はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、東証スタンダード市場に上場しているオーイズミ(6417)です。オーイズミと聞くと、パチスロ機やパチンコ機の開発・製造・販売を思い浮かべる方が多いかもしれませんね。確かに、遊技機事業は同社の主力事業の一つですが、実はそれだけではありません。
オーイズミは、ホテル事業、飲食事業、そして不動産事業といった多角的な事業展開を行っているのが大きな特徴です。特に、ホテル事業ではビジネスホテル「ホテルグリーンプラザ」などを手掛け、飲食事業では「くいもの屋わん」などの居酒屋チェーンを展開しています。遊技機事業で培ったノウハウや資金力を背景に、安定した収益基盤の構築を目指している企業と言えるでしょう。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 31,700円(317円/株)
- PBR : 0.39倍
- PER : 10.64倍
- 配当利回り : 3.79%
- 株主優待 : なし
(2025年10月15日(水)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!少し下がるのを待ちたいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント] PBRが0.39倍と極めて割安で、高配当利回りも魅力!多角化事業の安定性にも注目ぽん!
A. 成長性 : △
オーイズミの成長性を考える上で、まず注目したいのは主力である遊技機事業の動向です。近年、パチスロ市場は規制強化や遊技人口の減少といった課題に直面しており、厳しい事業環境が続いています。しかし、同社はスマート遊技機(スマスロ、スマパチ)の開発に注力しており、新しい技術を導入することで市場の活性化とシェア拡大を目指しています。スマート遊技機はメダルレス・玉レスで、より手軽に遊べる点が魅力とされており、今後の普及が期待される分野です。
一方で、成長のもう一つの柱として期待されるのが、ホテル・飲食・不動産といった非遊技機事業の拡大です。特にホテル事業は、コロナ禍からの回復やインバウンド需要の恩恵を受けて、収益改善が進む可能性があります。飲食事業も同様に、経済活動の正常化に伴い客足が戻りつつあります。しかし、これらの事業が遊技機事業の落ち込みを完全にカバーし、全体としての高い成長を牽引するには、さらなる事業規模の拡大や競争力の強化が必要となるでしょう。現状では、遊技機市場の不透明感と多角化事業の成長がまだ不確実なため、成長性については「△」と評価しました。
B. 割安性 : ◎
オーイズミの最大の魅力は、その圧倒的な割安性にあると言えるでしょう。現在のPBR(株価純資産倍率)は0.39倍と、解散価値とされる1倍を大きく下回っています。これは、企業が持つ資産価値に対して株価が非常に低く評価されていることを示しており、極めて割安な水準にあると判断できます。
また、PER(株価収益率)も10.64倍と、市場平均と比較しても割安感があります。企業が稼ぐ利益に対して株価が控えめであるため、今後の業績改善があれば株価上昇の余地があるかもしれません。さらに、配当利回りは3.79%と高水準で、安定的な配当収入を期待できる点も投資家にとっては魅力的です。PBRの低さ、PERの割安感、そして高配当利回りの三拍子が揃っていることから、割安性については文句なしの「◎」と評価しました。PBR1倍割れの銘柄は他にもありますが、これほど低いPBRで多角的な事業展開をしている企業は珍しいかもしれませんね。例えば、多角的な事業展開をしているPBR1倍割れの銘柄としてディー・エヌ・エー(2447)なども参考にしてみると面白いかもしれません。
C. 安全性 : 〇
財務の健全性を示す自己資本比率は47.0%と、比較的安定した水準にあります。これは、企業の資産のうち返済不要な自己資本が占める割合が高く、借入金などの負債が少ないことを意味します。一般的に、自己資本比率が高い企業は財務基盤が安定しており、景気変動や予期せぬ事態にも強いとされています。
しかし、オーイズミの時価総額は約71億円と、東証スタンダード市場の中では中小型株に分類されます。中小型株は、大型株に比べて市場の変動や特定のニュースに株価が大きく影響されやすい傾向があります。遊技機事業の市場動向や、ホテル・飲食事業の景気敏感性も考慮すると、事業環境の変化には常に注意を払う必要があるでしょう。財務自体は安定していますが、事業を取り巻く環境の変化による影響も考慮し、安全性については「〇」と評価しました。


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