〇(1943)トーエネック : 高配当3.88%と盤石財務

銘柄紹介

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

はじめに

今回ご紹介するのは、中部地方を地盤とする総合設備工事会社、トーエネック(1943)です。電力インフラの構築から、情報通信、空調衛生、電気設備、さらには環境・エネルギー関連まで、幅広い分野で社会のインフラを支える「縁の下の力持ち」のような存在ですね。特に、中部電力グループの一員として安定した事業基盤を持っている点が特徴と言えるでしょう。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 167,500円(1,675円/株)
  • PBR : 1.11倍
  • PER : 10.37倍
  • 配当利回り : 3.88%
  • 株主優待 : なし
  • (2025年10月31日(金)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!配当利回りが魅力的だから、もう少し株価が落ち着いてきたら買いたいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント]安定した事業基盤と高水準の配当利回りが魅力!インフラ需要とDX推進が今後の成長を後押しするぽん!

A. 成長性

評価:〇

トーエネックの成長性は、日本の社会インフラが抱える課題と密接に結びついています。まず、電力インフラの老朽化対策は喫緊の課題であり、その改修・更新需要は今後も安定的に続くでしょう。また、再生可能エネルギーへの転換は国の重要政策であり、太陽光発電や風力発電設備の建設、スマートグリッド化への対応など、トーエネックが培ってきた技術とノウハウが活かされる場面は増えていくと予想されます。

さらに、情報通信分野では、5Gの普及に伴う基地局整備やデータセンターの需要拡大、企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に伴うネットワークインフラの構築などが追い風となります。工場やオフィスビルにおける省エネ化、BCP(事業継続計画)対策としての自家発電設備の導入なども、トーエネックの主要な事業領域です。このように、社会のニーズが多岐にわたる中で、同社は幅広い技術力で対応できる強みを持っています。

ただし、建設業界全体が抱える課題として、人手不足や資材価格の高騰は成長の足かせとなる可能性もあります。特に、半導体不足のようなグローバルサプライチェーンの混乱は、様々な産業に影響を及ぼし、ひいては設備投資の動向にも影響を与えることがあります。例えば、最近のニュースでは、半導体メーカーのNexperiaを巡る供給網の危機が報じられています。詳細はCNBCの記事でも取り上げられていますが、米国、中国、EUの間で半導体供給を巡る問題が浮上し、これが自動車産業に深刻な影響を与えています。このような半導体不足が長期化したり、他の産業に波及したりすれば、工場などの設備投資計画に遅れが生じ、トーエネックの受注にも間接的に影響する可能性もゼロではありません。しかし、同社は中部電力グループという安定した顧客基盤と、多様な事業ポートフォリオを持つことで、特定の産業の変動リスクを分散していると言えるでしょう。

過去数年の売上高や利益推移は、安定成長を続けており、2026年3月期の会社予想EPSも161.60円と堅調な見通しです。

B. 割安性

評価:〇

トーエネックの割安性を見ると、PER(株価収益率)は10.37倍、PBR(株価純資産倍率)は1.11倍となっています。これらの指標は、市場全体や同業他社と比較して、極端な割高感はないものの、超割安というほどでもありません。しかし、注目すべきは配当利回り3.88%という水準です。これは、現在の低金利環境下において非常に魅力的な利回りと言えるでしょう。安定した事業基盤を持つ企業からの高配当は、長期的なインカムゲインを期待する投資家にとって大きな魅力となります。株主優待は設定されていませんが、高配当政策で株主還元を図っていると評価できます。

PBRが1倍を超えているため、企業価値が純資産を下回っているわけではありませんが、過去にはPBRが割安で高配当の企業もご紹介していますので、比較検討してみるのも良いかもしれません。

C. 安全性

評価:◎

財務の健全性は、トーエネックの大きな強みの一つです。自己資本比率は44.0%と、建設業としては非常に良好な水準を維持しており、盤石な財務基盤を築いていることが伺えます。これは、外部環境の変化や予期せぬ事態にも耐えうる体力があることを示しています。ROE(自己資本利益率)も8.04%と、資本を効率的に活用して利益を生み出していると言えるでしょう。

中部電力グループという安定した顧客基盤に加え、長年にわたる事業実績と技術力は、安定した受注を確保する上で非常に重要です。建設・設備工事は景気変動の影響を受けやすい側面もありますが、インフラ関連という事業の性質上、一定の需要は常に存在します。また、多様な事業分野を持つことで、リスクを分散している点も安全性に寄与しています。例えば、DX推進を支援するCIJのような企業も高い自己資本比率で安定していますが、トーエネックもまた、その事業の多様性と財務の健全性で安定感があります。

このように、トーエネックは財務の安全性において非常に優れた評価ができる銘柄だと考えられます。

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