△(3998)ソラコム : 財務盤石も収益・成長性課題

銘柄紹介

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

はじめに

今日は、IoT(モノのインターネット)の世界で私たちの生活を支える、IoT・エッジ事業を展開する企業、ソラコムに注目してみたいと思います。IoTは、家電から産業機器まであらゆるモノがインターネットにつながり、データをやり取りすることで、私たちの生活やビジネスをより豊かに、効率的にする技術。ソラコムは、まさにそのIoTの「つなぐ」部分を担う、重要な役割を果たしている企業なんです。

ソラコムってどんな会社?

ソラコムは、IoTデバイスがインターネットに接続するための通信プラットフォームを提供しています。具体的には、IoT専用のSIMカードやeSIM、そしてそれらの通信を管理・運用するためのクラウドサービスが主な事業です。例えば、遠隔地にあるセンサーからデータを収集したり、スマートメーターの情報を自動で送信したり、工場の機械をリアルタイムで監視したりと、多岐にわたるIoTソリューションの基盤となっています。デバイスとクラウドを安全かつ簡単に、そして低コストでつなぐことを可能にし、様々な業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しているんですよ。

さて、ここで少しだけ注意喚起です。最近、OpenAIが開発した動画生成AI「Sora」が大きな話題となっていますが、今回ご紹介するソラコム(SORACOM)とは全く別の企業ですので、混同しないようにご注意くださいね。名前が似ているため、誤解されやすいかもしれませんが、ソラコムはIoT通信プラットフォームを提供する日本の企業です。

参考記事:Sora Is the No. 1 Free App on the Google Play Store: Your Guide to the AI Video App – CNET

このOpenAIの「Sora」は、テキストからリアルな動画を生成する画期的なAI技術で、クリエイティブな分野に革命をもたらす可能性を秘めています。一方、ソラコムは物理的な「モノ」と「インターネット」をつなぐインフラを提供しており、事業内容は大きく異なります。しかし、IoTとAIは未来のテクノロジーにおいて密接に連携していく分野です。IoTデバイスが収集した膨大なデータをAIが解析し、新たな価値を生み出す。ソラコムの強固なIoTプラットフォームが、まさにそうしたAI活用型IoTソリューションの基盤となり得ることを考えると、それぞれの技術が独立しつつも、将来的には連携することで大きなシナジーを生み出す可能性を秘めていると言えるでしょう。

それでは、ソラコムの主要な指標を見ていきましょう。(2025年11月11日時点)

  • 最低投資金額 : 91,900円(919円/株)
  • PBR : 4.09倍
  • PER : 98.92倍
  • 配当利回り : 0.00%
  • 株主優待 : なし
  • 時価総額 : 41,584百万円
  • 自己資本比率 : 75.1%
  • 年初来高値 : 1,384円(25/02/12)
  • 年初来安値 : 686円(25/04/07)

ぽんぽん的な評価

△ ぽんぽんは、売りたいぽん!今はちょっと様子見したいぽん。成長性や収益性の改善が見られるまで、手は出しにくいぽんね。

評価の理由

[評価の注目ポイント]

高い自己資本比率で財務は盤石だけど、収益性と成長性が課題で、割高感も気になるぽん。

A. 成長性 : △

ソラコムの成長性については、少し伸び悩んでいる印象を受けます。過去数年の売上高は増加傾向にありますが、直近ではその増加幅が縮小し、横ばい気味の推移となっています。また、一株当たり利益(EPS)も増減を繰り返しており、安定的な成長軌道に乗っているとは言えません。IoT市場自体は今後も拡大が期待される分野ですが、その中でソラコムがどのように競争優位性を確立し、さらなる成長を加速させるかが今後の課題となりそうです。特に、DX需要が堅調な中で、その恩恵を十分に享受しきれていない点が気になります。

B. 割安性 : ×

割安性という観点から見ると、現在のソラコムの株価はかなり割高だと感じます。PER(株価収益率)は約99倍、PBR(株価純資産倍率)も約4倍と、同業他社と比較しても高い水準にあります。現状の収益性や成長性の状況を考慮すると、この株価水準は将来の大きな成長期待が織り込まれていると考えることができますが、現在の実績からはその期待を裏付ける材料が不足しているようにも見えます。また、配当金はゼロ、株主優待もありませんので、インカムゲインを期待する投資家にとっては魅力が薄いかもしれません。株価が年初来高値から大きく下落しているものの、依然として割安感は乏しいと言えるでしょう。

C. 安全性 : ◎

財務の安全性に関しては、非常に高く評価できます。自己資本比率は75.1%と、一般的に望ましいとされる30%を大きく上回っており、極めて強固な財務基盤を築いていることがわかります。これは、外部からの借入に頼らず、自社の資金で事業を運営できる余裕があることを示しており、経済状況の変化や予期せぬ事態にも耐えうる安定性を持っていると言えるでしょう。有利子負債は増加傾向にあるものの、この高い自己資本比率があれば、当面の間は財務的な心配は少ないと考えられます。堅実な財務体質は、長期的な事業継続において大きな強みとなります。例えば、サイボウズのように、SaaSビジネスは一般的に高い自己資本比率を維持しやすい傾向にありますが、ソラコムも同様に安定した財務状況を保っています。

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