はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、インターネットインフラ、インターネット広告・メディア、インターネット金融、暗号資産など、多岐にわたるインターネット関連事業を展開するGMOインターネットグループ(東証プライム:9449)です。私たちの生活に欠かせないインターネットの基盤を支え、常に新しい技術やサービスを提供し続けている企業ですね。
直近の営業日である2025年11月28日(金)時点の主要な指標を見てみましょう。
- 最低投資金額 : 74,200円(742円/株)
- PBR : 39.38倍
- PER : 40.77倍
- 配当利回り : 2.45%
- 株主優待 : GMOクリック証券の売買手数料キャッシュバックや、GMOとくとくBBの利用料割引など、グループサービスで利用可能な優待
(2025年11月28日(金)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!
GPUクラウド事業の成長性に期待するぽん!ただ、今の株価は割高感もあるから、もう少し様子を見て、もし下がってきたら買いたいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント]
GPUクラウド事業への注力でAI時代の成長を狙うも、現在の指標は割高感があり、収益性の安定化に注目したいぽん!
A. 成長性 : 〇
GMOインターネットは、インターネットインフラから金融、暗号資産まで幅広い事業を手掛けています。特に最近注目されているのが、AIの進化に不可欠なGPUクラウド事業です。この分野は将来的に大きな需要が見込まれており、同社の新たな成長ドライバーとなる可能性を秘めています。一方で、過去の収益性を見ると、ROEが一時的にマイナスとなるなど、まだ安定途上にある部分も見受けられますね。しかし、AI関連市場の拡大は追い風となるでしょう。
B. 割安性 : △
PBRが39.38倍、PERが40.77倍と、現在の株価は純資産や利益に対してかなり割高に評価されている印象を受けます。これは、市場が同社の将来的な成長に大きな期待を寄せていることの表れとも言えますが、投資家としては慎重に見極める必要があるでしょう。配当利回りは2.45%と悪くありませんが、この割高感を打ち消すほどではないかもしれません。
C. 安全性 : 〇
自己資本比率は50.0%と比較的健全な水準を保っており、財務の安定性は評価できるポイントです。ただ、有利子負債がやや増加傾向にあること、そして収益性がまだ安定途上であることから、今後も財務状況には目を光らせておきたいところです。堅実な経営基盤は持ちつつも、積極的な投資が財務に与える影響も考慮に入れておくべきでしょう。
GMOインターネットの強みと事業ポートフォリオ
GMOインターネットグループは、その名の通りインターネットを核とした多角的な事業を展開しています。そのポートフォリオは、大きく分けて以下の4つのセグメントで構成されています。
- インターネットインフラ事業:ドメイン、レンタルサーバー、クラウド、セキュリティなど、インターネットの基盤となるサービスを提供。企業や個人のオンライン活動を支える重要な役割を担っています。
- インターネット広告・メディア事業:検索エンジンマーケティング(SEM)やアフィリエイト、メディア運営などを通じて、企業のマーケティング活動を支援しています。
- インターネット金融事業:GMOクリック証券を筆頭に、証券、FX、暗号資産交換など、個人投資家向けの金融サービスを提供。手軽に投資を始められる環境を整えています。
- 暗号資産事業:ビットコインなどのマイニング事業や、暗号資産交換事業を展開。ブロックチェーン技術の可能性を追求し、新しい経済圏の創出に貢献しています。
これらの事業は相互に連携し、グループ全体でシナジーを生み出しています。特にインターネットインフラ事業は安定した収益基盤となっており、他の新規事業への投資を可能にしています。
AI時代の成長戦略:GPUクラウド事業への注力
近年、AI技術の急速な発展は、私たちの社会に大きな変革をもたらしています。そのAIの進化を支える上で不可欠なのが、GPU(Graphics Processing Unit)です。GPUは、大量の並列計算処理を得意とし、AIの学習や推論においてCPUよりも圧倒的な性能を発揮します。
GMOインターネットは、このGPUの重要性をいち早く認識し、「GMO GPUクラウド」というサービスを提供しています。これは、高性能なGPUをクラウド上で利用できるサービスで、AI開発企業や研究機関にとって非常に魅力的なソリューションです。
2025年11月28日、GMOインターネットは伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)との間で、この「GMO GPUクラウド」の戦略的販売パートナー契約を締結したことを発表しました。このニュースは、同社の今後の成長戦略を考える上で非常に重要な意味を持ちます。
参照元:GMOインターネットとCTC GPUクラウド事業における戦略的販売パートナー契約を締結 | GMOインターネットグループのプレスリリース
CTCとの戦略的提携の意義
CTCは、長年にわたりITインフラの構築やシステムインテグレーションを手掛けてきた大手IT企業です。その広範な顧客基盤と技術力は、GMOインターネットのGPUクラウドサービスを市場に浸透させる上で強力な推進力となるでしょう。GMOインターネットは、優れたGPUクラウド基盤を提供し、CTCがその販売と顧客サポートを担うことで、両社の強みを活かした相乗効果が期待されます。
この提携により、「GMO GPUクラウド」はより多くの企業や研究機関に届けられ、日本のAI開発を加速させる一助となる可能性を秘めています。これは、単なるビジネス提携にとどまらず、日本のIT産業全体の発展にも貢献する取り組みと言えるでしょう。
GPUクラウド市場の動向とGMOインターネットの立ち位置
AIの進化は止まることを知らず、それに伴いGPUの需要は世界的に高まっています。特に、生成AIのような大規模なモデルの開発には、膨大な計算資源が必要です。しかし、高性能なGPUを自社で調達・運用するには、多大なコストと専門知識が求められます。
ここでGPUクラウドの出番となります。必要な時に必要なだけGPU資源を利用できるクラウドサービスは、AI開発のハードルを大きく下げ、イノベーションを加速させます。GMOインターネットは、この成長市場において、国内企業として質の高いGPUクラウドサービスを提供することで、競争力を高めています。
すでにAI・データ活用でDX支援を行うユーザーローカルや、AI画像処理を手掛けるビジュアル・プロセッシング・ジャパンなど、AI関連企業は多数存在しますが、GMOインターネットはAIを「使う側」だけでなく「支える側」として、そのインフラ提供に注力している点が特徴的です。
今後の展望
GMOインターネットのGPUクラウド事業は、AI時代の到来とともに、同社の新たな成長エンジンとなることが期待されます。CTCとの提携を足がかりに、さらなる顧客獲得とサービス拡充を進めることで、収益性の改善にも繋がるでしょう。もちろん、競争の激しいIT業界において、常に技術革新と市場ニーズへの対応が求められますが、同社のこれまでの実績と積極的な投資姿勢は、その期待を裏切らないものと信じたいですね。
ブロックチェーン技術を活用したDX推進に取り組むBBDイニシアティブのように、新たな技術分野に積極的に挑戦する姿勢は、GMOインターネットグループのDNAとも言えるでしょう。
まとめ
GMOインターネットは、多角的なインターネット事業を展開する中で、特にAI時代の核となるGPUクラウド事業に力を入れています。CTCとの戦略的提携は、その成長を加速させる重要な一歩となるでしょう。現在の株価指標は割高感があるものの、将来の成長期待が織り込まれていると考えることもできます。収益性の安定化と、GPUクラウド事業の具体的な進捗に今後も注目していきたい企業です。


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