はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
1. 銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、群馬県に本社を置く独立系システムインテグレーターの両毛システムズ(9444)です。同社は、地方自治体向けの公共システムや、製造業・流通業向けの基幹業務システム(ERP)の開発・運用を得意としています。特に公共分野では、長年の実績に基づいた厚い信頼を勝ち得ており、地域のデジタル化(自治体DX)を支える重要なプレイヤーです。また、自社開発の生産管理システム「R-PiCS」は、多くの中堅製造業に導入されています。
直近の主要な指標は以下の通りです(2026年3月12日時点)。
最低投資金額 : 414,500円(4,145円/株)
PBR : 0.95倍
PER : 7.46倍
配当利回り : 1.09%
株主優待 : なし
(2026年3月12日時点)
2. ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!
収益性が改善しているのに、PERが7倍台、PBRが1倍割れというのは、さすがに放置されすぎな気がするぽん。4,000円の大台を少し割り込むような調整があれば、ぜひ拾っておきたいぽん〜!
3. 評価の理由
[評価の注目ポイント]
自治体DXの深掘りと製造業向けERPの安定成長が魅力です。ROE12%超と高い資本効率を誇りながら、指標面では極めて割安に放置されており、見直し買いが入る余地が非常に大きいと見ています。
A. 成長性 : 〇
売上・利益ともに改善傾向にあります。特に自治体システムの標準化・共通化という国策の流れは、同社にとって追い風です。また、製造業のDX投資も底堅く、自社パッケージソフトの導入が利益率を押し上げています。EPS(1株当たり利益)も増加局面が多く、着実な成長を感じさせます。
B. 割安性 : ◎
PER 7.46倍、PBR 0.95倍という水準は、ITセクターの中では群を抜いて割安です。ROEが12%を超えていることを考えると、本来はもっと評価されてもおかしくありません。配当利回りは1%程度と控えめですが、利益の蓄積に伴う増配や、PBR1倍回復に向けた施策への期待が持てます。
C. 安全性 : ◎
自己資本比率は55.1%と高く、有利子負債も縮小傾向にあります。キャッシュフローも安定しており、財務基盤は盤石と言えます。官公庁を主要顧客に持っているため、景気後退局面でも売上が急減しにくいという「守りの強さ」も兼ね備えています。
4. 特徴的な深掘り:自治体DXと「繋ぐ」技術の価値
両毛システムズの最大の強みは、単なるソフト開発にとどまらず、複雑な行政実務を深く理解した上での「システム統合力」にあります。現在、日本中の自治体で進められている「ガバメントクラウド」への移行やシステムの標準化は、同社のような地域密着型かつ技術力のあるSIerにとって、既存顧客の囲い込みと新規案件獲得の大きなチャンスとなっています。
ここで、グローバルな視点でのシステム統合のトレンドを見てみましょう。最近のニュースでは、海外のHR(人事)プラットフォームにおいても「統合(インテグレーション)」が大きなキーワードになっています。
この記事(2026年3月11日付)によると、グローバル雇用プラットフォームのRemoFirstが、大手HRソフトウェアのBambooHRとの統合を発表しました。これにより、従業員データが自動的に同期され、手動でのデータ入力ミスを減らし、オンボーディング(採用後の定着支援)を迅速化できるようになります。CEOのNurasyl Serik氏は「急速な成長期において正確性を維持しながら、グローバルな採用を合理化できる」と述べています。
このニュースが示唆するのは、「異なるシステム間をシームレスに繋ぎ、データを一元化すること」が、企業の生産性向上において世界共通の最優先課題であるということです。両毛システムズが手掛けている自治体DXや製造業ERPの導入も、本質的にはこれと同じです。バラバラだった行政データや工場の生産データを繋ぎ、リアルタイムで可視化すること。この「繋ぐ」技術こそが、人口減少社会における日本の競争力を支える鍵となります。
同社は、長年培った公共・産業のドメイン知識(業務知識)を武器に、単なるITベンダーではなく、顧客の業務そのものを最適化するパートナーとしての地位を固めています。このような「深い入り込み」があるからこそ、一度導入されたシステムは解約されにくく、安定した保守・運用収益(ストック型ビジネス)をもたらしているのです。
ITセクターの成長性については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
◯(48120)電通総研 : DX・AI市場での成長戦略とROE17.10%の高収益性
5. 投資の検討にあたって
両毛システムズは、派手な広告宣伝を行う企業ではありませんが、その実力は財務諸表と顧客基盤にしっかりと現れています。現在の株価水準は、同社の持つ安定性と成長ポテンシャルに対して、市場が過小評価している状態ではないでしょうか。
もちろん、出来高が少なく流動性が低いという点は注意が必要です。一度に大量の買い注文を入れると株価を押し上げてしまう可能性があるため、じっくりと時間をかけて拾っていくスタンスが向いているかもしれません。また、自治体システムの標準化に伴う開発コストの一時的な増大など、短期的には利益を圧迫する要因もゼロではありません。
しかし、中長期で見れば、日本のDX化は避けて通れない道です。そのインフラを支える両毛システムズのような企業は、地味ながらも着実に価値を高めていくでしょう。PER 7倍台という「バーゲンセール」のような価格で、ROE 12%超の優良企業をポートフォリオに加えるチャンスは、そう多くはないかもしれませんね。
皆さんも、身近な地域のデジタル化を支える「縁の下の力持ち」に注目してみてはいかがでしょうか。


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