〇(8117)中央自動車工業 : 盤石財務と高配当、EV対応力が鍵

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、自動車部品専門商社である中央自動車工業(証券コード:8117)です。同社は、国内外の自動車メーカーや部品メーカーに対し、多岐にわたる自動車用部品を供給しています。自動車産業のサプライチェーンにおいて、部品の調達から供給、技術サポートまでを一貫して手掛けることで、重要な役割を担っています。

自動車は私たちの生活に欠かせない移動手段であり、その進化は常に注目されています。特に近年では、電気自動車(EV)へのシフト、自動運転技術(Autonomous)、コネクテッドカー(Connected)、シェアリング(Shared)、電動化(Electric)といった「CASE」と呼ばれる大きな変革期を迎えており、中央自動車工業もこの変化の波にどう対応していくかが注目されるところです。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 178,100円(1,781円/株)
  • PBR : 1.76倍
  • PER : 10.93倍
  • 配当利回り : 3.14%
  • 株主優待 : なし
  • (2025年10月20日(月)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!

盤石な財務基盤と安定配当は魅力的だけど、EV化への対応力が今後の成長の鍵ぽん!

評価の理由

[評価の注目ポイント]

自動車産業の変革期を乗り越える盤石な財務と、EV化への対応力が光る専門商社ぽん!

A. 成長性 : 〇

中央自動車工業の成長性は、自動車産業全体の動向と密接に結びついています。特に、電気自動車(EV)へのシフトは、同社の事業構造に大きな影響を与える要因です。EVは従来のガソリン車とは異なる部品構成を持つため、商社としては新たなサプライヤーとの連携や、既存顧客への新技術部品の提案が求められます。

直近のニュースでは、世界最大のEVバッテリーメーカーであるCATLが第3四半期に41%の利益増を達成したと報じられています(CATL profit jumps 41% in Q3 – Automotive News)。これはEV市場が依然として力強い成長を続けていることを示唆しており、中央自動車工業のような自動車部品商社にとっては、EV関連部品の取り扱い拡大が成長の大きなチャンスとなり得ます。同社がEV向けバッテリー関連部品やモーター、インバーターといった主要部品の供給網をいかに構築し、付加価値を提供できるかが、今後の成長を左右するでしょう。

また、同社は海外にも拠点を持ち、グローバルなサプライチェーンに対応しています。自動車産業のグローバル化が進む中で、多様な地域でのニーズに応えられる体制は強みと言えます。しかし、CASEの進展に伴う部品構成の変化や、完成車メーカーのサプライチェーン再編の動きには、柔軟な対応が不可欠です。商社として、単なる流通だけでなく、技術情報提供やサプライチェーンマネジメントの高度化を通じて、いかに新たな価値を創造していくかが、持続的な成長の鍵となります。

自動車部品メーカーであるKOAYUSHINもEV化の追い風に期待しているように、中央自動車工業もまた、この大きな潮流をビジネスチャンスに変えられるか注目されます。

B. 割安性 : 〇

中央自動車工業の割安性を見てみましょう。PERは10.93倍、PBRは1.76倍、配当利回りは3.14%となっています。

PERが約11倍というのは、日本の株式市場全体で見ても極端に割高という水準ではありません。事業の安定性や成長期待を考慮すると、妥当な範囲内と言えるでしょう。配当利回り3.14%も、現在の低金利環境下では魅力的な水準であり、安定したインカムゲインを求める投資家にとっては一つの選択肢となるかもしれません。

PBRが1.76倍と1倍を超えているため、純資産に対しては一定の評価がされています。しかし、後述する財務健全性の高さを考慮すると、このPBR水準は決して高すぎるとは言えないかもしれません。市場全体や同業他社と比較して、極端な割安感があるわけではありませんが、財務の安定性や配当を考慮すると、バランスの取れた評価と言えそうです。

C. 安全性 : ◎

財務の安全性は、中央自動車工業の大きな強みの一つです。自己資本比率は驚異の87.7%を誇り、これは非常に高い水準です。一般的に、自己資本比率が40%を超えれば優良企業とされる中で、80%台後半というのは、外部負債にほとんど頼らずに事業運営ができていることを意味します。これにより、景気変動や予期せぬ事態に対しても、非常に強い耐性を持っていると言えるでしょう。

また、ROE(自己資本利益率)も16.44%と高く、自己資本を効率的に活用して利益を生み出していることがわかります。これは、株主から預かった資本をどれだけ有効に使っているかを示す指標であり、高いほど企業価値創造能力が高いと評価されます。

盤石な財務基盤は、自動車産業がCASEの変革期にある中で、新たな技術への投資や事業構造の転換を進める上での大きなアドバンテージとなります。リスクを抑えつつ、成長戦略を実行できる体力があることは、長期的な視点で見ても安心材料となるでしょう。

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