〇(4124)大阪油化工業 : 88.5%の高い自己資本比率!廃油リサイクル事業の将来性に注目

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、東証スタンダード市場に上場している大阪油化工業(4124)です。同社は、工業用潤滑油の再生・販売、そして廃油のリサイクルを主な事業としています。特に、使用済みの油を回収し、高度な技術で精製して新しい製品として蘇らせる「リサイクル事業」は、資源の有効活用と環境負荷低減に貢献する、サステナビリティ時代において非常に重要な役割を担っています。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 250,500円(2,505円/株)
  • PBR : 1.59倍
  • PER : 27.52倍
  • 配当利回り : 1.48%
  • 株主優待 : なし

(2025年12月5日(金)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、もう少し様子を見たいぽん!

評価の理由

[評価の注目ポイント] 非常に盤石な財務基盤は魅力的だけど、収益性の不安定さが気になるぽん!今後の事業展開に期待したいぽん!

A. 成長性 : ×

大阪油化工業の成長性については、残念ながら現時点では大きな期待を抱きにくい状況です。提供されているデータでは「成長性:0.0倍」とあり、これは事業規模の拡大や利益の飛躍的な増加が現状では見込みにくいことを示唆しています。また、EPS(1株当たり利益)も前年同期比で振れ幅が大きく、安定的な成長軌道に乗っているとは言えないでしょう。環境関連事業は社会的なニーズが高まっていますが、それが直接的な業績の大きな伸びに繋がるには、具体的な事業戦略や市場の動向を注視する必要があります。

B. 割安性 : △

現在の株価指標を見ると、割安感は限定的と言えそうです。PER(株価収益率)は27.52倍、PBR(株価純資産倍率)は1.59倍となっています。一般的に、収益性が悪化傾向にあり、成長性も低いと評価される企業にとって、このPERやPBRはやや割高に感じられるかもしれません。配当利回りも1.48%と、特段高水準とは言えず、株主還元という点での魅力も平均的です。財務の安定性は評価できるものの、現在の収益力や成長期待と比較すると、投資妙味を見出すには慎重な判断が求められるでしょう。

C. 安全性 : ◎

大阪油化工業の最大の魅力は、その盤石な財務健全性にあると言えるでしょう。自己資本比率は驚異の88.5%と非常に高水準で推移しており、これは一般的に望ましいとされる30%を大きく上回るどころか、ほとんど負債がないに等しい安定した経営基盤を示しています。これだけ自己資本比率が高いということは、外部からの借入に依存せず、自社の資金で事業を運営できる体力があることを意味します。不安定な経済状況下においても、この強固な財務体質は企業存続の大きな強みとなり、株主にとっても安心材料となるでしょう。他の財務が盤石な企業としては、例えば、同じく高い自己資本比率を誇るヤスハラケミカルのような企業が挙げられます。

環境意識の高まりとリサイクル事業の重要性

大阪油化工業が手掛ける廃油のリサイクル事業は、現代社会においてその重要性がますます高まっています。世界的に環境問題への意識が高まり、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが企業価値を測る重要な指標となる中で、資源の有効活用や廃棄物削減に貢献する同社の事業は、社会的な意義が大きいと言えるでしょう。

例えば、2025年12月5日には、カリフォルニア州モントレー郡で石油流出事故が発生したというニュースが報じられました。「California Resources Reports Oil Fluid Spill in Monterey County」(Insurance Journal)このような事故は、環境汚染を引き起こし、企業に多大な社会的責任と経済的負担を課します。このニュースが示すように、石油関連事業には常に環境リスクが伴い、その管理は極めて重要です。

このような背景を考えると、大阪油化工業が行う廃油のリサイクルは、単なるコスト削減や資源の再利用に留まらず、環境リスクの低減循環型社会の実現に不可欠な役割を担っていると言えます。使用済み潤滑油の適切な回収と再生は、不法投棄による土壌汚染や水質汚染を防ぎ、限りある資源を次世代に繋ぐための重要な取り組みです。

また、製造業における環境規制の強化や、企業のサプライチェーン全体での環境負荷低減への要求が高まる中で、大阪油化工業のようなリサイクル技術を持つ企業の存在感は増していく可能性があります。高い技術力で廃油を高品質な再生油へと生まれ変わらせることは、新たな資源採掘を抑制し、温室効果ガスの排出削減にも貢献します。水処理技術で環境に貢献するオルガノのように、ニッチながらも社会に不可欠な技術を持つ企業として、その潜在的な価値は大きいと個人的には感じています。

現在の収益性や成長性には課題が見られますが、盤石な財務基盤を背景に、今後、環境規制の強化やサステナビリティへの意識の高まりを追い風として、事業をどのように展開していくのかが注目されるポイントです。

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