 : 半導体・自動車を支える技術商社!4.35%高配当と割安な株価に注目

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、日本電計(証券コード:9908)です。日本電計は、半導体製造装置や電子部品、計測器、検査装置などを専門に扱う技術商社として、日本のものづくり産業を支えています。特に、最先端の技術開発を必要とする半導体、自動車、医療、情報通信といった幅広い分野の研究開発から生産ラインまで、多岐にわたるソリューションを提供しているのが特徴です。

単に製品を販売するだけでなく、顧客のニーズに合わせた提案や技術サポートを行うことで、高度な専門性を発揮しています。例えば、AIやIoTといった新しい技術が社会に浸透する中で、それらを支える高性能な電子部品や、精密な計測・検査を行うための機器の需要はますます高まっています。日本電計は、そうした時代の変化に対応しながら、顧客企業の技術革新に貢献していると言えるでしょう。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 206,900円(2,069円/株)
  • PBR : 0.79倍
  • PER : 7.80倍
  • 配当利回り : 4.35%
  • 株主優待 : なし
  • (2025年12月3日(水)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!今すぐ飛びつくというよりは、今後の収益改善の兆しをじっくり見守りながら、買い時を検討したいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント]

高配当とPBR・PERの割安感は魅力的だけど、収益性の改善が今後の株価を左右しそうぽん!

日本電計の評価を3つの観点から見ていきましょう。

A. 成長性 : △

日本電計の成長性については、直近の収益性悪化が気になるところです。提供された情報によると、純利益率と営業利益率は前年同期比で低下しており、収益性は安定感に欠ける状況とされています。また、成長性を示す指標が「0.0倍」とあることから、現状では大きな成長ドライバーが見えにくいかもしれません。しかし、同社が事業を展開する半導体や自動車、情報通信といった分野は、中長期的に見れば技術革新が続く成長市場です。特に、AIやIoT、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展は、高性能な電子部品や精密な計測器の需要をさらに押し上げる可能性を秘めています。例えば、半導体製造プロセスの微細化が進むにつれて、より高精度な検査装置や計測技術が不可欠になります。日本電計がこれらのニーズにどこまで深く食い込み、新しいソリューションを提供できるかが、今後の成長を左右するでしょう。収益性の悪化が一時的なものなのか、それとも構造的な課題を抱えているのか、今後の決算発表でその内容を注視していく必要があります。

B. 割安性 : ◎

割安性という点では、日本電計は非常に魅力的な水準にあると言えるでしょう。PBR(株価純資産倍率)は0.79倍、PER(株価収益率)は7.80倍と、どちらも市場平均と比較してかなり低い水準にあります。特にPBRが1倍を下回っているということは、会社の資産価値に対して株価が割安に評価されていることを示唆しています。また、配当利回りも4.35%と高水準であり、インカムゲインを重視する投資家にとっては非常に魅力的な選択肢となり得ます。高配当と低いPBR・PERは、一般的に「割安株」の指標として注目されますが、これほど割安な水準に放置されている背景には、やはり前述の収益性悪化や成長性への懸念があるのかもしれません。市場は将来の成長期待や収益の安定性を重視するため、現状の業績に不安があれば、株価は割安な水準にとどまる傾向があります。しかし、もし今後、収益性が改善し、成長への道筋が見えてくれば、現在の割安感は大きな株価上昇のポテンシャルへと変わる可能性を秘めています。

C. 安全性 : 〇

財務の安全性については、比較的安定していると評価できます。自己資本比率は40.2%と、一般的に望ましいとされる30%を上回っており、財務基盤は比較的しっかりしていると言えるでしょう。自己資本比率が高いということは、借入金などの負債に依存する割合が低く、経営が安定している証拠です。企業が予期せぬ経済変動や事業環境の変化に直面した際にも、自力で乗り切る体力があることを示しています。一方で、有利子負債は増減を繰り返しつつ直近で減少方向にあるとされています。これは、企業が資金調達と返済を適切に管理しようとしている姿勢の表れとも見れますが、その具体的な内容や目的を詳しく見ていくことも重要です。EPS(1株あたり利益)は前年同期比で弱含みの推移とされており、収益性の課題が財務の安定性にも影響を与えかねない点は注意が必要です。しかし、ROE(自己資本利益率)は10.39%と、一般的に望ましいとされる8~10%付近で推移しており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力は一定程度維持されていると見られます。総合的に見ると、盤石とまでは言えないものの、現時点では大きな財務リスクを抱えているとは考えにくい状況です。

日本電計の深掘り:産業デジタル化の波と高配当の魅力

日本電計は、電子計測器や電子部品といった「ものづくり」の根幹を支える製品を扱う専門商社です。その事業は、半導体、自動車、情報通信、医療といった多岐にわたる産業分野に深く関わっています。現代社会において、これらの産業はDX(デジタルトランスフォーメーション)やAI、IoTといった技術革新の波を常に受けており、日本電計が提供する製品やソリューションの重要性は増す一方です。

