はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、東証グロース市場に上場しているヒューマンテクノロジーズ(6547)です。同社は、クラウド型勤怠管理システム「KING OF TIME(キングオブタイム)」を主力事業とするSaaS企業として知られています。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が加速する中で、勤怠管理や人事労務といった分野の効率化ニーズを捉え、着実に成長を続けています。
「KING OF TIME」は、初期費用を抑えつつ、多様な働き方に対応できる柔軟な機能と使いやすさが特徴で、中小企業から大企業まで幅広い顧客に利用されています。クラウドサービスであるため、法改正への対応も迅速に行われ、常に最新の環境で利用できる点も大きな強みと言えるでしょう。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 233,800円(2,338円/株)
- PBR : 4.96倍
- PER : 25.26倍
- 配当利回り : 1.20%
- 株主優待 : なし
- (2025年11月14日(金)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!
成長性は魅力的だけど、もう少し株価が落ち着くのを待ちたいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント]:勤怠管理システムのリーディングカンパニーとして、安定した収益基盤と高い成長性、そして盤石な財務が魅力的なぽん!
A. 成長性 : ◎
ヒューマンテクノロジーズの成長性は、非常に高く評価できるポイントです。過去数年間の売上高は右肩上がりに拡大を続け、EPS(1株当たり利益)も安定して増加傾向にあります。これは、主力のクラウド型勤怠管理システム「KING OF TIME」が、企業のDX推進や働き方改革の波に乗って、着実に導入企業数を増やしている証拠と言えるでしょう。サブスクリプションモデルによる安定的な収益基盤は、今後のさらなる成長を後押しする大きな要因となりそうです。収益性も純利益率、営業利益率ともに改善傾向にあり、ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)も高い水準を維持しています。
B. 割安性 : △
PER(株価収益率)25.26倍、PBR(株価純資産倍率)4.96倍という指標を見ると、現在の株価は市場平均と比べてやや割高感があるかもしれません。これは、同社の高い成長性や収益性がすでに株価に織り込まれている可能性を示唆しています。配当利回りも1.20%と、特に高配当を期待する投資家にとっては物足りなく感じるかもしれませんね。株主優待も現在のところ設定されていないため、インカムゲインや優待を重視する方には、他の銘柄も視野に入れるのが良いかもしれません。
C. 安全性 : ◎
財務の安全性は非常に高く、安心して投資を検討できるレベルです。自己資本比率は75.3%と極めて高水準を維持しており、一般的に望ましいとされる30%を大きく上回っています。これは、企業が外部からの借入に依存せず、自社の資金で事業を運営している割合が高いことを意味し、景気変動や予期せぬ事態にも強い体質であることを示しています。有利子負債も前年同期比で減少傾向にあり、財務基盤は盤石と言えるでしょう。
ヒューマンテクノロジーズの魅力をもっと深掘り!
