〇(1980)ダイダン : 脱炭素・DX需要で成長期待、高ROEと盤石財務

銘柄紹介

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

はじめに

今回ご紹介するのは、総合設備工事のリーディングカンパニーであるダイダン(1980)です。私たちの身の回りにある様々な建物、例えばオフィスビル、工場、病院、商業施設、そして最近特に注目されているデータセンターなど、それらの快適で安全な環境を支える電気、空調、給排水衛生、情報通信といった多岐にわたる設備工事を手掛けています。

ダイダンは、創業から100年以上の歴史を持つ老舗企業であり、その技術力と実績は業界内で高く評価されています。特に近年は、社会の大きなトレンドである「脱炭素化」や「DX(デジタルトランスフォーメーション)」といった動きが、同社の事業に新たな成長機会をもたらしている状況です。省エネ設備の導入や再生可能エネルギー関連の工事、あるいはデータセンターの高度化など、これからの社会に不可欠なインフラを支える重要な役割を担っています。

それでは、さっそくダイダンの魅力について、詳しく見ていきましょう。

銘柄の基礎情報

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。(2025年10月16日(木)時点)

  • 最低投資金額 : 651,000円(6,510円/株)
  • PBR : 2.57倍
  • PER : 15.86倍
  • 配当利回り : 2.53%
  • 1株配当(会社予想): 165.00円 (2026/03)
  • ROE : 17.38%
  • 自己資本比率 : 49.7%
  • 時価総額 : 299,224百万円
  • 年初来高値 : 6,660円 (25/10/08)
  • 年初来安値 : 2,917円 (25/04/07)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!脱炭素化やDX需要が追い風で、安定した財務も魅力!少し下がったら買いたいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント] 脱炭素・DX需要で成長期待が高く、高いROEと健全な財務が魅力!株価の調整を待ちたいぽん!

A. 成長性 : ◎

ダイダンの成長性は、社会全体の大きなトレンドと密接に結びついています。特に「脱炭素化」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の二つの波が、同社の事業を力強く後押ししています。

  • 脱炭素化への対応:企業や自治体は、地球温暖化対策として省エネ化や再生可能エネルギーの導入を加速させています。ダイダンは、高効率な空調・電気設備の導入、太陽光発電システムの設置、エネルギーマネジメントシステムの構築など、多岐にわたるソリューションを提供しており、この需要を確実に捉えています。省エネ改修工事やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化の推進は、今後も成長の柱となるでしょう。
  • DX需要の拡大:データセンターの建設・増設ラッシュは、ダイダンにとって大きなビジネスチャンスです。データセンターは膨大な電力を消費するため、高効率な冷却システムや安定した電力供給設備が不可欠です。同社はこれらの高度な設備工事に強みを持っており、今後もクラウドサービスの普及やAIの進化に伴うデータ需要の増加が、事業を牽引すると考えられます。また、スマートビルディング化やIoTを活用した設備管理など、建物のDX化も成長領域です。
  • 堅調な業績推移:過去数年の業績を見ても、売上高、営業利益ともに堅調に推移しており、2026年3月期の会社予想でも増収増益を見込んでいます。このような安定した成長は、同社の技術力と市場ニーズへの的確な対応力を示していると言えるでしょう。

B. 割安性 : △

現在の株価指標を見ると、割安感は限定的ですが、その背景には高い収益性があります。

  • PBRとPER:PBR(株価純資産倍率)2.57倍、PER(株価収益率)15.86倍という水準は、建設・設備工事セクターの平均と比較すると、やや高めに位置しています。特にPBRは、年初来安値から株価が大きく上昇していることもあり、純資産に対して割高感があると感じるかもしれません。しかし、これは後述する高いROE(自己資本利益率)を評価されている側面もあります。
  • 配当利回り:配当利回り2.53%は、現在の低金利環境下では魅力的と言えます。1株配当も165円(会社予想)と安定しており、株主還元への意識も感じられます。しかし、高配当銘柄として特に注目される水準とまでは言えないでしょう。
  • 高いROE:ROE(自己資本利益率)は17.38%と非常に高い水準です。これは、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることを示しており、企業の収益性の高さと経営の巧みさを物語っています。一般的に、ROEが高い企業はPBRも高くなる傾向があるため、一概にPBRが高いから割高とは言えない側面もあります。

