〇(79190)野崎印刷紙業 : PBR0.80倍割安と特殊印刷、DX推進に注目

銘柄紹介

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

野崎印刷紙業(7919)ってどんな会社?

今回ご紹介するのは、東証スタンダード市場に上場している野崎印刷紙業(7919)です。同社は、1893年創業という長い歴史を持つ総合印刷会社で、京都に本社を構えています。皆さんが日頃目にする雑誌や書籍、カタログ、チラシといった商業印刷物はもちろんのこと、医薬品のパッケージや食品包装材、さらにはICカードや電子部品関連の特殊印刷など、幅広い分野で「印刷」の技術を活かしています。

単に紙に印刷するだけでなく、企画・デザインから製版、印刷、加工、そして物流までを一貫して手掛けることで、顧客の多様なニーズに応えています。特に、デジタル技術の進化が著しい現代において、情報加工技術を核としたソリューション提供にも力を入れており、伝統的な印刷技術と最新テクノロジーの融合を図っているのが特徴と言えるでしょう。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 21,900円(219円/株)
  • PBR : (連)0.80倍
  • PER : (連)6.71倍
  • 配当利回り : 3.42%
  • 株主優待 : なし
  • (2026年1月28日(木)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!収益改善の兆しが見えたら、もう少し積極的に検討したいぽん!

評価の理由

[評価の注目ポイント]
PBR1倍割れ、PERも低水準で割安感があるぽん!高配当も魅力だけど、収益性の改善が今後のカギになるぽんね!

A. 成長性 : △

過去数年の業績を見ると、収益性はやや不安定な状況にあるようです。純利益率や営業利益率は前年同期比で低下傾向にあり、EPS(1株当たり利益)の伸びも鈍化しています。ROE(自己資本利益率)は一般的に望ましいとされる8~10%を上回る水準を維持しているものの、ROA(総資産利益率)はやや勢いに欠ける動きです。印刷業界全体が構造的な変化に直面している中で、新たな成長ドライバーの確立が課題と言えるでしょう。

B. 割安性 : ◎

野崎印刷紙業の割安性は非常に魅力的です。PBR(株価純資産倍率)は(連)0.80倍と1倍を大きく下回っており、PER(株価収益率)も(連)6.71倍と市場平均と比較してもかなり低い水準にあります。これは、会社の持つ資産や稼ぐ力に対して、株価が割安に評価されている可能性を示唆しています。さらに、配当利回りも3.42%と高水準で、インカムゲインを重視する投資家にとっても魅力的な水準と言えるでしょう。

C. 安全性 : 〇

財務の安全性については、まずまず健全な状態にあると評価できます。自己資本比率は(連)41.3%と、一般的に望ましいとされる30%を上回っており、財務基盤は比較的安定していると言えます。ただし、直近では大きな改善が見られず、有利子負債が前年同期比で増加傾向にある点は少し注意が必要です。急激な悪化は見られないものの、今後の財務状況の推移は注視していく必要があるでしょう。

印刷業界の構造変化と野崎印刷紙業の挑戦

野崎印刷紙業は、その長い歴史の中で培ってきた印刷技術とノウハウを強みとしていますが、現在の印刷業界は大きな転換期を迎えています。特に、デジタル化の波は、伝統的な印刷ビジネスに大きな影響を与えています。

紙の出版市場の縮小という現実

この状況を裏付けるように、2026年1月27日付のITmedia NEWSでは、「紙の出版市場がついに1兆円割れ 電子書籍は2.7%増もコミック急減速」という見出しで、出版業界の厳しい現実が報じられました。記事によると、2025年の紙の出版物は前年比4.1%減の9647億円と、1976年以来初めて1兆円を下回ったとのことです。一方で、電子出版市場は2.9%増の5815億円と伸びているものの、その伸びもコミックの減速により鈍化している状況です。

このような市場環境は、野崎印刷紙業のような商業印刷を主軸とする企業にとって、決して楽観できるものではありません。紙媒体の需要が構造的に減少していく中で、従来のビジネスモデルだけでは持続的な成長は難しいでしょう。印刷会社は、単なる「印刷物を作る」という役割から、「情報を加工し、多様なメディアで提供する」という、より広範なソリューションプロバイダーへと変革していくことが求められています。

野崎印刷紙業の多角化戦略

野崎印刷紙業も、このような市場の変化に対応するため、事業の多角化と高付加価値化に力を入れています。例えば、医薬品パッケージや食品包装材といった衛生管理が厳しく求められる分野での印刷は、高い品質管理体制と技術力が不可欠であり、参入障壁も高いため、安定した需要が見込めます。また、ICカードや電子部品関連の特殊印刷は、高度な技術とセキュリティが求められるため、同社の技術力が活かされる分野と言えるでしょう。

さらに、デジタル技術の進展に合わせて、顧客のマーケティング活動を支援する企画・デザイン力や、情報セキュリティを確保したデータ管理など、印刷の前後の工程におけるサービス強化も重要な戦略です。例えば、企業のプロモーション活動において、紙媒体だけでなく、ウェブサイトやSNS、動画コンテンツなど、多様なチャネルを活用した統合的な情報発信が求められる中で、同社がどのようなデジタルソリューションを提供できるかが、今後の成長を左右するポイントになるでしょう。

DX推進と新たな価値創造

印刷業界全体でDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中、野崎印刷紙業も例外ではありません。生産プロセスの効率化はもちろんのこと、顧客との接点におけるデジタル化、データ分析に基づいた提案力の強化など、DXは多岐にわたります。例えば、顧客の購買履歴や行動データを分析し、パーソナライズされた印刷物やデジタルコンテンツを提案することで、より高い費用対効果を提供できるようになります。

また、環境意識の高まりも印刷業界に新たなビジネスチャンスをもたらしています。FSC®認証紙の使用や、環境負荷の低いインクの採用、リサイクル可能な素材の開発など、サステナビリティへの取り組みは、企業のブランドイメージ向上だけでなく、新たな顧客層の獲得にも繋がり得ます。野崎印刷紙業が、これらの環境配慮型製品やサービスをどのように展開していくかも注目すべき点です。

他の企業でも、PBRが割安で財務が盤石な企業は、市場の変化に対応する余力があることが多いです。例えば、ダイナパック(3947)などもPBRが割安で、盤石な財務基盤を持つ企業として注目されています。野崎印刷紙業も、その財務の安定性を活かし、大胆な事業転換やM&Aなどを通じて、新たな成長分野を切り拓く可能性を秘めていると言えるでしょう。

今後の展望

野崎印刷紙業は、伝統的な印刷技術を基盤としつつも、デジタル化の波に対応し、高付加価値なソリューション提供へと事業領域を広げています。PBRやPERといった指標からは割安感があるものの、収益性の改善が今後の株価を動かす重要な要素となるでしょう。印刷業界の構造変化に対応し、いかに新たな価値を創造していくか、その挑戦に注目が集まります。

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