はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
S Foods(2292)の基礎情報
今回ご紹介するのは、食肉を中心とした食品の製造・販売・卸売を手がけるS Foods(2292)です。食肉の輸入から加工、そして外食産業やスーパーマーケットへの卸売までを一貫して行うことで、私たちの食卓を支えている企業ですね。特に食肉分野では幅広い品揃えと供給網を持つことで知られています。
直近の営業日(2025年10月24日)における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 256,400円(2,564円/株)
- PBR : 0.66倍
- PER : 18.04倍
- 配当利回り : 4.06%
- 1株配当(会社予想): 104.00円 (2026/02)
- 時価総額 : 82,734百万円
- 自己資本比率 : 52.8%
(2025年10月24日時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!収益性改善に期待しながら、割安な水準で狙いたいぽん!
評価の理由
[評価の注目ポイント]
PBR割安と高配当は魅力的だけど、収益性と成長性の改善が今後の株価を左右しそうぽん!
A. 成長性 : △
S Foodsの成長性については、少し伸び悩んでいる印象を受けます。過去数年を見ると、売上高は拡大する四半期が多いものの、残念ながらEPS(1株当たり利益)は明確な下落傾向にあります。また、事業活動で得られるフリーキャッシュフローもマイナス幅が拡大しており、事業規模の拡大が必ずしも利益や資金創出に直結していない現状が見て取れます。食肉市場の競争激化や原材料価格の変動などが影響している可能性も考えられますね。
B. 割安性 : 〇
割安性という点では、魅力的な水準にあると言えるでしょう。現在のPBRは0.66倍と1倍を大きく下回っており、会社の資産価値に対して株価が割安に評価されていることを示唆しています。また、配当利回りも4.06%と高水準で、安定的なインカムゲインを期待する投資家にとっては魅力的なポイントです。PERも18.04倍と、同業他社と比較しても極端に割高というわけではありません。ただし、前述の収益性・成長性の課題がこの割安感に繋がっている側面も考慮する必要がありそうです。
C. 安全性 : 〇
財務の安全性については、おおむね安定していると評価できます。自己資本比率は52.8%と高く、一般的に望ましいとされる30%を大きく上回っています。これは、外部からの借入に頼らず、自社の資金で事業を運営できる体力があることを意味します。ただし、足元では有利子負債がやや増加傾向にある点も注視しておきたいところです。全体としては、堅実な財務基盤を持っているため、突発的な経済変動や事業環境の変化にも耐えうる力があると考えられます。
食肉市場のトレンドとS Foodsのこれから
S Foodsが主力とする食肉市場は、常に消費者のニーズや食生活の変化に影響を受けています。最近では、健康志向の高まりから「高タンパク質」の食事が注目されるようになり、自宅で食事を作る機会も増えました。
例えば、海外のインフルエンサー「Ballerina Farm」の食生活を紹介した記事『’Tradwife’ Influencer Ballerina Farm’s High Protein, High Fiber Lunch』では、牧場に住んでいるため冷凍肉が豊富にあることから、ステーキやロースト肉を日常的に食卓に上げている様子が紹介されています。高タンパク質で食物繊維も豊富なランチを重視し、手軽に作れるパスタとミートソースなども頻繁に登場するといいます。
このようなトレンドは、S Foodsのような食肉供給企業にとって大きなヒントになるのではないでしょうか。消費者が求めるのは、単なる食肉だけでなく、「高タンパク質」といった付加価値や、自宅で手軽に調理できる利便性、そして美味しさです。S Foodsがこれらのニーズに応える形で、どのような製品開発や供給体制を強化していくのかが、今後の成長を左右する鍵となるでしょう。
家庭での調理機会が増える中で、高品質で手軽に使える食肉加工品や、健康志向に合わせた特定部位の供給強化などが考えられます。また、外食産業向けだけでなく、スーパーマーケットやオンラインストアといった小売チャネルでの存在感をさらに高めることも重要になってくるかもしれませんね。
他の食品関連企業では、例えばプリマハム(2281)やはごろもフーズ(2831)なども、消費者の食生活の変化に対応しながら事業を展開しています。S Foodsも、こうした市場の変化を的確に捉え、収益性と成長性の改善に繋がる戦略を打ち出せるかに注目していきたいところです。


コメント