本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
はじめに
今回ご紹介するのは、東証スタンダード市場に上場するトーセ(3807)です。トーセは、京都に本社を置くゲームソフト受託開発のパイオニア企業。皆さんが普段遊んでいる人気ゲームの中には、実はトーセが開発に携わっているものがたくさんあるかもしれませんね。自社ブランドでゲームを出すことは少なく、主に大手ゲームメーカーからの依頼を受けて、企画から開発、デバッグまで一貫して手掛けています。その技術力とノウハウは業界内で高く評価されており、多岐にわたるプラットフォームで実績を積み重ねています。
それでは、直近の営業日における主要な指標を見ていきましょう。
- 最低投資金額 : 64,000円(640円/株)
- PBR : 0.79倍
- PER : 6.14倍
- 配当利回り : 3.91%
- 株主優待 : なし
- (2025年10月17日(金)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!割安感と安定した財務は魅力的ぽん!もう少し市場の動向を見極めてから買い時を探したいぽん~!
評価の理由
[評価の注目ポイント]ゲーム受託開発の安定基盤と割安な株価、盤石な財務が魅力!次世代機への期待も高まるぽん!
A. 成長性 : 〇
トーセの成長性は、ゲーム業界全体の動向と密接に結びついています。受託開発というビジネスモデルは、自社IPによる爆発的なヒットは生まれにくいものの、大手ゲームメーカーの多様なニーズに応えることで、安定した収益基盤を築いています。長年にわたる豊富な開発実績と技術力は、新規案件の獲得にも有利に働いているでしょう。
特に注目したいのは、次世代ゲーム機の動向です。ゲーム情報サイトKotakuの記事「The Switch 2 Is Holding Its Own Against This New PC Gaming Handheld」では、任天堂の次世代機「Switch 2」がPCゲーミングハンドヘルドと比較しても遜色ない性能を持つ可能性が示唆されています。もしSwitch 2が市場で成功を収めれば、新たなプラットフォーム向けの開発需要が大きく高まることが予想されます。トーセはこれまでも様々なプラットフォームでの開発経験が豊富であり、次世代機への対応力も期待できます。これにより、新たな開発案件の獲得や、既存タイトルの移植・アップデートといったビジネスチャンスが広がる可能性を秘めていると言えるでしょう。
また、近年ではAI技術の進化がゲーム開発にも大きな影響を与えています。トーセがこれらの先端技術を開発プロセスにどのように取り入れ、効率化や品質向上に繋げていくかも、今後の成長を占う上で重要なポイントとなりそうです。
B. 割安性 : ◎
トーセの割安性は、非常に魅力的な水準にあると言えるでしょう。PERは6.14倍、PBRは0.79倍と、市場平均と比較してもかなり低い水準にあります。特にPBRが1倍を大きく下回っている点は、会社の持つ純資産に対して株価が割安に評価されていることを示唆しています。これは、企業の解散価値よりも株価が低い可能性があることを意味し、投資家にとっては魅力的なポイントとなり得ます。
さらに、配当利回りは3.91%と高水準です。安定した配当を重視する投資家にとっては、株価の割安感と合わせて大きな魅力となるでしょう。株主優待は現在のところありませんが、この高い配当利回りがその代わりを果たしているとも考えられます。
PBRが1倍を下回る企業への投資は、その企業の潜在的な価値を見出す上で重要な視点です。同様にPBRが割安な企業としては、以前ご紹介したリーダー電子(6867)なども挙げられます。トーセもまた、その堅実な事業内容と財務状況を考慮すると、現在の株価は過小評価されている可能性があり、今後の市場からの再評価に期待が持てます。
C. 安全性 : ◎
トーセの財務安全性は非常に高く、安心して投資を検討できるレベルにあると言えるでしょう。自己資本比率は78.1%と極めて高く、これは借入金などの負債が少なく、会社の資産の大部分が自己資金で賄われていることを意味します。一般的に、自己資本比率が40%を超えると優良企業とされる中で、この水準は財務基盤が盤石であることを明確に示しています。
高い自己資本比率は、景気変動や予期せぬ事態が発生した場合でも、企業が事業を安定的に継続できる体力があることを意味します。ゲーム業界はヒット作に左右される側面もありますが、受託開発というビジネスモデルとこの強固な財務体質が、トーセの安定性を支えていると言えるでしょう。
BPS(1株あたり純資産)も807.79円と、現在の株価(640円)を上回っており、会社の純資産価値が株価よりも高い状態です。これは、万が一の事態があった場合でも、株主の資産が守られやすいことを示唆しています。これらの指標から見ても、トーセは非常に健全な財務状況を維持しており、長期的な視点での投資にも適した銘柄だと考えられます。


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