△(4563)アンジェス : 遺伝子治療の夢と赤字経営

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

アンジェス(4563)の基礎情報

アンジェスは、大阪大学発のバイオベンチャーとして、遺伝子治療薬や核酸医薬の開発を主軸に事業を展開しています。特に、難病や希少疾患に対する革新的な治療法の確立を目指し、研究開発に注力しているのが特徴です。その技術力と将来性には、大きな期待が寄せられています。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 7,900円(79円/株 x 100株)
  • PBR : 7.43倍
  • PER : — (赤字のため算出不能)
  • 配当利回り : 0.00%
  • 株主優待 : なし
  • 時価総額 : 305億円
  • 発行済株式数 : 3億8,607万7,550株
  • EPS(会社予想) : -18.37円(2025年12月期)
  • BPS(実績) : 10.63円
  • ROE(実績) : -200.48%
  • 自己資本比率(実績) : 44.0%

(2025年11月12日(水)時点)

ぽんぽん的な評価

△ ぽんぽんは、売りたいぽん!
事業化までの道のりが長く、不透明感があるぽん。

評価の理由

[評価の注目ポイント]:遺伝子治療の夢は大きいけど、道のりは険しいぽん!赤字続きで、投資には慎重さが求められるぽん。

A. 成長性 : △

アンジェスが手掛ける遺伝子治療は、現代医療におけるフロンティアであり、将来的に非常に大きな市場を形成する可能性を秘めています。難病に対する画期的な治療法が確立されれば、その社会貢献度と経済的リターンは計り知れません。しかし、バイオベンチャー特有の課題として、研究開発には莫大な時間と費用がかかり、成功の確率は決して高くありません。過去数年の売上や利益を見ても、研究開発費が先行するため、継続的な赤字が続いています。

このような研究開発を支える業界全体の動向として、最近のニュースに目を向けてみましょう。例えば、米国のAlpha Genesis社が霊長類の繁殖施設を40%拡張するという発表がありました。(Alpha Genesis Expands U.S. Primate Breeding Operations by 40% to Advance U.S. Scientific Self-Relian – PharmiWeb.com)これは、新薬開発における前臨床試験の需要が高まっていることを示唆しており、バイオ・医薬品業界全体の研究開発が活発であることを物語っています。アンジェスも同様に、将来の事業化に向けて地道な研究開発を続けており、こうした業界の動きは間接的に追い風となる可能性も考えられます。しかし、個別のパイプラインの成功が何よりも重要であり、その道のりは依然として不確実性が高いと言えるでしょう。

B. 割安性 : ×

アンジェスのPERは、継続的な赤字のため算出できません。PBRは7.43倍と、現在の純資産と比較して株価がかなり高い水準にあります。これは、現状の収益性ではなく、将来の遺伝子治療薬の事業化に対する市場の期待が大きく織り込まれていると解釈できます。しかし、具体的な収益の柱が確立されていない現状では、純資産から見た割安感は全くありません。配当や株主優待もありませんので、投資家にとっての直接的なリターンは、株価上昇によるキャピタルゲインのみに依存することになります。純粋な指標から見れば、割安とは言い難い状況です。

C. 安全性 : △

自己資本比率は44.0%と、一般的なバイオベンチャーとしては比較的健全な水準を保っているように見えます。しかし、長期間にわたる赤字経営は、自己資本を着実に減少させていくリスクを抱えています。BPS(1株当たり純資産)が10.63円であることからも、株価と比較して純資産が薄いことがうかがえます。将来的に大規模な資金が必要となった場合、増資などによる資金調達が行われる可能性も常に考慮に入れる必要があるでしょう。このような財務状況は、今後の事業展開やパイプラインの進捗に大きく影響するため、注意深く見ていく必要があります。成長期待が高い一方で、収益性や財務の課題を抱える企業としては、トランスジェニック(4341)Welby(2470)、あるいはACCESS(3814)などの事例も参考になるかもしれません。

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