特に、半導体産業はAIの進化やデータセンター需要の拡大により、かつてないほどの成長期を迎えています。半導体製造のプロセスはますます複雑化・微細化しており、製造装置だけでなく、その性能を正確に測るための高精度な計測器や、品質を保証する検査装置の需要も高まっています。日本電計は、こうした最先端のニーズに応えるべく、国内外の優れたメーカーの製品を顧客に提供し、技術サポートを行うことで、日本の半導体産業の発展を下支えしていると言えるでしょう。

自動車産業においても、CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)と呼ばれる技術革新が進む中で、電子制御ユニット(ECU)の増加や、自動運転技術に不可欠なセンサー、通信モジュールなどの電子部品の需要が拡大しています。日本電計は、これらの分野で必要とされる部品や計測・評価システムを提供し、次世代自動車の開発に貢献しています。

外部ニュースから読み解く日本電計の立ち位置

ここで、最近の市場動向を示す興味深いニュースに目を向けてみましょう。PitchBookが発表した「2025 Japan Private Capital Breakdown」(https://pitchbook.com/news/reports/2025-japan-private-capital-breakdown)によると、日本のプライベートエクイティ(PE)市場において、「テクノロジー、産業デジタル化、ヘルスケアサービス」といった分野への投資が特に注目されていることが示されています。このレポートは、PEファンドが将来の成長が見込まれる分野に積極的に資金を投じている現状を浮き彫りにしています。

日本電計の事業は、まさにこの「テクノロジー」と「産業デジタル化」の基盤を支えるものです。例えば、産業デジタル化を進めるためには、生産ラインの自動化やデータ収集・分析が不可欠であり、これには高性能なセンサー、通信モジュール、そしてそれらの性能を保証する計測・検査装置が欠かせません。日本電計は、これらの製品を供給することで、日本の製造業がデジタル化の波に乗るための重要な役割を担っていると言えます。PEファンドのようなプロの投資家が注目する分野と事業内容が合致している点は、日本電計が中長期的に成長するポテンシャルを秘めていることを示唆しているとも考えられます。

高配当と割安感の背景にあるもの

日本電計の大きな魅力の一つは、4.35%という高い配当利回りと、PBR0.79倍、PER7.80倍という割安な株価指標です。これほど魅力的な数字にもかかわらず、なぜ市場で過小評価されているように見えるのでしょうか。

一つの要因として考えられるのは、前述の「収益性の悪化」です。直近の業績が低迷していることで、市場は将来の収益成長に懐疑的になっている可能性があります。特に商社という業態は、景気変動や顧客産業の動向に左右されやすく、安定した成長が見えにくいと評価されることもあります。また、特定の顧客産業への依存度が高い場合、その産業の景況感によって業績が大きく変動するリスクも考慮されるかもしれません。

しかし、見方を変えれば、現在の割安な株価は、将来の業績回復や成長が実現した際に、大きなリターンをもたらす可能性を秘めているとも言えます。同社は、半導体や自動車といった成長産業向けにソリューションを提供しており、これらの産業が再び力強い成長軌道に乗れば、日本電計の業績もそれに牽引される形で改善する期待が持てます。また、DX需要の高まりは、計測器や電子部品の新たな市場を創出する可能性も十分にあります。企業が新たな技術やサービスを取り入れ、事業構造を転換していく過程で、日本電計のような技術商社の役割はますます重要になるでしょう。

例えば、FA機器専門商社のたけびし(7510)のように、盤石な財務基盤と高配当を両立しながら安定成長を続ける企業もあります。また、半導体関連ではエンプラス(6961)のように、特定のニッチ分野で高い技術力を持ち、AI需要を捉えて成長している企業も存在します。日本電計も、自社の強みである技術サポート力を活かし、高付加価値なソリューションを提供することで、収益性の改善と持続的な成長を目指せるはずです。

今後の注目点

日本電計への投資を検討する上で、今後注目すべきは以下の点でしょう。

  1. 収益性改善の具体的な施策と進捗:

    現状の収益性悪化をどのように改善していくのか、具体的な事業戦略やコスト削減策、あるいは高付加価値製品へのシフトなどが発表されるかどうかが重要です。特に、利益率の高いソリューションビジネスへの転換や、新たな成長分野への投資が実を結ぶかどうかに注目したいところです。

  2. 主要顧客産業の動向:

    半導体や自動車産業などの景況感は、日本電計の業績に直結します。これらの産業の設備投資動向や技術トレンドを継続的にウォッチすることが肝要です。特に、AIやIoT関連の需要がどの程度、日本電計のビジネスに貢献していくのかは注目すべきポイントです。

  3. 配当政策の維持:

    現在の高配当は魅力ですが、収益性が悪化した場合でも、配当政策が維持されるのか、あるいは変更される可能性があるのかも重要なチェックポイントです。企業のIR情報や決算説明資料で、配当に関する方針を確認しましょう。

日本電計は、日本のものづくり産業を支える重要な役割を担っており、その事業内容は社会のデジタル化が進む中で不可欠な存在です。現在の割安感と高配当は魅力ですが、収益性の改善と成長への具体的な道筋が見えてくることで、より安心して投資できる銘柄となるでしょう。今後の企業努力と市場の動向に期待したいところです。

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