はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
藤倉コンポジットってどんな会社?
今回ご紹介するのは、東証プライム市場に上場している藤倉コンポジット(証券コード:5121)です。1887年創業という長い歴史を持つ同社は、その名の通り「コンポジット(複合材料)」を核とした事業を展開しています。ゴム、樹脂、金属などの素材を高度な技術で組み合わせ、高機能な製品を生み出しているのが特徴です。
具体的には、産業用ゴム製品(印刷用ブランケット、ゴムロールなど)、精密機器部品(HDD部品、半導体関連部品)、医療機器部品、さらには航空宇宙分野やスポーツ用品に至るまで、非常に幅広い分野でその技術が活用されています。私たちの身の回りにある様々な製品の「縁の下の力持ち」として、社会を支えている企業と言えるでしょう。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 203,000円(2,030円/株)
- PBR : 1.07倍
- PER : 10.10倍
- 配当利回り : 3.30%
- 株主優待 : なし
- (2025年12月2日(火)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!少し下がってきたら嬉しいぽん!
評価の理由を深掘り!
[評価の注目ポイント]
盤石な財務基盤と安定した収益性、そして魅力的な配当利回りが魅力ぽん!複合材料の技術で社会課題解決への貢献にも期待したいぽん!
A. 成長性 : 〇
藤倉コンポジットの収益性は、近年改善傾向にあるようです。営業利益率と純利益率が前年同期比で上向きで、直近もその勢いを保っているとのこと。ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)も一般的に望ましいとされる目安をおおむね上回っており、収益性という観点では安定感があります。
同社の成長を考える上で注目したいのは、その「複合材料」技術が持つ可能性です。様々な素材を組み合わせることで、単一素材では実現できない高性能を発揮する複合材料は、現代社会の多様なニーズに応えるカギとなります。例えば、軽量化が求められる航空機や自動車、耐久性が重要なインフラ設備、さらには環境負荷低減に貢献する製品開発など、その応用範囲は広がるばかりです。
特に、近年は「極端な気象条件」への対応が世界的な課題となっています。より強靭で、より耐久性の高い建材や部品が求められる中で、複合材料の役割はますます重要になるでしょう。米国のBuilder Magazineが報じた記事「How to Meet the Growing Threat of Extreme Weather」では、アンデルセン社が複合材料やグラスファイバーなどを組み合わせて、反り、腐食、吸湿に強い窓やドアを開発している事例が紹介されています。藤倉コンポジットも、このような社会ニーズを捉え、独自の複合材料技術で貢献していくことで、さらなる成長の機会を掴めるかもしれません。
また、日本国内でもインフラの老朽化対策は喫緊の課題であり、耐久性の高い材料や補修技術が求められています。例えば、インフラ補修のリーディングカンパニーであるショーボンドHD(1414)のような企業と、藤倉コンポジットの材料技術が連携することで、新たなソリューションが生まれる可能性も考えられますね。
B. 割安性 : 〇
藤倉コンポジットの割安性を見てみましょう。現在のPER(株価収益率)は10.10倍、PBR(株価純資産倍率)は1.07倍となっています。
PERが10倍台というのは、一般的に見れば比較的割安感がある水準と言えるでしょう。企業の稼ぐ力に対して、株価が過度に評価されていない状況を示唆している可能性があります。PBRが1.07倍と1倍をわずかに上回っている点は、資産価値に対して妥当な評価を受けている、あるいは少しだけ上乗せされていると捉えられます。
そして、投資家にとって魅力的なのが配当利回り3.30%という水準です。これは、現在の市場環境においては比較的高水準であり、インカムゲインを重視する投資家にとっては見逃せないポイントとなりそうです。1株配当は会社予想で66.00円(2026年3月期)とされており、安定した配当が期待できるのは嬉しいですね。
株主優待制度は現状ありませんが、この配当利回りの高さは、株主還元への意識の表れとも考えられます。
C. 安全性 : ◎
藤倉コンポジットの財務安全性は非常に盤石と言えるでしょう。自己資本比率はなんと72.0%と、一般的に優良とされる30%を大きく上回る水準です。これは、会社の資金の多くを自己資金で賄っており、外部からの借入に依存する割合が非常に低いことを意味します。外部環境の変化や不測の事態にも強い、高い安全余力があると言えます。
有利子負債は前年同期比で増加したものの、その規模は適切に抑えられているようです。EPS(1株当たり利益)も前年同期比で増加局面が続いており、利益の安定性も見て取れます。これらの指標から、藤倉コンポジットは非常に健全な財務体質を維持しており、長期的な視点で見ても安心して投資を検討できる企業の一つだと感じます。
堅実な経営基盤は、新しい技術開発や設備投資など、将来の成長に向けた戦略を安心して実行できる土台となります。複合材料という技術を核に、安定した財務基盤の上でどのようなイノベーションを起こしていくのか、今後も注目していきたいですね。


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