ヒューマンテクノロジーズの最大の魅力は、やはりクラウド型勤怠管理システム「KING OF TIME」が持つ圧倒的な市場競争力にあります。このシステムは、単に打刻時間や労働時間を記録するだけでなく、有給休暇の管理、残業申請、シフト管理、さらには給与計算ソフトとの連携まで、勤怠管理に必要なあらゆる機能を網羅しています。しかも、クラウドサービスなので、インターネット環境があればどこからでも利用でき、テレワークやハイブリッドワークといった多様な働き方にも柔軟に対応できるのが現代のニーズにぴったり合致しています。
特に、日本の労働環境は法改正が頻繁に行われるため、企業側は常に最新の法律に対応した勤怠管理システムを求める傾向にあります。自社でシステムを構築・運用するには多大なコストと手間がかかりますが、「KING OF TIME」のようなクラウドサービスを利用すれば、法改正への対応もベンダー側が行ってくれるため、企業は安心して本業に集中できます。この利便性が、導入企業数の増加に繋がり、同社の安定した成長を支えているのです。
また、SaaSビジネスモデルの強みも忘れてはいけません。一度導入されれば、継続的な利用が期待でき、月額課金によって安定した収益が見込めます。このストック型のビジネスモデルは、景気変動の影響を受けにくく、持続的な成長を可能にする要因となります。さらに、蓄積された勤怠データを活用することで、サービスの改善や新たな機能開発にも繋げられ、競争優位性をさらに高める好循環を生み出しています。
AIが変える「働く未来」とヒューマンテクノロジーズの役割
現代社会において、AI(人工知能)は私たちの生活や仕事に大きな変革をもたらしつつあります。勤怠管理システムを手掛けるヒューマンテクノロジーズにとって、AIの進化はどのような影響を与えるのでしょうか。ここで、AIが仕事に与える影響について考察した興味深い記事をご紹介しましょう。
Finextra Researchが2025年11月16日に公開した「The Silent Workforce: A Deep Dive into AI’s Impact on Jobs and the Future of Work」という記事では、AIが雇用や未来の働き方に与える深い影響について掘り下げています。記事では、AIが単調な作業を自動化し、人間の仕事を補完することで生産性を向上させる可能性に言及しています。しかし同時に、一部の職種ではAIによる代替が進むことで、スキルの再構築や新たな職務への適応が求められることも示唆されています。
ヒューマンテクノロジーズの「KING OF TIME」のような勤怠管理システムは、まさにこのAIによる変革の中心に位置する可能性があります。例えば、AIを活用することで、従業員の過去の勤務データやプロジェクトの進捗状況から、将来の残業時間を予測したり、最適なシフト配置を提案したりすることが考えられます。これにより、企業はより効率的な人員配置やコスト管理が可能になり、従業員は過重労働を未然に防ぎ、ワークライフバランスを向上させることに繋がるかもしれません。
さらに、AIは勤怠データだけでなく、人事評価や従業員のエンゲージメントといった、より広範な人事労務データと連携することで、企業の人材戦略全体を支援する強力なツールへと進化する可能性を秘めています。例えば、AIが従業員のパフォーマンスデータと勤怠データを分析し、離職リスクの高い従業員を早期に特定したり、個々の従業員に合わせたキャリア開発プランを提案したりすることも夢ではありません。ヒューマンテクノロジーズが、このようなAI技術を積極的に取り入れ、「KING OF TIME」を単なる勤怠管理ツールから、「働く未来」をデザインするプラットフォームへと進化させることができれば、その成長性はさらに加速するでしょう。
働き方の多様化が進む現代において、企業は「人」をどのように管理し、育成していくかがますます重要になります。AIはその強力な味方となり得ますが、それを使いこなすための基盤となるシステムが不可欠です。ヒューマンテクノロジーズは、その基盤を提供する企業として、これからの社会でますます存在感を増していくかもしれませんね。
AIやDXの波は、様々な業界に影響を与えています。例えば、マーケティング分野でもAIの活用が進んでいます。〇(3675)クロス・マーケティングのような企業も、DX・AI需要を取り込み、成長を続けています。
まとめ
ヒューマンテクノロジーズは、クラウド型勤怠管理システム「KING OF TIME」を主力に、高い成長性と盤石な財務基盤を持つ魅力的な企業です。企業のDX推進や働き方改革の追い風を受け、売上高・EPSともに右肩上がりの成長を続けており、収益性も改善傾向にあります。自己資本比率も非常に高く、財務の安全性は文句なしと言えるでしょう。
現在の株価は、その高い成長期待が織り込まれているため、PERやPBRを見るとやや割高感があるかもしれません。しかし、AIが「働く未来」を大きく変える中で、同社のシステムがどのように進化し、新たな価値を提供していくかには大きな期待が寄せられます。単なる勤怠管理に留まらず、AIを活用した人事労務ソリューションへと事業領域を広げていけば、さらなる成長の余地があると考えられます。
投資を検討される際は、同社の今後のAI戦略や、勤怠管理市場における競争環境の変化、そして株価の動向を注視しながら、ご自身の判断で慎重に進めていくことが大切です。


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