はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、プレシジョン・システム・サイエンス(東証グロース:7707)です。プレシジョン・システム・サイエンス、略してPSSは、ライフサイエンス分野における自動化技術のパイオニアとして知られています。特に、核酸自動抽出装置やPCR検査装置といった、遺伝子検査や研究に不可欠な機器の開発・製造・販売を手掛けています。病気の診断から創薬研究、さらには食品検査など、幅広い分野でその技術が活用されており、研究者の手間を省き、より効率的で正確な分析を可能にしています。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 18,100円(181円/株)
- PBR : (連)1.29倍
- PER : (連)63.96倍
- 配当利回り : —
- 株主優待 : なし
- (2025年12月19日(金)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!
ライフサイエンス分野の未来に期待したいぽん!もう少し株価が落ち着いたら検討したいぽん~!
評価の理由
[評価の注目ポイント] 盤石な財務基盤と、AIが加速するライフサイエンス分野での自動化技術に期待!
A. 成長性:〇
プレシジョン・システム・サイエンスの成長性は、ライフサイエンス分野の進化と密接に結びついています。同社が手掛ける核酸自動抽出装置やPCR装置は、遺伝子解析、創薬支援、感染症診断など、多岐にわたる研究・医療現場で必要とされています。特に、近年注目度が高まっている個別化医療やゲノム医療の進展には、高精度かつ効率的な核酸抽出・解析技術が不可欠です。
直近の収益性は改善傾向にあり、純利益率がマイナスからプラスに転じ、営業利益率も向上しています。これは、過去の不安定さから脱却し、事業が安定的な成長軌道に乗りつつある兆候と捉えることができます。
さらに、PSSの事業は、AI(人工知能)技術の進化と非常に親和性が高いと言えるでしょう。例えば、米国政府がビッグテックの協力を得て進めている大規模なAI科学プロジェクトでは、AIが科学的発見を加速する「新しい科学機器」として位置づけられています。このプロジェクトでは、AIモデルが複雑なシステムを理解し、仮説を生成し、予備実験を行うことを可能にするとされており、特にGoogle DeepMindは、材料科学や創薬、遺伝子研究の分野で活用できるAIツールを提供すると発表しています。(参考:The US Government Has a Big New AI Science Project Brewing, With Big Tech’s Help – CNET)
このようなAIによる研究の加速は、PSSが提供する自動化・省力化機器の需要をさらに高める可能性があります。AIが生成した膨大なデータや仮説を検証するためには、効率的かつハイスループットな実験プロセスが必要となり、そこでPSSの技術が重要な役割を果たすことが期待されます。まさに、AIとライフサイエンス研究の融合が、同社の新たな成長ドライバーとなる可能性を秘めていると言えるでしょう。
B. 割安性:△
プレシジョン・システム・サイエンスの割安性を見ると、PER(株価収益率)は(連)63.96倍と、現在の利益水準から見るとやや高めに感じられます。これは、市場が同社の将来的な成長や、ライフサイエンス分野全体の潜在的な可能性を強く期待している表れかもしれません。
一方、PBR(株価純資産倍率)は(連)1.29倍と、極端な割高感はありません。しかし、配当利回りが「—」(無配)であり、株主優待もないため、短期的なインカムゲインを期待する投資家にとっては魅力が薄いかもしれません。長期的な視点に立ち、将来の成長に期待して投資を検討する銘柄と言えるでしょう。
C. 安全性:◎
プレシジョン・システム・サイエンスの財務安全性は非常に高く、投資家にとって大きな安心材料の一つです。自己資本比率は(連)76.2%と、一般的に優良とされる30%をはるかに上回る水準を維持しています。これは、外部からの借入に依存せず、自己資金で事業を運営できる強固な財務基盤を持っていることを示しています。
また、有利子負債も前年同期比で減少傾向にあり、財務の健全性がさらに高まっていることが伺えます。このような盤石な財務体質は、研究開発投資や事業拡大のための資金調達においても有利に働き、競争の激しいライフサイエンス業界で安定的に事業を継続していく上で大きな強みとなります。
高い自己資本比率を持つ企業は、不測の事態や景気変動にも強く、長期的な視点での投資に適していると言えます。例えば、自己資本比率87.1%の日本新薬や、医療インフラを支えるスズケン、DX・AI事業を拡大するエクスモーションなど、安定した財務基盤を持つ企業は、それぞれの分野で堅実な事業展開を進めています。PSSも同様に、この強固な財務基盤を背景に、ライフサイエンスの未来を切り開く技術開発に注力できるでしょう。


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