△(8344)山形銀行 : PBR0.39倍と高配当利回り3.00%!自己資本比率の低さに注意

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、山形県を拠点に地域経済を支える山形銀行(東証プライム:8344)です。地方銀行として、預金、貸出、為替業務といった基本的な金融サービスはもちろんのこと、地域企業の事業承継支援や、個人のお客様の資産運用相談など、地域に密着した多岐にわたる金融ソリューションを提供しています。地域のお客様との信頼関係を大切にし、山形県の発展に貢献することを目指している、まさに地域の金融インフラを担う存在と言えるでしょう。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 186,600円(1,866円/株)
  • PBR : (連)0.39倍
  • PER : (連)11.76倍
  • 配当利回り : 3.00%
  • 株主優待 : なし

(2025年11月28日(金)時点)

ぽんぽん的な評価

△ ぽんぽんは、売りたいぽん!

PBR0.39倍と高配当は魅力的だけど、自己資本比率の低さが気になるぽん。地方銀行の経営環境も注視したいぽんね。

評価の理由

[評価の注目ポイント] PBR0.39倍と高配当は魅力的だけど、自己資本比率の低さが気になるぽん。地方銀行の経営環境も注視したいぽんね。

A. 成長性 : △

山形銀行の成長性は、その事業基盤である山形県の経済動向に大きく左右されます。地域経済の活性化に努めているものの、地方銀行全体が直面する人口減少や高齢化、産業構造の変化といった課題は、中長期的な貸出金需要や預金残高に影響を与える可能性があります。直近ではEPS(1株当たり利益)が前年同期比で増加傾向にあるものの、四半期ごとの振れ幅も大きく、持続的な高成長を期待するのは難しいかもしれません。

B. 割安性 : ◎

PBR(株価純資産倍率)が0.39倍と、純資産に対して株価が非常に割安な水準にあります。これは、企業の解散価値を下回る評価を受けていることを意味し、東証がPBR1倍割れ企業に改善を促す中で注目されるポイントです。また、配当利回りも3.00%と、現在の低金利環境下においては魅力的な水準と言えるでしょう。資産価値と株主還元という点では、非常に魅力的な側面を持っています。

C. 安全性 : ×

最も懸念されるのは、自己資本比率が4.3%と、一般的に望ましいとされる30%を大きく下回っている点です。銀行にはBIS規制という独自の自己資本比率規制があり、国内基準行としては4%以上が求められるため、辛うじて基準は満たしています。しかし、一般企業の財務健全性の視点で見ると、この水準は非常に低く、財務基盤の脆弱性を示唆しています。有利子負債の増減も安定性を欠いており、今後の財務改善に向けた取り組みが非常に重要となるでしょう。

地方銀行が直面する厳しい経営環境と山形銀行の挑戦

山形銀行のような地方銀行は、長引く低金利環境と地域経済の縮小という二重苦に直面しています。貸出金利息収入が伸び悩む一方で、人口減少は預金残高の伸び悩みや、新たな融資先の確保を困難にしています。こうした状況下で、山形銀行は地域に根差した金融機関として、どのように収益力を強化し、持続的な成長を実現していくかが問われています。

特に、PBRが1倍を大きく下回っている現状は、市場からの評価が低いことを示しており、経営陣には抜本的な改革が求められています。自社株買いや増配といった株主還元策の強化、あるいは事業ポートフォリオの見直しや他行との連携・再編なども選択肢となるかもしれません。山形銀行が今後、どのような戦略で企業価値向上を図っていくのか、その動向は要注目です。

海外の金融市場に目を向けてみると、米国では不動産市場の活況を背景に、金融機関が不動産関連融資を拡大する動きも見られます。例えば、UMH PropertiesがFannie Maeの信用枠を拡大したというニュース(https://propnewstime.com/getdetailsStories/MjM0MDQ=/umh-properties-expands-fannie-mae-credit-facility-with-seven-communities)は、その一例と言えるでしょう。一方、日本の地方銀行も、地域経済の活性化のために住宅ローンや事業性融資に力を入れていますが、人口減少や金利環境の制約の中で、どのように収益を確保していくかが課題となっています。

地方銀行のPBR1倍割れは、山形銀行に限った話ではありません。例えば、同じく地方銀行である四国銀行もPBRが0.40倍と、非常に割安な水準にあります。地方銀行の経営環境やPBRについて深く知りたい方は、過去の記事「〇(8387)四国銀行 : PBR0.40倍の超割安感と3.36%の高配当利回り、地方銀行の未来に注目」も参考にしてみてください。

山形銀行は、地域にとってなくてはならない存在です。しかし、投資という観点から見ると、魅力的な割安感や配当利回りがある一方で、財務の安定性や今後の成長戦略には慎重な目が必要でしょう。今後の経営改革の進捗と、地域経済の動向を注意深く見守っていくことが大切だと考えられます。

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