〇(8387)四国銀行 : PBR0.40倍の超割安感と3.36%の高配当利回り、地方銀行の未来に注目

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、四国地方を地盤とする地域金融機関、四国銀行(8387)です。高知県高知市に本店を構え、地域経済の発展に深く貢献している地方銀行として知られています。預金、貸出業務を中核に、有価証券投資、為替業務、そして近年ではフィンテックを活用した新たな金融サービスの提供にも力を入れていますね。

地方銀行を取り巻く環境は、人口減少や超低金利の長期化、そして異業種からの参入など、非常に厳しいものがあります。しかし、四国銀行は地域に根差したきめ細やかなサービスと、デジタル化への対応で、その困難な時代を乗り越えようと努力を続けています。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 166,500円(1,665円/株)
  • PBR : 0.40倍
  • PER : 4.32倍
  • 配当利回り : 3.36%
  • 1株配当(会社予想): 56.00円(2026年3月期)
  • 自己資本比率(実績): 4.7%
  • 株主優待 : なし
  • (2025年11月28日(金)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!PBR0.40倍という超割安感と、3.36%の高配当利回りは魅力的ぽん!ただし、地方銀行の厳しい経営環境と、自己資本比率の評価には慎重になりたいぽん〜!もう少し様子を見て、地域経済の回復や収益改善の兆しが見えたら、積極的に検討したいぽん!

評価の理由

[評価の注目ポイント]

PBR0.40倍の超割安と高配当に魅力を感じつつ、地方銀行の厳しい経営環境と、銀行業特有の自己資本比率に注目ぽん!

A. 成長性 : △

四国銀行の収益性は、提供データによると「改善傾向」にあり、純利益率も前年同期比で概ね上向きとのこと。EPS(1株当たり利益)も増加傾向にあるのは好材料です。しかし、ROE(自己資本利益率)は4.15%と、一般的に望ましいとされる8~10%を下回っており、ROA(総資産利益率)も5%を下回っています。地方銀行全体としては、人口減少や地域経済の縮小、低金利環境の長期化といった構造的な課題に直面しており、劇的な成長を期待するのは難しいかもしれません。四国銀行も、こうした環境下で収益力をさらに高めていくための戦略が引き続き重要となります。

B. 割安性 : ◎

四国銀行の株価指標は非常に割安感があります。PBR(株価純資産倍率)は0.40倍、PER(株価収益率)は4.32倍と、どちらも市場平均を大きく下回っています。特にPBRが1倍を大きく下回っている点は、会社の純資産に対して株価が低く評価されていることを示しており、いわゆる「PBR1倍割れ」銘柄として注目されます。配当利回りも3.36%と高水準で、安定したインカムゲインを期待できるのは魅力的です。この水準は、同じくPBRが割安なゼビオHDや、東部ネットワークといった銘柄と比べても遜色ありません。割安感と高配当を重視する投資家にとっては、魅力的な選択肢となり得るでしょう。

C. 安全性 : △

財務の安定性については、「やや改善しています」との評価で、有利子負債も減少傾向にある点は良い兆候です。しかし、提供データには自己資本比率が「4.7%」とあり、これに対して「一般的に望ましいとされる30%を大きく下回っています」と記載されています。この点については、補足が必要です。銀行の自己資本比率は、一般事業会社とは異なり、バーゼル規制という国際的な金融規制に基づいて評価されます。国内基準行であれば4%以上、国際基準行であれば8%以上が最低基準とされており、四国銀行の4.7%という数字は、国内基準行としては最低限の基準を満たしているものの、余裕があるとは言えない水準かもしれません。ただし、この数字だけで一概に安全性を判断することは難しく、リスクアセットの状況なども含めた総合的な判断が求められます。地方銀行の経営環境を考えると、さらなる財務基盤の強化は今後の課題と言えるでしょう。

金融業界の未来と地方銀行の挑戦

金融業界は今、大きな変革期を迎えています。デジタル技術の進化は、銀行のビジネスモデルそのものを揺るがす勢いです。例えば、海外のフィンテック企業は、これまでの銀行の常識を覆すようなサービスを次々と生み出しています。

2025年11月28日付のFinTech Futuresの記事「Top fintech news stories of the week: 28 November 2025」では、スウェーデンのフィンテック大手Klarnaが独自のステーブルコイン「KlarnaUSD」を導入し、暗号資産分野への参入を発表したことが報じられています。また、オランダのABN Amroが2028年までに5,200人の人員削減を行う計画を明らかにするなど、効率化と事業再編の動きも活発です。

これらのニュースは、日本の地方銀行にとっても他人事ではありません。Klarnaのようなフィンテック企業が新たな金融サービスを提供することで、従来の銀行の顧客基盤が侵食される可能性もあります。また、ABN Amroの事例が示すように、グローバルな金融機関ではコスト構造の見直しや効率化が急速に進んでおり、日本の地方銀行も同様の課題に直面しています。

四国銀行も、こうした激しい環境変化の中で、地域に根差した強みを活かしつつ、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、新たな収益源を確立していくことが求められます。例えば、地域企業へのDX支援や、地方創生に資する新たな金融商品の開発、あるいはフィンテック企業との協業なども、今後の成長戦略として考えられるでしょう。

地方銀行の株価は、一般的にPBR1倍割れの銘柄が多く、四国銀行も例外ではありません。これは、市場が地方銀行の将来的な成長性や収益力に対して懐疑的な見方をしていることの表れとも言えます。しかし、逆に考えれば、企業努力によって収益構造が改善したり、新たな成長戦略が市場に評価されたりすれば、大きな株価の上昇余地を秘めているとも言えるでしょう。四国銀行が、この厳しい時代をどのように乗り越え、地域と共に成長していくのか、今後もその動向に注目していきたいですね。

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