◯(6810)マクセル : PBR0.96倍の割安感:全固体電池の量産化で成長期待

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

1. 銘柄の基礎情報

マクセル(6810)は、かつてカセットテープや乾電池で一世を風靡した「日立マクセル」を前身とする電気機器メーカーです。現在は、アナログコア技術(混合分散、精密成形、表面塗布)を武器に、全固体電池、車載用光学レンズ、半導体関連の機能材料など、高付加価値なニッチ分野で存在感を示しています。

特に、世界に先駆けて産業用全固体電池の量産を開始するなど、次世代エネルギー分野のフロントランナーとしての顔も持っています。BtoCのイメージが強いブランドですが、実態は高度な技術力を背景としたBtoB企業へと華麗なる転身を遂げています。

直近の主要指標は以下の通りです。

最低投資金額 : 221,100円(2,211円/株)
PBR : 0.96倍
PER : 13.33倍
配当利回り : 2.26%
(2026年4月10日時点)

2. ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!

PBRが1倍を割っていて、全固体電池っていう夢のある材料も持ってるから、中長期で応援したいぽん!ただ、年初来安値からは少し戻してるから、2,100円くらいまで押し目を作ってくれたらもっと嬉しいぽん〜!

3. 評価の理由

[評価の注目ポイント]
伝統的な磁気テープ技術を応用した「全固体電池」の量産化に成功しており、産業用ロボットや医療機器向けの需要拡大が期待されます。構造改革による収益性改善と、PBR1倍割れによる還元強化の余地が魅力です。

A. 成長性 : ◎
マクセルの最大の成長エンジンは、何と言っても全固体電池です。2026年現在、産業用での量産実績を積み上げており、過酷な環境下でも使用可能な特性が評価されています。また、車載用の光学レンズや、半導体工程で使用される粘着テープなどの機能材料も好調で、従来の「電池の会社」から「先端素材・デバイスの会社」へとポートフォリオの転換が進んでいます。

B. 割安性 : ○
PBR(株価純資産倍率)は0.96倍と、依然として解散価値である1倍を下回る水準にあります。東証による「PBR1倍割れ是正」の要請もあり、今後さらなる自社株買いや増配といった株主還元策が打ち出される可能性は十分に考えられます。PERも13倍台と、成長期待を含めれば決して割高ではない水準と言えるでしょう。

C. 安全性 : ○
自己資本比率は55.5%と、製造業として合格点の水準を維持しています。有利子負債もコントロールされており、財務基盤は安定しています。収益性(ROE)についてはまだ改善の余地がありますが、不採算事業の整理が進んだことで、利益が出やすい体質に変わってきている点はポジティブに評価できます。

4. 伝統ブランドの「脱皮」と全固体電池の未来

マクセルの現在の姿を語る上で、興味深いニュースがあります。かつて写真フィルムで世界を席巻した米コダック(Kodak)の復活劇に関する記事です。

参考記事:How Kodak is trying to turn around its business after teetering on bankruptcy – CNBC

この記事(要約)によると、コダックは負債の削減とコア事業への投資、そして若年層へのブランド再構築を通じて、破綻の危機から劇的なターンアラウンド(事業再生)を試みています。CEOのジム・コンティネンツァ氏は「自分たちのルーツに投資し、現代のニーズに合わせることが重要だ」と述べています。

このコダックの姿は、今のマクセルと非常に重なります。マクセルもまた、磁気テープで培った「塗る・混ぜる」というアナログの極致とも言える技術を、最先端の全固体電池の製造に転用しました。全固体電池は、従来の液系リチウムイオン電池に比べて燃えにくく、寿命が長く、急速充電が可能という夢の技術です。マクセルはこれを「ニッチな産業分野」から攻めることで、先行者利益を得ようとしています。

車載関連の技術力については、以下の記事で紹介したデンソーのような巨大企業とも、サプライチェーンの中で密接に関わっています。

内部リンク:〇(6902)デンソー : PBR0.98倍の割安水準:AI活用と資本効率向上への期待

また、電子部品としての信頼性という点では、こちらの銘柄も参考になります。

内部リンク:◯(6876)KOA : PBR0.70倍の割安水準:EV化で需要高まる車載用抵抗器

マクセルは、単なる「懐かしのブランド」ではありません。過去の遺産を最新のテクノロジーへと昇華させた、日本製造業の底力を象徴するような銘柄です。全固体電池が社会実装されるフェーズにおいて、同社の技術がどれだけ「不可欠なもの」になるか、そのプロセスを見守る楽しさがこの銘柄にはあります。PBR1倍回復という分かりやすい目標もあり、投資家としても注目しがいのある1社と言えるでしょう。

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