〇(3796)いい生活 : 不動産DXを牽引!79.7%の高い自己資本比率と収益改善に注目

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

いい生活(3796)ってどんな会社?

今回ご紹介するのは、東証スタンダード市場に上場している株式会社いい生活(3796)です。社名からして「いい生活」を想像させますが、まさに不動産テックの分野で、私たちや不動産会社の「いい生活」を支えるサービスを提供している企業なんです。

いい生活は、不動産業務をバーティカルSaaS(Vertical SaaS)BPaaS(Business Process as a Service)という形で提供し、不動産市場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進しています。簡単に言うと、不動産会社が抱える賃貸管理、売買、仲介といった複雑な業務を、クラウドベースのソフトウェアとサービスでまるっと効率化してくれるプロフェッショナル集団ということですね。

不動産業界は、これまで紙ベースでの業務やアナログなやり取りが多く残る分野でしたが、近年はDXの波が押し寄せています。いい生活は、まさにその波の先頭を走る企業の一つとして、不動産会社の生産性向上や顧客体験の改善に貢献しています。例えば、物件情報の管理、顧客管理、契約業務、入金管理など、多岐にわたる業務を一元的にデジタル化し、不動産会社の働き方を大きく変えようとしているんです。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 51,300円(513円/株)
  • PBR : 1.89倍
  • PER : 49.19倍
  • 配当利回り : 0.97%
  • 株主優待 : なし
  • (2025年12月4日(木)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!不動産DXの進展に期待したいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント] 不動産DXを牽引するSaaS企業!安定した財務基盤と収益改善に期待しつつ、さらなる成長を待ちたいぽん。

A. 成長性 : 〇

いい生活の成長性については、直近の収益性が改善傾向にある点が注目されます。純利益率が前年同期比で大きく改善し、営業利益率もマイナス圏からプラスに転じているとのこと。これは、事業構造の改善や効率化が進んでいる証拠と捉えられますね。SaaS企業は、顧客基盤が拡大するにつれてストック収益が積み上がり、高い利益率を実現する可能性があります。不動産業界全体のDX推進という大きな潮流に乗っているため、潜在的な成長力は高いと考えられます。ただし、ROEが直近でマイナスとなっている点や、提供されたデータで「成長性:0.0倍」と記載されている点は、今後のさらなる成長加速に期待したいところです。

B. 割安性 : △

現在の株価指標を見ると、PERは49.19倍、PBRは1.89倍となっています。PERはSaaS企業としては決して異常に高い水準ではありませんが、市場全体の平均と比較するとやや高めに映るかもしれません。PBRが1倍を超えていることから、解散価値を上回る評価を受けていると言えます。配当利回りは0.97%と、高配当を期待する投資家にとっては物足りない水準でしょう。株主優待も現在のところありませんので、割安感という点では、積極的に「買い」と判断するにはもう少し材料が欲しいというのが正直なところです。

C. 安全性 : ◎

財務の健全性については、文句なしの「◎」評価です。自己資本比率はなんと79.7%と非常に高い水準を維持しており、これは企業の財務基盤が非常に盤石であることを示しています。有利子負債は直近で増加しているものの、この自己資本比率の高さがあれば、資金調達能力や不測の事態への対応力は十分に備わっていると判断できます。安定した経営基盤は、長期的な視点で投資を検討する上で非常に重要なポイントですね。

不動産DXの未来を拓くいい生活の戦略

いい生活は、不動産業務のデジタル化を通じて、業界全体の生産性向上と顧客体験の向上を目指しています。彼らが提供するバーティカルSaaSは、賃貸管理、売買、仲介といった特定の業界に特化したサービスで、不動産会社が日々の業務で直面する課題をピンポイントで解決します。さらに、BPaaSは、単なるソフトウェア提供にとどまらず、業務プロセスそのものをアウトソースできるサービスであり、不動産会社のさらなる効率化を後押しします。

不動産業界は、物件探しから契約、入居後の管理まで、非常に多くの手続きや情報管理が必要です。これらをアナログで行うと、膨大な時間と手間がかかり、ミスも発生しやすくなります。いい生活のSaaSは、これらの業務を一元的に管理し、自動化することで、不動産会社の業務負担を大幅に軽減し、より本質的な顧客サービスに注力できる環境を提供しているのです。

