〇(4516)日本新薬 : 難病・希少疾患領域の新薬開発と87.1%盤石財務

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

日本新薬(4516)の基礎情報

今回ご紹介するのは、医薬品事業と機能食品事業を展開する日本新薬(4516)です。特に医薬品事業では、泌尿器科領域や難病・希少疾患領域、婦人科領域、オンコロジー(がん)領域に強みを持ち、画期的な新薬の開発・提供を通じて、患者さんのQOL(生活の質)向上に貢献しています。

難病・希少疾患に対する医薬品は、アンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)に応えるものであり、社会的な意義も非常に大きいのが特徴です。また、機能食品事業では、健康食品や食品素材の開発・販売を手掛けており、人々の健康を多角的にサポートしています。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 538,000円(5,380円/株)
  • PBR : (連)1.40倍
  • PER : (連)13.78倍
  • 配当利回り : 2.30%
  • 株主優待 : なし
  • (2026年1月20日(月)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!新薬開発の動向に注目しながら、もう少し様子を見たいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント]
難病・希少疾患領域に強みを持つ新薬メーカーで、非常に堅実な財務基盤が魅力ぽん!新薬開発の進捗に期待したいぽん!

A. 成長性 : 〇

日本新薬の成長性は、今後の新薬開発の成否に大きく左右されると言えるでしょう。提供されたデータでは成長性が「0.0倍」と示されていますが、これは特定の指標における数値であり、全体像を示すものではありません。実際には、EPS(1株当たり利益)は前年同期比で増加基調にあり、企業としての収益力は着実に向上している兆しが見えます。

特に、難病・希少疾患の分野は、患者数が少ないものの、一度承認されれば高い薬価と長期的な収益が期待できる特性があります。例えば、肺動脈性肺高血圧症治療薬「ウプトラビ」やデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」といった製品が、同社の成長を牽引してきました。今後も、これらの主力製品の市場浸透や、新たなパイプライン(開発中の新薬候補)の進捗が、成長の重要な鍵となります。

製薬業界は研究開発に多額の投資が必要ですが、成功すれば大きなリターンが見込めます。日本新薬がどのような新薬を世に送り出すか、その動向は引き続き注目したいポイントです。

B. 割安性 : 〇

現在のPBR(株価純資産倍率)は1.40倍、PER(株価収益率)は13.78倍となっています。製薬業界全体で見ると、新薬開発への期待感からPERが高くなる傾向にありますが、日本新薬のPERは比較的落ち着いた水準と言えるでしょう。PBRも1倍を大きく超えていますが、自己資本比率が非常に高いことを考慮すると、過度に割高とは言い切れません。

配当利回りは2.30%と、現在の低金利環境下では魅力的な水準です。株主優待制度は設けられていませんが、安定した配当は長期保有を考える投資家にとって安心材料になるかもしれません。全体として、極端な割安感はないものの、企業の安定性や将来の成長性を考慮すれば、妥当な評価水準にあると考えられます。

C. 安全性 : ◎

日本新薬の財務健全性は極めて高いと評価できます。自己資本比率は驚異の87.1%を誇り、これは一般的に望ましいとされる30%をはるかに上回る水準です。盤石な財務基盤は、予期せぬ経済変動や大規模な研究開発投資にも耐えうる強さを示しています。有利子負債も概ね落ち着いた水準で推移しており、財務的なリスクは非常に低いと言えるでしょう。

また、ROE(自己資本利益率)も13.94%と、収益性を測る上で望ましいとされる目安を上回っており、効率的な経営ができていることが伺えます。このような高い安全性は、企業が長期的に安定した事業運営を行う上で非常に重要な要素であり、投資家にとって大きな安心材料となります。他の医薬品メーカーと比較しても、その財務の安定性は際立っています。

