はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報:トリプルアイズ(証券コード:5026)
今回ご紹介するのは、AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)を核としたソリューションを提供するトリプルアイズです。同社は、AIを活用した画像認識技術やシステム開発、セキュリティなど、多岐にわたるITサービスを展開しており、企業のDX推進を強力にサポートしています。特に、AI顔認証システム「AIZE(アイズ)」は、様々な業界で導入が進んでおり、その技術力には定評があります。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 70,500円(705円/株)
- PBR : (連)3.64倍
- PER : (連)165.27倍
- 配当利回り : 0.00%
- 株主優待 : なし
- (2025年11月18日(月)時点)
ぽんぽん的な評価
△ ぽんぽんは、あまり魅力は感じないぽん。。
評価の理由
[評価の注目ポイント]:収益性と成長性の課題、割高な指標が気になるが、DX分野での新たな取り組みには期待したいぽん!
A. 成長性 : △
トリプルアイズの成長性を見ると、売上高は前年同期比で拡大傾向にあるのは良いニュースです。これは、DX需要の高まりや同社のAI技術への期待の表れと言えるでしょう。しかし、残念ながらEPS(1株あたり利益)は前年同期比で低下しており、収益の伸びが利益に結びついていない状況が見受けられます。これは、事業拡大に伴う先行投資やコスト増が影響している可能性もありますが、投資家としては利益成長の鈍化は気になるところです。
そんな中で、次世代教育DXモデルの構築に向けた北海道大学との学術コンサルティング契約の締結は、将来の成長の芽として注目に値します。この取り組みは、生成AIとVRを活用し、北海道が抱える教育格差や教員不足といった社会課題の解決を目指すものです。トリプルアイズのAI技術が教育分野でどのように応用され、新たなビジネスモデルを創出していくのか、今後の進展に期待が寄せられます。このような社会貢献性の高いプロジェクトは、企業のブランドイメージ向上にも繋がり、長期的な成長のドライバーとなる可能性を秘めています。
DXやAIといった成長分野で事業を展開している点は強みですが、足元の収益性改善が今後の成長を加速させるための鍵となるでしょう。DX関連銘柄にご興味があれば、〇(5259)BBDイニシアティブ : DX・ブロックチェーンで成長期待、財務安定や、〇(6547)ヒューマンテクノロジーズ : 勤怠管理システムでDX推進、盤石財務といった銘柄も参考になるかもしれませんね。
B. 割安性 : ×
割安性の観点から見ると、トリプルアイズの株価はかなり割高感があると言わざるを得ません。PER(株価収益率)は165.27倍、PBR(株価純資産倍率)は3.64倍と、同業他社と比較しても高い水準にあります。特にPERの高さは、現在の利益水準に対して株価が非常に高く評価されていることを示しており、今後の大幅な利益成長が織り込まれていると解釈できます。
また、配当利回りは0.00%で株主優待もありません。配当や優待による株主還元を重視する投資家にとっては、魅力が低いかもしれません。現在の株価が年初来安値を更新している状況(705円)を考えると、市場も現在の高い評価に疑問符を投げかけている可能性があります。今後の株価動向は、収益性改善や新たな事業の進展次第で大きく変動する可能性を秘めていると言えるでしょう。
C. 安全性 : △
財務の安全性については、やや低下傾向にあります。自己資本比率は33.7%と、一般的に望ましいとされる30%付近で推移しており、前年よりは改善しているものの、直近では伸び悩んでいます。有利子負債は増加傾向から直近でやや減少している点は評価できますが、EPSがマイナス幅を拡大していることは、企業の稼ぐ力の低下を示唆しており、財務の安定性に影を落とす可能性があります。
事業の性質上、先行投資が必要な局面が多いIT企業ではありますが、収益性の悪化が続くと、自己資本比率の低下や有利子負債の増加に繋がりかねません。今後、教育DXのような新規事業が軌道に乗り、安定した収益を生み出すことができれば、財務体質も改善に向かう可能性はあります。しかし、現状では収益性の不安定さが財務の安全性にも影響を与えていると言えるでしょう。
トリプルアイズは、AIやDXといった将来性のある分野でユニークな技術を持つ企業です。しかし、現在の財務指標や収益性には課題が見られます。北海道大学との連携のように、将来の成長に繋がる種まきは着実に行われているため、今後の動向を注意深く見守る必要があるでしょう。


コメント