◯(9041)京浜急行電鉄 : インバウンド回復・PBR1倍台の割安感

銘柄紹介

はじめに

今日は、東京と神奈川を結ぶ重要な交通インフラを担い、沿線の発展とともに多角的な事業を展開している京浜急行電鉄(京急)について、一緒に見ていきましょう。京急といえば、羽田空港へのアクセス路線としても有名ですよね。ただ電車を運行するだけでなく、不動産、レジャー、流通など、私たちの生活に密着した幅広いサービスを提供しているんですよ。

近年は、コロナ禍からの回復に加え、インバウンド需要の増加や品川駅周辺の再開発など、京急を取り巻く環境は大きく変化しています。そんな京急が、今後の成長に向けてどのような戦略を描いているのか、投資家として気になるポイントを深掘りしていきたいと思います。

注意事項

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

京浜急行電鉄は、主に以下の事業を展開しています。

  • 運輸業:鉄道(京急本線、空港線など)、バス、タクシーの運行
  • 不動産業:オフィスビル、商業施設、住宅などの賃貸・分譲、土地開発
  • レジャー・サービス業:ホテル、温浴施設、ゴルフ場などの運営、広告代理店事業
  • 流通業:百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの運営
  • その他:建設業、情報システム事業など

特に羽田空港へのアクセスは京急の大きな強みであり、国際線ターミナル直結という立地は、インバウンド需要の取り込みにおいて非常に有利なポジションを築いています。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 142,750円(1,427.5円/株)
  • PBR : 1.03倍
  • PER : 16.74倍
  • 配当利回り : 2.38%
  • 株主優待 : 鉄道・バス割引乗車証、グループ施設割引券など(保有株式数による)
  • (2025年10月21日(火)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!

PBRが1倍台で割安感があり、配当利回りも魅力的な水準ぽん。インバウンド回復や沿線開発に期待したいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント]:沿線価値向上と多角化で安定成長!インバウンド回復とPBR1倍台の割安感も魅力的なぽん!

A. 成長性: 〇

京浜急行電鉄の成長性は、コロナ禍からの力強い回復と、今後のインバウンド需要のさらなる増加、そして沿線開発の進捗に大きく期待が寄せられます。

京急は、東京の品川から神奈川の三浦半島まで広がる沿線に、多様な魅力を持つ地域を抱えています。特に、羽田空港国際線ターミナルに直結するアクセスは、インバウンド需要が回復する中で、京急の運輸事業にとって非常に大きな追い風となっています。海外からの観光客が日本を訪れる際、最初に京急を利用するケースも多く、その印象が沿線への誘客にも繋がっていくでしょう。

また、品川駅周辺の大規模再開発も京急の成長ドライバーの一つです。品川はリニア中央新幹線の開業も控えており、今後ますます交通の要衝としての重要性が高まります。京急は品川駅周辺に多くの不動産を保有しており、再開発による資産価値の向上や賃貸収入の増加が期待できます。さらに、沿線全体のブランド力向上にも繋がり、居住人口や交流人口の増加を通じて、運輸事業だけでなく、不動産、流通、レジャーといった多角的な事業全体に好影響を与える可能性があります。

一方で、国内の人口減少やリモートワークの定着といった社会構造の変化は、通勤需要の伸び悩みという形で運輸事業に影響を与える可能性もあります。しかし、京急はそうした変化に対応するため、沿線住民の多様なニーズに応えるためのサービス拡充や、新たな事業領域への挑戦も進めています。

このような状況下で、公共交通機関のデジタル化は、利用者の利便性向上や業務効率化、ひいては新たな収益源の創出に繋がる重要な要素となります。海外の事例に目を向けると、例えばインドのチェンナイでは、公共交通機関の利用を促進するための「Chennai One」アプリが導入され、月額パスの追加やデジタルチケット予約が可能になるなど、利便性の向上が図られています。

参照元: Chennai One app to add monthly passes as commuters seek MTC staff support – Prop News Time