例えば、過去記事で紹介したキッセイ薬品工業(4547)も自己資本比率85.6%と高い水準を誇っていますが、日本新薬もそれに匹敵する財務の強さを持っています。

2026年度薬価制度改革が製薬業界に与える影響

製薬業界にとって、国の薬価制度改革は企業の収益構造に直接影響を与える重要な要素です。2026年度の薬価制度改革では、いくつかの大きな変更点が議論されており、日本新薬のような新薬開発に注力する企業にとってもその動向は無視できません。

特に注目すべきは、「再算定『共連れ』の廃止」「長期収載品の引き下げ強化」、そして「新薬の評価方法」です。これらについて、AnswersNewsの「【よくわかる2026年度薬価制度改革】再算定「共連れ」は廃止…AGは先発と同一価格に、長期収載品の引き下げ強化」という記事を参考に、日本新薬への影響を考察してみましょう。

再算定「共連れ」廃止の意義

これまで、後発医薬品(ジェネリック医薬品)が登場した際に、その先発医薬品の薬価が引き下げられると、類似の効能を持つ他の先発医薬品も連鎖的に薬価が引き下げられる「共連れ(ともづれ)」という仕組みがありました。この制度は、先発医薬品メーカーにとって予期せぬ薬価引き下げのリスクを伴うものでした。

2026年度の改革でこの「共連れ」が廃止されることは、日本新薬のような新薬メーカーにとってはポジティブな要素となり得ます。自社が開発した新薬の薬価が、他社の後発品登場によって不当に引き下げられるリスクが軽減されるため、新薬のライフサイクルを通じて安定した収益を確保しやすくなる可能性があります。これは、高額な研究開発費を投じて新薬を創出するモチベーション維持にも繋がるでしょう。

長期収載品の引き下げ強化と新薬への注力

一方で、長期収載品の薬価引き下げが強化される見込みです。長期収載品とは、特許期間が終了し、後発医薬品が市場に多数存在するようになった先発医薬品のことです。これらの製品は、製薬会社にとって安定した収益源となることが多いですが、国民皆保険制度を維持するため、薬価が定期的に見直され、引き下げられる傾向にあります。

日本新薬も、過去に開発した長期収載品を保有していますが、近年は難病・希少疾患領域など、特許期間が長く、競合が少ない新薬の開発に注力する戦略をとっています。長期収載品の薬価引き下げ強化は、これらの製品からの収益が減少する可能性を意味しますが、日本新薬が新薬シフトを進めていることを考えると、その影響は他の長期収載品比率が高い企業に比べて限定的かもしれません。

むしろ、この改革は、製薬企業に「真に革新的な新薬」の開発を促すメッセージとも受け取れます。日本新薬が強みとするアンメット・メディカル・ニーズの高い領域での新薬創出は、今後ますます重要性を増すでしょう。

新薬開発の難しさは、過去に紹介したティムス(4891)のような創薬ベンチャーの状況からも伺えます。新薬は成功すれば大きなリターンをもたらしますが、その道のりは決して平坦ではありません。しかし、日本新薬のような安定した財務基盤を持つ企業は、このリスクを乗り越える力を持っていると言えるでしょう。

新薬の評価方法の動向

記事では、薬価調整の仕組みにおいて、ドイツの価格参照方法が見直される点にも触れられています。日本の薬価が欧米主要国と乖離しすぎないよう調整する仕組みは、新薬の国際的な価値を適切に評価する上で重要です。新薬の評価が適正に行われることは、日本新薬が開発する画期的な医薬品が、その価値に見合った価格で評価されることに繋がります。

新薬の評価が手厚くなれば、研究開発投資へのインセンティブが高まり、日本新薬のような研究開発型企業にとっては追い風となります。このように、2026年度の薬価制度改革は、日本新薬の事業環境に多岐にわたる影響を与える可能性がありますが、新薬開発に注力し、堅実な財務を持つ同社にとっては、むしろ競争力を高める機会にもなり得ると考えられます。

医薬品業界におけるもう一つの注目企業として、栄研化学(4544)のように特定の検査薬で高いシェアを持つ企業もありますが、日本新薬はより広範な疾患領域における新薬開発で存在感を発揮しています。

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