〇(8542)トマト銀行 : PBR超割安・高配当3.62%、財務懸念

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、岡山県を地盤とする地方銀行、トマト銀行(証券コード:8542)です。地域に密着した金融サービスを提供しており、預金、貸出、為替業務のほか、投資信託や保険商品といった資産運用サービスも手掛けています。地域経済の発展に貢献しながら、お客様の多様な金融ニーズに応えることを目指している企業ですね。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。(2025年10月31日(金)時点)

  • 最低投資金額 : 138,100円(1,381円/株)
  • PBR : 0.28倍
  • PER : 8.60倍
  • 配当利回り : 3.62%
  • 株主優待 : なし

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、少し待ちたいぽん〜!

PBRの超割安感と高配当は魅力的だけど、財務の健全性や収益性の不安定さが気になるぽん。もう少し様子を見たい気持ちがあるぽん。

評価の理由

[評価の注目ポイント] PBRの超割安感と高配当は魅力的ですが、財務健全性と収益性の不安定さが懸念材料です。

A. 成長性 : △

トマト銀行の成長性については、残念ながら伸び悩んでいる印象を受けます。過去数年の売上高は前年同期比で増加しているものの、足元の伸びは鈍化傾向にあります。これは、地方銀行が直面する厳しい競争環境や、地域経済の人口減少といった構造的な課題が影響している可能性も考えられます。

また、一株当たり利益(EPS)も前年同期比で伸び悩んでおり、変動が目立ちます。安定した成長軌道に乗っているとは言いがたい状況と言えるでしょう。地方銀行は、本業である貸出金利息収入だけでは収益を伸ばしにくい環境にあり、新たな収益源の確保が課題となっています。例えば、お客様の資産運用ニーズに応えるための商品提供もその一つです。トマト銀行は、お客様の資産形成をサポートするため、様々な投資信託商品を取り扱っています。例えば、三菱UFJ国際投信が運用する「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド(愛称:健次)」もその一つです(三菱UFJ国際投信 健次ファンド取扱金融機関リストより)。このような多様な商品を提供することで、預金以外の収益機会を創出し、成長の糸口を探っている様子がうかがえます。

B. 割安性 : ◎

割安性という点では、トマト銀行は非常に魅力的な水準にあると言えるでしょう。PBR(株価純資産倍率)は0.28倍と、解散価値とされる1倍を大きく下回っており、超割安な水準です。これは、企業の純資産に対して株価が非常に低い評価を受けていることを示しています。PER(株価収益率)も8.60倍と、同業他社と比較しても割安感があります。

さらに、配当利回りも3.62%と高く、インカムゲインを重視する投資家にとっては魅力的な水準です。PBRが低く、配当利回りが高い銘柄としては、以前ご紹介した日創グループ(3196)なども挙げられます。純資産に対して株価が割安に放置されている状況は、将来的な株価上昇のポテンシャルを秘めていると見ることもできますが、その背景には何らかの懸念材料があることも少なくありません。

C. 安全性 : ×

安全性に関しては、特に注意が必要だと感じます。自己資本比率は4.0%という水準で、国内基準行として求められる最低限の基準は満たしているものの、健全性という観点からは非常に低いと言わざるを得ません。自己資本比率が低いと、予期せぬ損失が発生した場合に財務基盤が揺らぐリスクが高まります。

また、有利子負債が増加傾向にある点も懸念材料です。収益性の不安定さと相まって、財務の脆弱性が目立つ状況です。銀行という業種は、預金者から預かった資金を運用するため、高い信用力が求められます。そのため、財務の健全性は投資判断において非常に重要な要素となります。トマト銀行が今後、どのようにして自己資本を積み増し、財務基盤を強化していくのかは、今後の注目ポイントとなるでしょう。

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