はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、東証プライム市場に上場している巴工業(6309)です。巴工業は、主に遠心分離機やポンプなどの産業機械を製造・販売する機械メーカーとして知られています。さらに、化学品事業やプラントエンジニアリング事業も展開しており、多角的な事業構造が特徴です。
特に、遠心分離機は、液体と固体、あるいは異なる比重の液体を分離する技術で、環境関連(水処理、汚泥処理、リサイクル)、食品、医薬品、化学など幅広い産業で利用されています。社会のインフラを支える縁の下の力持ちのような存在と言えるでしょう。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 173,000円(1,730円/株)
- PBR : (連)1.21倍
- PER : (連)12.33倍
- 配当利回り(会社予想) : 4.16%
- 1株配当(会社予想) : 72.00円(2026/10)
- 自己資本比率(実績) : (連)75.8%
(2025年12月19日(金)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん! 高い配当利回りと盤石な財務基盤が魅力的な銘柄ぽん〜! 長期的な視点でポートフォリオに加えてみたいぽん。
評価の理由
[評価の注目ポイント] 高水準の配当利回りと、非常に安定した財務基盤が大きな魅力。社会インフラを支える事業で安定収益も期待できるぽん!
A. 成長性 : 〇
巴工業の成長性は、提供されたデータで「収益性:改善傾向です。営業利益率と純利益率は前年同期比でおおむね上昇し、直近でも勢いは大きくは崩れていません。」と示されている通り、堅実な動きを見せています。
主力である遠心分離機やポンプは、環境規制の強化に伴う水処理・汚泥処理需要の増加や、医薬品・食品分野での生産効率化ニーズなど、社会の根幹を支える分野で安定した需要があります。また、化学品事業やプラントエンジニアリング事業も、それぞれの市場で着実に収益を上げており、多角的な事業ポートフォリオがリスク分散にも貢献しています。
ただし、特定の期間の成長率を示す「成長性: 0.0倍」というデータも存在するため、急激な成長を期待するというよりは、社会のニーズに合わせた堅実な事業展開による安定成長が期待される銘柄と言えるでしょう。
B. 割安性 : 〇
巴工業のPERは12.33倍、PBRは1.21倍と、極端な割安感があるわけではありませんが、現在の市場環境を考慮すると妥当な水準と言えます。しかし、特筆すべきは配当利回りが4.16%と非常に高い点です。これは、株主還元に積極的な姿勢を示しており、インカムゲインを重視する投資家にとっては非常に魅力的な水準でしょう。
過去には、PBR1倍割れの銘柄も多く見られましたが、巴工業は1倍を超えつつも、高配当によって投資妙味を高めている印象です。例えば、同様に盤石な財務基盤を持つ企業として、SANEI(6267)なども高配当で注目されますが、巴工業もそれに匹敵する魅力があります。
C. 安全性 : ◎
巴工業の財務健全性は非常に高く、自己資本比率は75.8%と盤石です。一般的に30%を超えれば健全とされる中で、この水準は極めて安定していることを意味します。これにより、外部環境の変化や予期せぬ事態にも強い耐性を持っていると言えるでしょう。
EPS(1株当たり利益)も前年同期比で増加傾向にあり、四半期ごとの変動はあるものの、全体としては落ち着いた動きを見せています。これは、安定した収益基盤と効率的な経営が継続している証拠です。例えば、日本無線(6751)のように、高い自己資本比率を誇る企業は、長期的な視点での投資対象として安心感があります。
このような強固な財務体質は、今後の事業展開や設備投資においても大きな強みとなり、持続的な成長を支える土台となるでしょう。
製造業の動向と巴工業の未来
2025年12月18日の「Defense World」の記事「Top Manufacturing Stocks To Watch Now – December 18th」では、製造業における注目銘柄がリストアップされています。具体的な企業名こそ挙げられていませんが、この時期の製造業全体への関心の高さを示唆しています。
現代の製造業は、AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入による生産性向上、サプライチェーンの強靭化、そして環境規制への対応といった大きな潮流の中にあります。巴工業の主力製品である遠心分離機やポンプは、これらのトレンドと密接に関連しています。
例えば、環境分野では、持続可能な社会の実現に向けて、排水処理やリサイクル技術の重要性が増しています。巴工業の遠心分離機は、汚泥の脱水処理や産業廃棄物のリサイクルプロセスにおいて不可欠な役割を担っており、環境負荷低減に貢献しています。これは、ESG投資の観点からも評価されるポイントと言えるでしょう。
また、医薬品や食品といった衛生管理が厳しく求められる分野では、高品質で信頼性の高い分離・精製技術が不可欠です。巴工業の製品は、こうした高度なニーズに応える技術力を持っており、安定した需要が見込まれます。
製造業全体のデジタル化が進む中で、巴工業も製品のIoT化やメンテナンスサービスの高度化を通じて、顧客の生産性向上に貢献していく可能性があります。長年培ってきた技術力と、社会のニーズを捉えた事業展開が、今後の成長を支える鍵となるでしょう。
巴工業は、派手さはないかもしれませんが、社会の基盤を支える堅実な事業と、安定した財務、そして魅力的な配当利回りを持つ企業として、長期的な視点で注目に値する銘柄だと感じています。


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