〇(5401)日本製鉄 : PBR0.62倍の割安感と3.91%配当!USスチール買収後の戦略に注目

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、日本を代表する鉄鋼メーカーである日本製鉄(5401)です。皆さんの生活に欠かせない自動車や家電製品、ビルや橋などのインフラ、さらにはエネルギー産業まで、あらゆる産業の基盤を支える鉄鋼製品を製造しています。世界トップクラスの技術力と生産規模を誇り、高機能な鉄鋼材料をグローバルに供給していますね。

直近の営業日(2025年12月3日時点)における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 61,450円(614.5円/株)
  • PBR : 0.62倍
  • PER : —(会社予想EPSがマイナスであるため算出されません)
  • 配当利回り : 3.91%
  • 株主優待 : なし
  • (2025年12月3日(水)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!

PBRの割安感と高配当は魅力的なんだけど、直近の収益性悪化は少し気になるぽん。USスチール買収後の戦略的な動きに期待したいから、もう少し様子を見て、良いタイミングで買いたいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント]

世界的な鉄鋼需要の変動と脱炭素化の波に直面しつつも、USスチール買収でグローバル展開を加速する日本製鉄の未来に注目ぽん!

A. 成長性 : △

日本製鉄は、世界的な鉄鋼需要の変動や脱炭素化への対応という大きな課題に直面しています。直近の収益性を見ると、純利益率、営業利益率ともに前年同期比で大きく低下し、直近ではマイナスに転じており、決して良い状況とは言えません。しかし、同社はこのような厳しい環境下でも、次なる成長の種を蒔いています。

特に注目すべきは、米国の鉄鋼大手USスチール買収後の動向です。この買収は、日本製鉄がグローバルでのプレゼンスを大きく高め、特に需要が堅調な米国市場での基盤を強化する上で非常に重要な戦略的意義を持っています。買収後、日本製鉄は米国での生産体制の強化にも意欲を見せており、その具体的な動きとして、「米製鉄所、建設地「来年選定」」というニュースが報じられました。

このニュースによると、日本製鉄の森高弘副会長は、USスチール買収後に米国国内に製鉄所を新設する計画について、2026年の夏前までに候補地を絞り込み、同年中には決定したいとの考えを示しています。(参考:米製鉄所、建設地「来年選定」 – シブヤ経済新聞)これは、単にUSスチールを傘下に収めるだけでなく、米国での生産能力を増強し、自動車鋼板や電磁鋼板といった高機能材の供給体制を強化する狙いがあると考えられます。米国市場は、EVシフトやインフラ投資の拡大など、高機能鋼材の需要増加が見込まれるため、この新製鉄所建設は将来の成長ドライバーとなり得るでしょう。

また、鉄鋼業界全体で進む脱炭素化の動きも、日本製鉄の成長戦略において重要な要素です。水素還元製鉄などの次世代技術開発への投資は、長期的な競争力を確保するために不可欠であり、環境規制が厳しくなる世界市場で優位性を確立する鍵となるでしょう。直近の収益悪化は懸念材料ですが、USスチール買収後の米国事業展開と、環境対応技術への投資が、今後の成長を牽引する可能性を秘めていると私は見ています。

B. 割安性 : ○

日本製鉄の株価指標を見ると、PBR(株価純資産倍率)は0.62倍と、1倍を大きく下回っており、純資産に対して株価が割安な水準にあると言えるでしょう。また、配当利回りは3.91%と高水準で、株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。このような指標だけを見ると、非常に魅力的な水準に見えますね。

しかし、注意したい点もあります。提供されたデータでは、PER(株価収益率)が「—」と表示されており、会社予想EPS(1株あたり利益)がマイナスとなっています。これは、直近の業績が悪化し、赤字を計上する見込みであるため、PERが算出できない状態であることを示しています。PBRや配当利回りが魅力的であっても、利益が出ていない状況では、その割安性を判断するのが非常に難しい側面があります。

企業の本来的な価値は、将来生み出す利益によって決まります。そのため、EPSがマイナスである現状は、投資家にとって大きな懸念材料と言えるでしょう。PBRの割安感と高配当は魅力的ですが、今後の業績回復の見通しを慎重に見極める必要があります。同じくPBRが割安で高配当の銘柄として、アールエイジ(3248)なども参考にしてみると良いかもしれません。

C. 安全性 : △

企業の安全性を示す財務健全性について見てみましょう。日本製鉄の自己資本比率は49.2%と、一般的に望ましいとされる30%を上回っており、一見すると安定しているように見えます。しかし、この自己資本比率は前年同期比で低下傾向にあり、有利子負債も増加している点が気になります。

また、EPS(1株あたり利益)は前年同期比でマイナスに転じており、その振れが大きいことも、収益の安定性に課題があることを示唆しています。大規模な設備投資が必要な鉄鋼業という特性上、有利子負債の増加自体は避けられない面もありますが、収益が悪化している中で負債が増えるのは、財務の柔軟性を低下させる要因となり得ます。

USスチール買収のような大型M&Aは、短期的に財務指標に影響を与える可能性があります。長期的な視点で見れば、事業規模の拡大やシナジー効果による収益改善が期待されますが、それまでの間は、財務状況の変動に注意を払う必要があるでしょう。自己資本比率が一定水準を保っていることは評価できますが、収益性の不安定さと有利子負債の増加傾向は、今後の財務運営において注視すべきポイントだと考えられます。

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