その事業戦略の一端が垣間見えるのが、最近のプレスリリースです。「【12/25オンラインセミナー開催】利用急増中!シェアサイクルのポート設置で入居者満足度向上 管理費用、手間もかからない、空きスペース活用術」という発表がありました。これは、いい生活が単に不動産業務の基幹システムを提供するだけでなく、不動産管理会社が抱える「入居者満足度向上」や「空きスペース活用」といった新たな課題に対し、シェアサイクルサービスというソリューションを提案している事例です。

この取り組みは、いい生活が不動産会社のニーズを深く理解し、そのビジネスを多角的にサポートしようとしている姿勢を示しています。シェアサイクルは、都市部のマンションや商業施設において、入居者や利用者の利便性を高めるだけでなく、空いているスペースを有効活用し、新たな収益源を生み出す可能性も秘めています。不動産管理会社にとっては、初期費用や管理の手間を抑えつつ、入居者満足度を高められる魅力的な提案と言えるでしょう。

このような付加価値の高いサービス提案は、いい生活が提供するSaaSの顧客エンゲージメントを高め、長期的な契約に繋がる可能性を秘めています。不動産会社が抱える課題解決に寄り添い、単なるITツール提供者ではなく、ビジネスパートナーとしての地位を確立しようとしているのがいい生活の強みです。不動産DXの領域で、いい生活と同様に活躍する企業として、不動産DXに特化したサービスを提供するハッチ・ワーク(148A)なども挙げられます。両社の取り組みは、不動産業界の未来を形作る上で非常に興味深いと言えるでしょう。

投資家として注目したいポイント

いい生活への投資を考える上で、いくつか注目したいポイントがあります。

  1. 不動産DX市場の成長性: 日本の不動産業界は、依然としてデジタル化の余地が大きい分野です。今後もDX推進の動きは加速すると見込まれており、いい生活が提供するSaaSやBPaaSの需要は堅調に推移する可能性が高いでしょう。特に、人口減少や働き方の変化に対応するため、効率化や多様なサービス提供が求められる中で、いい生活の存在感は増していくかもしれません。
  2. 収益性改善のトレンド: 直近の決算で純利益率や営業利益率が改善傾向にあるのは、非常にポジティブな兆候です。SaaSビジネスは、初期投資がかかるものの、顧客数が増えれば増えるほど利益率が向上しやすい特性があります。このトレンドが今後も継続し、ROEもプラスに転じていくかどうかが、さらなる評価の鍵となるでしょう。
  3. 盤石な財務基盤: 自己資本比率79.7%という高い水準は、企業の安定性を物語っています。これにより、景気変動や予期せぬ事態にも強く、長期的な事業戦略を着実に実行できる体力があると言えます。M&Aや新規事業への投資など、成長に向けた積極的な動きも取りやすいでしょう。
  4. 付加価値サービスによる差別化: シェアサイクル導入支援のような、SaaSの枠を超えた付加価値サービスの提供は、競合他社との差別化に繋がり、顧客の囲い込みにも貢献する可能性があります。このような取り組みが、顧客基盤の拡大やARPU(Average Revenue Per User:顧客あたりの平均売上高)の向上にどう影響していくか、注目していきたいところです。
  5. 株価指標の評価: PERが49.19倍と、成長期待が織り込まれた水準にあります。今後の成長がこの期待に見合うものとなるか、慎重に見極める必要があります。また、ROEがマイナスである点は、収益性改善の進捗とともに、しっかりとチェックしていくべきでしょう。

まとめ

いい生活は、不動産DXという成長市場において、バーティカルSaaSとBPaaSで確固たる地位を築きつつある企業です。非常に高い自己資本比率に裏打ちされた盤石な財務基盤は魅力であり、直近の収益性改善のトレンドもポジティブに捉えられます。シェアサイクル導入支援のような、顧客のニーズに応える新たな付加価値サービスの展開も、今後の成長ドライバーとして期待されます。

一方で、現在の株価は成長期待が織り込まれた水準であり、ROEがマイナスである点には注意が必要です。今後の収益改善が加速し、持続的な成長を実現できるかどうかが、投資判断の重要なポイントとなるでしょう。不動産業界のDXはまだ道半ばであり、いい生活がその中でどのような存在感を発揮していくのか、引き続き注目していきたい銘柄です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました