はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
栗本鐵工所(5602)の基礎情報:社会インフラを支える老舗エンジニアリング企業
今回ご紹介するのは、東証プライム市場に上場している栗本鐵工所(5602)です。栗本鐵工所は、100年以上の歴史を持つ老舗企業で、私たちの生活に欠かせない社会インフラを多岐にわたる製品と技術で支えています。
主な事業内容は、大きく分けて以下の3つの柱があります。
- パイプシステム事業:上下水道、ガス、電力、通信など、都市機能の根幹を支えるダクタイル鋳鉄管やバルブなどの製品を提供しています。特に上下水道用ダクタイル鋳鉄管では高いシェアを誇り、災害に強く長寿命な製品で安心・安全な社会づくりに貢献しています。
- 産業機械事業:化学プラント、製鉄、環境、食品・医薬、半導体関連など、幅広い産業分野で活躍する各種機械設備やプラントエンジニアリングを手掛けています。顧客のニーズに合わせたオーダーメイドの設備開発にも強みを持っています。
- 建設資材事業:橋梁、建築鉄骨、免震・制震装置といった建設資材を提供し、安全で快適な社会空間の創造に貢献しています。特に耐震・免震技術は、地震の多い日本において重要な役割を果たしています。
このように、栗本鐵工所は、見えないところで私たちの生活を支える「縁の下の力持ち」のような存在と言えるでしょう。長年の経験と技術力で、安定した事業基盤を築いているのが特徴です。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
最低投資金額 : 162,800円(1,628円/株)
PBR : 1.11倍
PER : 14.11倍
配当利回り : 3.54%
株主優待 : なし
(2025年12月17日(水)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!安定した財務と収益改善傾向、そして魅力的な配当利回りが嬉しいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント] 安定した財務基盤と収益改善傾向、そして魅力的な配当利回りに注目ぽん!社会インフラを支える事業の堅実さも魅力だぽん!
A. 成長性 : 〇
栗本鐵工所の収益性は、近年改善傾向にあります。純利益率は前年同期比でおおむね上向き、営業利益率も直近で勢いが出てきているとのことです。これは、事業環境の変化への適応や、効率的な経営努力が実を結んでいる証拠かもしれませんね。また、EPS(1株当たり利益)も前年同期比で底上げが進んでおり、企業の稼ぐ力が着実に向上している様子がうかがえます。ROE(自己資本利益率)も実績で8.15%と、一般的に望ましいとされる8~10%に近づいており、資本を効率的に活用できていると評価できます。社会インフラ整備の需要は今後も堅調に推移すると見込まれるため、安定的な成長が期待できるでしょう。
B. 割安性 : 〇
現在の株価指標を見てみると、PBR(株価純資産倍率)は1.11倍、PER(株価収益率)は14.11倍となっています。PBRが1倍を超えているため、純資産に対してはやや評価されている状況ですが、PERは市場平均と比較しても極端に割高というわけではありません。特に注目したいのは、配当利回りが3.54%と比較的高い水準にある点です。安定した事業基盤を持つ企業からのこの利回りは、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的に映るのではないでしょうか。将来の配当も会社予想で57.60円(2026年3月期)と、安定して株主還元を行う姿勢が見られます。
C. 安全性 : ◎
栗本鐵工所の財務状況は非常に安定していると評価できます。自己資本比率は実績で57.9%と、一般的に望ましいとされる30%を大きく上回っており、企業の財務基盤が非常に強固であることがわかります。これは、景気変動や予期せぬ事態にも耐えうる体力があることを示唆しています。有利子負債は増減を挟みつつやや増加傾向にあるものの、高い自己資本比率がそのリスクを十分にカバーしていると言えるでしょう。安定した財務は、長期的な視点で安心して投資を検討できる重要な要素ですね。
栗本鐵工所のような老舗企業が、いかにしてこの安定性を維持し、次世代へと技術や経営を継承していくかという点は、投資家にとっても興味深いテーマです。例えば、北アイルランドの老舗エンジニアリング企業であるTaylor & Boyd社が、60年以上の歴史を持つ中で新たなパートナーを迎え、リーダーシップ体制を強化したというニュースがあります。「An exciting milestone’: Over 60-year-old Northern Ireland engineering firm strengthens leadership with new partners, honouring decades of experience and expertise – Belfast News Letter」。この記事では、長年の経験と専門知識を尊重しつつ、内部からのリーダー育成と強化を通じて、企業の未来を盤石にする姿勢が示されています。栗本鐵工所もまた、日本の社会インフラを支える重要な役割を担う企業として、持続可能な成長のために同様の取り組みを続けていることでしょう。このような経営の持続性は、財務の安全性にも直結する大切な視点だと考えられます。
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