はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、学情(2301)です。学情は、主に新卒採用支援を事業の柱とする人材サービス企業です。若者のキャリア形成をサポートし、企業と学生の最適なマッチングを実現することで社会に貢献しています。特に、Webサイト「あさがくナビ」や合同企業セミナー「就職博」などを通じて、学生と企業双方に価値を提供しています。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 159,500円(1,595円/株)
- PBR : 1.56倍
- PER : 12.57倍
- 配当利回り : 4.20%
(2025年11月10日(月)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!高配当と盤石な財務は魅力的ぽん!もう少し市場全体の様子を見ながら、買い時をじっくり見極めたいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント]
高配当と極めて安定した財務基盤が魅力的な人材サービス企業ぽん!直近の収益改善傾向にも注目したいぽん!
A. 成長性 : 〇
学情の収益性は、純利益率が直近で持ち直し、営業利益率も上向きに転じています。EPS(1株あたり利益)も増加と減少を繰り返しながらも、直近では改善が続いており、堅実な成長が期待できます。新卒採用市場の動向に左右される面はありますが、若年層のキャリア支援という社会的ニーズは常に存在し、同社のサービスが果たす役割は大きいと言えるでしょう。
B. 割安性 : ◎
現在のPER(株価収益率)は12.57倍、PBR(株価純資産倍率)は1.56倍と、市場平均と比較しても割安感があります。特に注目すべきは、配当利回りが4.20%と非常に高い水準にある点です。これは、安定した収益基盤を持つ企業が株主還元に積極的であることの表れであり、長期的な視点で見ても魅力的なポイントだと考えられます。
C. 安全性 : ◎
財務の安全性は極めて高い水準にあります。自己資本比率は86.4%と非常に高く、一般的に望ましいとされる30%を大きく上回っています。これは、外部からの借入に依存せず、自社の資金で事業を運営できる強固な財務体質を示しています。また、ROE(自己資本利益率)も16.09%と、収益性を効率的に生み出している証拠であり、財務の健全性と収益性の両面で安定していると評価できます。
大学生の「授業外活動不参加」が人材市場に与える影響
学情の事業を考える上で、現在の大学生の動向は非常に重要な要素です。最近の調査で、興味深いデータが発表されました。「Inside Higher Ed」の調査によると、大学生の3分の1が授業外活動(クラブ活動、ボランティア、インターンシップなど)に参加していないという結果が出ています。コミュニティカレッジの学生に至っては、その割合が65%にも上るというのです。(参考: Survey: A Third of College Students Aren’t Getting Involved – Inside Higher Ed)
この傾向は、新卒採用市場、ひいては学情のビジネスモデルにどのような影響を与えるでしょうか。企業が新卒採用において求める人物像は、学業成績だけでなく、主体性、リーダーシップ、コミュニケーション能力、課題解決能力といった、授業外活動を通じて培われることが多い資質を重視する傾向にあります。学生の授業外活動への不参加が増えるということは、企業が求めるこれらの資質を持つ学生を見つけることがより困難になる可能性を示唆しています。
学情は「あさがくナビ」や「就職博」といったサービスを通じて、企業と学生のマッチングを行っています。学生の活動状況が多様化し、企業が求める「即戦力」や「ポテンシャル」を見極めるのが難しくなる中で、学情のような人材サービス企業は、より高度なマッチング技術や、学生の潜在能力を引き出すための支援が求められるようになるでしょう。例えば、学生が自身の経験を棚卸し、企業に効果的にアピールするためのコンサルティングや、企業が学生の多様な側面を評価できるような採用ツールの提供などが考えられます。
一方で、この状況は学情にとって新たなビジネスチャンスにもなり得ます。学生のエンゲージメントが低い現状を打破し、企業と学生の間に存在するギャップを埋めるための革新的なサービスを提供できれば、同社の市場価値はさらに高まるでしょう。例えば、オンラインでのキャリア形成支援プログラムの拡充や、企業が学生の「非認知能力」を評価するための新しいアセスメントツールの開発などが挙げられます。人材サービス業界全体が変革期を迎える中で、学情がどのようにこの課題に対応し、成長戦略を描いていくのか、今後も注目していきたいポイントです。
まとめ
学情は、高配当と盤石な財務基盤を持つ、新卒採用支援に強みを持つ企業です。現状の指標からは割安感があり、安定性も抜群です。直近の収益改善傾向も見られ、堅実な成長が期待できます。大学生の授業外活動不参加という社会課題は、人材サービス企業にとって新たな機会となる可能性も秘めています。今後、学情がどのようにこの市場の変化に対応し、成長を続けていくのか、非常に興味深いところです。人材サービス業界の動向については、以前ご紹介したジェイック(7073)の記事もご参考ください。


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