〇(7849)スターツ出版 : 3%超配当と高ROE!自己資本比率81.5%の盤石な財務基盤に注目

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

スターツ出版(7849)の基礎情報

スターツ出版は、皆さんも一度は目にしたことがあるかもしれませんね。主に雑誌や書籍の出版を手がける企業で、特に女性向けのライフスタイル誌「OZmagazine」や、都市生活者向けの「メトロミニッツ」といった人気雑誌を発行しています。また、Webメディアの運営にも力を入れており、Web小説サイト「OZmall」や「野いちご」「Berry’s Cafe」などで多くの読者を獲得しています。最近では、小説のコミカライズなども積極的に展開し、多様なコンテンツを通じて幅広い層にアプローチしているのが特徴です。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 383,000円(3,830円/株)
  • PBR : 1.42倍
  • PER : 8.50倍
  • 配当利回り : 3.13%
  • 株主優待 : なし
  • (2025年12月4日(木)時点)

その他の主要指標も見てみましょう。

  • 前日終値: 3,880円(12/03)
  • 始値: 3,880円(09:00)
  • 高値: 3,880円(09:00)
  • 安値: 3,820円(10:16)
  • 出来高: 900株(11:19)
  • 売買代金: 3,469千円(11:19)
  • 時価総額: 14,707百万円(11:19)
  • 発行済株式数: 3,840,000株(12/04)
  • 1株配当(会社予想): 120.00円(2025/12)
  • EPS(会社予想): (単)450.57円(2025/12)
  • BPS(実績): (単)2,701.75円
  • ROE(実績): (単)20.36%
  • 自己資本比率(実績): (単)81.5%
  • 年初来高値: 4,630円(25/08/06)
  • 年初来安値: 2,931円(25/02/04)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!財務は盤石だけど、収益性の改善をもう少し見守りたいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント] 高い自己資本比率で財務は安心だけど、収益性の安定化が今後の課題ぽん!PERの割安感は魅力だぽん。

A. 成長性: △

スターツ出版の成長性については、直近のデータを見ると、収益性がやや不安定な状況にあるようです。純利益率や営業利益率が前年同期比で低下しており、ROEやROAといった収益性指標も水準自体は高いものの、前年同期比では低下傾向が見られます。これは、出版業界全体がデジタル化の波や広告市場の変化に直面している中で、新たな収益源の確保や既存事業の効率化が課題となっている可能性を示唆しています。

しかし、同社はWebメディアやWeb小説サイトの運営に力を入れており、デジタルシフトへの対応は進めているようです。特に「OZmall」は、単なる情報提供だけでなく、予約サービスなども提供することで、読者の生活に深く入り込むプラットフォームへと進化しています。このようなデジタル戦略が、今後の成長ドライバーとなることが期待されます。

出版業界では、多様なコンテンツを特定の読者層に届ける戦略が重要になっています。例えば、海外では特定の人種・民族グループ(BIPOC)向けのメディアネットワークが資金調達に成功し、拡大しています。ADWEEKの記事「URL Media Raises $5 Million to Expand Its BIPOC Network and Revenue Lines」によると、URL MediaはBIPOCの読者層にサービスを提供する独立系出版社ネットワークを運営し、500万ドルの資金調達に成功したと報じられています。これは、ニッチな市場でも質の高いコンテンツを提供し、コミュニティを形成することで大きな価値を生み出せることを示しています。スターツ出版も、得意とする女性向けや都市生活者向けのコンテンツをさらに深掘りし、読者の多様なニーズに応えることで、新たな成長機会を掴めるかもしれません。

B. 割安性: 〇

割安性という観点では、スターツ出版は魅力的な水準にあると言えるでしょう。PER(株価収益率)は8.50倍と、日本の株式市場全体の平均と比較してもかなり低い水準にあります。これは、企業の稼ぐ力に対して株価が割安である可能性を示唆しています。また、PBR(株価純資産倍率)も1.42倍と、純資産に対して大きく乖離しているわけではありません。さらに、配当利回りも3.13%と、安定したインカムゲインを期待できる水準です。

ただし、PERやPBRといった指標は、単独で判断するのではなく、同業他社や業界全体の水準、そして企業の将来性も考慮に入れる必要があります。前述の通り、収益性の不安定さという課題があるため、この割安感が「単なる見過ごされた価値」なのか、「将来の収益性への懸念を織り込んでいる」のかを見極めることが重要です。しかし、高水準の配当利回りは、株主還元への意識の高さを示しており、投資家にとっては安心材料の一つとなりそうです。

デジタルマーケティングの分野で成長を続ける企業と比較しても、スターツ出版の株価指標は魅力的に映るかもしれません。例えば、ファンコミュニケーションズのような企業は、デジタル広告市場の成長を背景に高い配当利回りを実現していますが、スターツ出版も出版事業のデジタルシフトを加速させることで、新たな価値創造が期待されます。

C. 安全性: ◎

企業の安全性、特に財務健全性という点では、スターツ出版は非常に優れていると言えるでしょう。自己資本比率は驚異の81.5%を誇り、一般的に優良とされる30%を大きく上回っています。これは、企業の資産のほとんどを自己資金で賄っており、借入金などの他人資本への依存度が極めて低いことを意味します。外部環境の変化や不測の事態にも強く、非常に安定した経営基盤を持っていると評価できます。

ROE(自己資本利益率)も20.36%と高水準で、自己資本を効率的に活用して利益を生み出す力が強いことを示しています。ただし、EPS(1株あたり利益)は前年同期比で低下が見られ、やや振れ幅が大きい点には注意が必要です。しかし、この盤石な財務基盤があればこそ、収益性が一時的に悪化しても、長期的な視点で事業構造の転換や新たな投資を行う余力があると考えられます。

高い自己資本比率は、企業の安定性を示す最も重要な指標の一つです。スターツ出版は、この点で非常に優れており、安心して投資を検討できる企業の一つと言えるでしょう。これは、例えばニッポン高度紙工業のような、特定のニッチ市場で高い技術力を持ち、高水準の自己資本比率を維持している企業とも共通する強みです。

まとめると、スターツ出版は、堅実な財務基盤と魅力的な割安性を持つ一方で、収益性の安定化と成長戦略の具体化が今後の注目ポイントとなります。出版業界の変革期において、同社がどのように新たな価値を創造していくのか、引き続き注目していきたいですね。

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