本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
はじめに
今回は、広島県を拠点に地域のエネルギーインフラを支える広島ガス(東証プライム:9535)についてご紹介します。地域に根ざした安定した事業基盤を持つ同社ですが、現在の株価指標を見ると、その魅力が十分に評価されていないように見えます。特にPBR(株価純資産倍率)の低さは、投資家にとって見逃せないポイントかもしれませんね。
銘柄の基礎情報
広島ガスは、広島県を中心にガス供給事業を展開する地域密着型のエネルギー企業です。家庭や企業に都市ガスを供給するほか、液化石油ガス(LPガス)の販売、ガス機器の販売・施工なども手掛けています。地域の生活や産業を支える重要なインフラ企業として、安定した事業運営が特徴です。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 36,800円(368円/株)
- PBR : 0.37倍
- PER : 18.70倍
- 配当利回り : 3.26%
- 株主優待 : なし
- (2025年10月22日(水)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!
PBRが超割安で財務も盤石、さらに高配当も魅力的な銘柄ぽん!今後のエネルギー転換への取り組みに期待しつつ、長期的な視点で買い時を探したいぽん~!
評価の理由
[評価の注目ポイント]: PBR0.37倍と超割安!安定した財務基盤と高配当で、エネルギー転換への期待も高まるぽん!
A. 成長性 : 〇
広島ガスは地域に根差したガス供給事業を主軸としており、売上や利益は比較的安定しています。劇的な成長を期待するタイプの企業ではありませんが、堅実な事業運営が強みです。今後の成長の鍵となるのは、脱炭素社会への移行に向けた取り組みでしょう。例えば、再生可能エネルギー由来のガスや水素エネルギーの導入、CO2排出量削減技術への投資などが挙げられます。こうした新たなエネルギー事業への挑戦が、将来的な成長ドライバーとなる可能性があります。
B. 割安性 : ◎
現在の広島ガスの株価指標を見ると、非常に割安感があります。特にPBR(株価純資産倍率)が0.37倍という水準は、東証が企業にPBR1倍割れ改善を促している現状を考えると、極めて低いと言えるでしょう。これは、会社の持つ純資産に対して株価が大きく割安に評価されていることを示唆しています。また、配当利回りも3.26%と高く、安定したインカムゲインを期待できる点も魅力的です。PER(株価収益率)は18.70倍と、ガス業界の平均と比較しても妥当な水準にあります。
C. 安全性 : ◎
財務の健全性については、文句なしの「◎」評価です。自己資本比率は52.7%と非常に高く、強固な財務基盤を誇っています。これは、外部からの借入に依存せず、自社の資金で事業を運営できる安定性があることを意味します。エネルギーインフラを担う企業として、このような盤石な財務状況は、長期的な事業継続性において大きな安心材料となります。
エネルギー転換期における地域ガス会社の挑戦
広島ガスのような地域ガス会社にとって、現在のエネルギー業界は大きな転換期を迎えています。脱炭素社会の実現に向けて、天然ガスだけでなく、水素や再生可能エネルギーといった新たなエネルギー源へのシフトが求められています。これは大きな課題であると同時に、新たな事業機会でもあります。
例えば、海外の動きに目を向けると、スペインのガス送電網事業者であるEnagas(エナガス)の事例は非常に興味深いものです。最近の報道によると、Enagasは2025年の目標達成に向けて順調に進んでおり、2024年の純損失から2025年9ヶ月で黒字転換を果たしたとのことです。さらに注目すべきは、2030年までに40億ユーロ以上を水素インフラに投資する計画を発表し、アンモニアやCO2回収事業への多角化も進めている点です。
参照記事: Spain’s Enagas on track to meet 2025 targets – TradingView
Enagasのこの動きは、従来のガス事業者が脱炭素化の波を乗り越え、持続的な成長を追求するための具体的な戦略を示しています。広島ガスも、このような海外の先進事例を参考にしながら、地域の特性に合わせた水素エネルギーの導入や、CO2排出量削減に貢献する技術開発、新たなエネルギーソリューションの提供といった分野で、積極的に投資や事業展開を進めることで、将来の成長性を高めることができるでしょう。
PBRが極めて低い水準にある広島ガスは、まさに東証が推進する「PBR1倍割れ改善」の対象となりうる企業です。企業価値向上のための株主還元強化や、事業ポートフォリオの見直し、成長戦略の明確化といった動きが今後期待されるかもしれません。
まとめ
広島ガスは、安定した事業基盤と極めて健全な財務状況、そして高水準の配当利回りが魅力的な銘柄です。特にPBRが0.37倍という超割安な水準は、その企業価値が市場で十分に評価されていない可能性を示唆しており、長期的な視点で検討する価値があると言えるでしょう。今後のエネルギー転換期において、同社がどのような成長戦略を描き、実行していくのかに注目が集まります。PBRが割安な銘柄や、エネルギー関連の銘柄に興味がある方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。


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