C. 安全性 : ◎

ダイダンの財務基盤は非常に強固であり、安心して投資を検討できる要素の一つです。

  • 自己資本比率:自己資本比率は49.7%と、建設業界の中では非常に健全な水準を保っています。これは、外部からの借入に過度に依存せず、自社の資本で事業を運営できていることを示しており、景気変動や予期せぬ事態に対しても強い耐性を持っていると言えます。
  • 盤石な財務体質:高い自己資本比率に加え、豊富な手元資金や安定したキャッシュフローも、同社の財務の安全性を裏付けています。これにより、将来の成長投資やM&Aなどにも柔軟に対応できる余地があり、持続的な企業価値向上に繋がる可能性があります。
  • 安定した収益基盤:長年の実績と高い技術力に裏打ちされた安定した受注基盤も、財務の安全性を高める要因です。多様な顧客層と幅広い工事分野を持つことで、特定のリスクに偏ることなく、安定的に収益を確保できる体制が整っています。

深掘り:脱炭素社会への貢献と設備投資の未来

現代社会において、「脱炭素」は避けて通れないテーマです。企業活動のあらゆる側面で、温室効果ガス排出量の削減が求められています。これは、設備工事を手掛けるダイダンにとっても、大きな事業機会となっています。

先日、いすゞ自動車が次世代燃料電池(FC)ルートバス「ERGA FCV」の世界初公開を発表しました。このニュースは、モビリティ分野におけるカーボンニュートラルへの取り組みを示す象徴的な事例と言えるでしょう。FCVは水素と酸素の化学反応で発電し、水蒸気のみを排出するため、走行時にCO2を排出しない環境に優しい車両です。いすゞは中期経営計画「ISUZU Transformation – Growth to 2030 (IX)」の中で、カーボンニュートラルソリューションを新たな事業開発の主要課題の一つとして掲げ、マルチパスウェイアプローチを通じてカーボンニュートラルを推進していくとしています。
(参照:Isuzu announces world premiere of next-generation FC route bus “ERGA FCV” – Automotive World

このように、自動車業界に限らず、社会全体で脱炭素へのシフトが加速する中で、ダイダンの果たす役割はますます重要になります。例えば、工場や商業施設における省エネ設備の導入は、単なるコスト削減ではなく、企業のESG経営(環境・社会・ガバナンス)における重要な要素となっています。高効率な空調システム、LED照明への転換、再生可能エネルギー(太陽光発電など)の導入支援、さらにはエネルギーマネジメントシステムの構築など、ダイダンの技術とノウハウが活かされる場面は多岐にわたります。

また、データセンターの需要拡大も、脱炭素という観点からダイダンにとって追い風です。データセンターは大量の電力を消費するため、いかに効率的に冷却し、エネルギー消費を抑えるかが課題となります。ダイダンは、高効率な冷却システムやPUE(電力使用効率)を改善する技術を提供することで、データセンターのグリーン化に貢献しています。これは、DXを推進する企業が、同時に環境負荷の低減も目指すという、現代のニーズに合致したビジネスモデルと言えるでしょう。

インフラ需要という点では、ポンプメーカーの酉島製作所や、通信インフラを支える帝国通信工業なども、その恩恵を受けていると言えるでしょう。社会の基盤を支える企業は、安定した需要に支えられています。

ダイダンは、長年培ってきた総合設備工事の技術力を背景に、これらの社会課題を解決するソリューションを提供することで、持続的な成長を実現していくことが期待されます。脱炭素社会への移行は、単なる規制対応ではなく、新たな市場とビジネスチャンスを生み出しているのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました