本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
萩原工業(7856)ってどんな会社?
今回ご紹介するのは、合成樹脂製品の総合メーカーとして知られる萩原工業(7856)です。岡山県倉敷市に本社を構え、私たちの生活の様々な場面で役立つ製品を世に送り出しています。
萩原工業と聞いてピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば工事現場でよく見かけるブルーシートや、土木・建設現場で使われる遮水シートや補強材、農業用のハウス資材や育苗シート、さらには産業分野で使われる自動車部品の保護材や物流資材など、その製品は多岐にわたります。高機能な合成樹脂の加工技術を強みとし、私たちの暮らしや産業を縁の下から支えている、まさに「縁の下の力持ち」のような存在ですね。
それでは、直近の営業日である2025年11月7日時点での主要な指標を見てみましょう。
- 最低投資金額 : 156,900円(1,569円/株)
- PBR : 0.74倍
- PER : 13.03倍
- 配当利回り : 4.14%
- 株主優待 : なし
- (2025年11月7日(金)時点)
その他の指標もご紹介します。
- 前日終値 : 1,557円(11/06)
- 始値 : 1,550円(11/07)
- 高値 : 1,569円(11/07)
- 安値 : 1,549円(11/07)
- 出来高 : 78,000株(11/07)
- 時価総額 : 23,374百万円(11/07)
- 1株配当(会社予想) : 65.00円(2025/10)
- EPS(会社予想) : 120.45(2025/10)
- BPS(実績) : 2,126.57
- ROE(実績) : 5.34%
- 自己資本比率(実績) : 68.1%
- 年初来高値 : 1,743円(25/09/29)
- 年初来安値 : 1,330円(25/04/07)
ぽんぽん的な評価は?
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん! 配当利回りと財務の安定感は魅力だけど、収益改善の兆しを待ちたいぽん!
評価の理由を詳しく見てみよう!
[評価の注目ポイント]
財務は盤石、PBR割安・高配当は魅力的だけど、収益性の改善が今後の株価を左右するかもぽん!
A. 成長性:△
萩原工業の成長性を見てみると、過去数年の売上や利益の推移は一進一退といった印象です。特に直近では、純利益率と営業利益率が前年同期比で低下しており、収益性にはやや安定感を欠く状況が見られます。ROEやROAも、一般的に望ましいとされる水準を下回っており、収益力の改善が課題と言えるでしょう。
しかし、EPS(1株当たり利益)は前年同期比で増減を繰り返しながらも、直近ではやや持ち直しの兆しを見せています。これは、コスト削減努力や効率化の取り組みが少しずつ実を結び始めている可能性も考えられますね。
製造業を取り巻く環境は常に変化しています。例えば、海外の建材市場ではM&Aによる事業拡大やサプライチェーン強化の動きが活発です。最近のニュースでは、ハードサーフェスフローリングソリューションのリーダーであるAHF Productsが、製造施設の買収を通じて事業を拡大し、サプライチェーンを強化していることが報じられました。(AHF Products completes purchase of Wellmade facility – Floor Covering News)。AHF Productsは、住宅・商業用の弾性床材や広葉樹、磁器タイルなど幅広い製品を手がけており、製造拠点の増加は安定供給と市場競争力の強化に繋がります。萩原工業も合成樹脂製品を扱う企業として、原材料価格の変動や安定供給の重要性は共通の課題です。このような外部環境の変化に対応し、自社の生産体制の強化や、新たな技術開発、あるいは事業領域の拡大といった戦略が、今後の成長を左右する重要な要素となるでしょう。
B. 割安性:◎
萩原工業の割安性は、非常に魅力的な水準にあると言えるでしょう。PBR(株価純資産倍率)は0.74倍と、会社が持つ純資産に対して株価が割安であることを示しています。一般的にPBR1倍割れは割安と判断されることが多いので、この点は注目に値しますね。
また、PER(株価収益率)も13.03倍と、業種や市場全体の平均と比較しても、決して割高とは言えない水準です。そして何より目を引くのが、配当利回り4.14%という高さです。低金利時代が続く中で、これだけの配当利回りは、インカムゲインを重視する投資家さんにとって大きな魅力となるのではないでしょうか。株主優待はありませんが、この高い配当利回りがその代わりを十分に果たしていると考えられます。
PBRが1倍を下回る銘柄は他にもあります。例えば、サンエー化研(7922)もPBR0.28倍と超割安感があります。割安な銘柄を探している方には、こういった企業も参考になるかもしれませんね。
C. 安全性:◎
萩原工業の財務安全性は、非常に高いと評価できます。自己資本比率は68.1%と、一般的に健全とされる30%を大きく上回る水準を維持しています。これは、会社の資金の多くを返済不要な自己資本で賄っていることを意味し、外部環境の変化や不測の事態にも耐えうる、非常に盤石な財務基盤を持っていると言えるでしょう。有利子負債も減少傾向にあるため、財務面での懸念はほとんどありません。
安定した財務は、企業が長期的な視点で事業戦略を立て、投資を行う上での大きな強みとなります。収益性には課題が見られるものの、この強固な財務体質があるからこそ、今後の事業構造改革や成長戦略への投資も安心して進められるのではないでしょうか。
高い自己資本比率を誇る企業は他にもあります。例えば、アゼアス(3161)は自己資本比率80%超えという盤石な財務を誇りますし、早稲田学習研究会(4717)も高配当と盤石財務が魅力です。財務の安定性を重視する投資家さんには、これらの銘柄もチェックしてみる価値があるかもしれませんね。


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