このニュース記事によると、チェンナイの公共交通アプリ「Chennai One」は、リリース後24時間で13万ダウンロード、4,394件のチケット予約を記録し、現在ではダウンロード数が35万件を超え、1万5千件以上のチケットが予約されています。バスの予約が53%、郊外電車とMRTSが23%、地下鉄が19%を占めています。8クローインドル(約14億円)をかけて開発されたこのアプリは、チェンナイの公共交通を近代化する主要な取り組みですが、QRコードの改ざんやデジタルに不慣れな利用者など、いくつかの課題も認識されています。

このチェンナイの事例は、公共交通機関がデジタル化を進めることで、いかに多くの利用者を獲得し、利便性を高められるかを示唆しています。京急も、駅や車両へのスマートデバイス導入、キャッシュレス決済の普及、パーソナライズされた情報提供など、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することで、利用者の満足度を高め、競争力を強化できる可能性があります。DX推進の専門知識を持つ企業との連携も、今後の成長を加速させる鍵となるでしょう。例えば、テックファームHDのような企業は、様々な業界のDXを支援しており、京急のデジタル戦略においてもその技術力が役立つかもしれません。

B. 割安性: 〇

京浜急行電鉄の割安性を見ると、PBR(株価純資産倍率)が1.03倍という水準は、日本株全体で見ればまだ割安感があると言えるでしょう。

東京証券取引所は、PBRが1倍を下回る企業に対して、資本効率の改善や企業価値向上のための具体的な取り組みを要請しています。京急はかろうじて1倍を超えていますが、さらなる企業価値向上への期待は高まります。保有する膨大な不動産資産を有効活用したり、事業ポートフォリオの見直しを進めたりすることで、PBRのさらなる上昇余地があるかもしれません。

PER(株価収益率)は16.74倍で、これは今後の成長期待を考慮すれば妥当な水準だと考えられます。足元の業績回復に加え、前述した沿線開発やインバウンド需要の取り込みが順調に進めば、さらなる業績拡大も期待できるでしょう。

また、配当利回りは2.38%と、安定的なインカムゲインを求める投資家にとっては魅力的な水準です。鉄道会社は一般的に景気変動の影響を受けにくく、安定した配当を継続する傾向があるため、長期投資の対象としても検討の余地があるかもしれません。さらに、鉄道・バス割引乗車証やグループ施設割引券などの株主優待も、沿線住民や京急ファンにとっては嬉しい特典となるでしょう。

C. 安全性: 〇

京浜急行電鉄の財務健全性、すなわち安全性について見ていきましょう。自己資本比率は35.7%と、陸運業全体で見れば一般的な水準を保っており、一定の財務的な安定性があると言えます。

鉄道事業は、社会の基盤を支えるインフラ事業であるため、その収益基盤は比較的安定しています。日々の通勤・通学やビジネス、観光など、人々の移動に不可欠なサービスを提供しているため、急激な需要の落ち込みは考えにくいでしょう。もちろん、大規模な災害や感染症の流行といった外部要因による影響はありますが、長期的に見れば安定したキャッシュフローを生み出す事業です。

さらに、京急の強みは、運輸事業だけでなく、不動産、レジャー、流通といった多角的な事業ポートフォリオを持っている点です。例えば、ホテル事業はコロナ禍で大きな打撃を受けましたが、インバウンド需要の回復とともに業績が急回復しています。京急もホテル事業を展開しており、ワシントンホテルのような他社の回復事例と同様に、今後の収益貢献が期待されます。このように、複数の事業が互いにリスクを分散し、全体としての収益の安定化に寄与していることは、京急の安全性を高める要因となっています。

もちろん、大規模な設備投資が必要となる鉄道事業の特性上、有利子負債は一定程度存在しますが、安定した事業基盤と多角化された収益源によって、その返済能力は確保されていると考えられます。今後の事業展開や投資計画と合わせて、財務状況を継続的にチェックしていくことが重要です。

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