はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、日本を代表するテクノロジー投資会社、ソフトバンク(優先株式)です。ソフトバンクグループと聞くと、携帯電話事業やプロ野球球団を思い浮かべる方も多いかもしれませんね。しかし、その本質は、世界中の革新的なテクノロジー企業への投資を通じて、未来を創造する「投資持ち株会社」としての顔が強く、特にAI(人工知能)分野への大規模な投資で知られています。
優先株式は、普通株式とは異なり、議決権を持たない代わりに、配当金が優先的に支払われるという特徴があります。つまり、企業の経営には直接関与できませんが、安定した配当収入を期待できる可能性が高い、という点が魅力となり得ます。ソフトバンクグループの優先株式も、このような一般的な優先株式の特性を持つと考えられます。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 前日終値 : 3,800円(2025年12月11日時点)
- 前日比 : +2円 (+0.05%)
- 始値 : 3,804円(2025年12月12日時点)
- 高値 : 3,808円(2025年12月12日時点)
- 安値 : 3,800円(2025年12月12日時点)
- 出来高 : 6,300株(2025年12月12日時点)
- 売買代金 : 23,960千円(2025年12月12日時点)
- 値幅制限 : 3,100円~4,500円(2025年12月12日時点)
- 年初来高値 : 3,897円(2025年03月24日時点)
- 年初来安値 : 3,732円(2025年09月29日時点)
- PBR : データなし
- PER : データなし
- 配当利回り : データなし
- 株主優待 : データなし
(2025年12月12日(金)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!少し様子を見て、安定した配当の発表があれば検討したいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント] ソフトバンクグループのAI投資戦略は魅力的だけど、優先株式は安定性重視。配当の動向を注視したいぽん!
A. 成長性 : ○
ソフトバンクグループ全体の成長戦略は、まさに「AI革命」を軸としています。孫正義会長兼社長は、AI分野への「異次元投資」を公言しており、世界中の最先端AI技術を持つ企業への投資を積極的に行っています。これにより、グループ全体の企業価値向上や将来的な収益拡大への期待は非常に高いと言えるでしょう。
しかし、優先株式という性質上、その成長の恩恵は普通株式のように株価の上昇として直接的に反映されにくい側面があります。むしろ、安定した配当が継続的に支払われることで、長期的なインカムゲインを享受する形になるでしょう。グループ全体の成長が、優先株式の安定性や配当余力の向上に繋がるという間接的な成長性として評価できます。
B. 割安性 : △
提供されたデータではPBRやPER、配当利回りといった割安性を判断する主要な指標が「データなし」となっています。そのため、現時点での明確な割安性評価は難しいのが正直なところです。一般的に、優先株式は普通株式に比べて配当利回りが高い傾向にあるため、その配当水準が投資判断の大きなカギとなります。
ソフトバンクグループの優先株式が、どの程度の配当を支払うのか、そしてそれが市場の他の優先株式や債券と比較して魅力的な水準にあるのかを慎重に見極める必要があります。もし、安定した高配当が期待できるのであれば、議決権がないというデメリットを補って余りある魅力となり得ます。今後の配当政策の発表に注目したいですね。
C. 安全性 : ◎
ソフトバンクグループは、その巨額な投資活動から「ハイリスク・ハイリターン」のイメージを持たれがちですが、優先株式に限って言えば、その安全性は比較的高いと評価できます。優先株式は、企業が解散する際や配当を支払う際に、普通株式よりも優先的に弁済や支払いを受ける権利を持っています。
もちろん、グループ全体の財務健全性が揺らげば、優先株式の配当にも影響が出る可能性はゼロではありません。しかし、ソフトバンクグループは通信事業という安定したキャッシュフローを持つ事業を基盤としつつ、ビジョン・ファンドを通じて世界中の優良企業に投資を行っています。これにより、ポートフォリオの多角化とリスク分散を図っているとも考えられます。大規模な投資は時に不確実性を伴いますが、その一方で、将来の大きなリターンを生み出す可能性も秘めており、優先株式はそうしたリスクを一定程度回避しつつ、恩恵を受けられる選択肢と言えるでしょう。
ソフトバンクグループのAI投資戦略と優先株式の魅力
ソフトバンクグループの投資戦略は、常に時代の最先端を見据えています。特にAI分野への傾倒は顕著で、孫正義会長兼社長は「AI革命」こそが人類史上最大の変革期であると強く認識し、この分野への「異次元投資」を加速させています。
例えば、東洋経済オンラインで紹介されたイーロン・マスク氏の慈善団体に関する記事では、マスク氏の巨大な影響力と資金力を背景にした活動が報じられていますが、その裏では「ソフトバンク、「AIに異次元投資」で浮上する焦点」という関連トピックが示唆されています。これは、ソフトバンクグループがマスク氏のようなイノベーターと同様に、AIというフロンティアに巨額の資金を投じていることを示しています。ソフトバンクグループは、AIを活用したロボット、自動運転、クラウドコンピューティングなど、多岐にわたる分野の企業に投資し、未来の社会インフラを築こうとしています。
このような積極的なAI投資は、グループ全体の企業価値を大きく押し上げる可能性を秘めています。普通株式の株主は、これらの投資が成功すれば大きなキャピタルゲインを期待できるでしょう。一方、優先株式の株主は、直接的な株価上昇の恩恵は限定的ですが、グループ全体の収益基盤が強化されることで、優先的に受け取れる配当の安定性や、将来的な配当水準の向上が期待できるというメリットがあります。
ソフトバンクグループは、傘下の通信事業(ソフトバンク株式会社)が安定的な収益源である一方で、ビジョン・ファンドを通じた投資事業は高いリターンを目指す性質を持ちます。このバランスが、優先株式にとっての安心材料となります。投資事業が一時的に不調に陥ったとしても、通信事業の安定収益が配当支払いを下支えする可能性が高いからです。これは、普通株式の株価が大きく変動するリスクを避けたい、しかしソフトバンクグループの将来性には期待したい、という投資家にとって魅力的な選択肢となり得ます。
AI時代の到来は、様々な産業に変革をもたらします。例えば、当社が過去に紹介した〇(9449)GMOインターネット : GPUクラウド事業に注力、CTCとの提携でAI時代の成長に期待のように、AI関連のインフラやサービスを提供する企業は、今後ますます重要性を増していくでしょう。ソフトバンクグループは、こうしたAIエコシステムの中核を担う企業群に幅広く投資することで、その成長を享受しようとしています。
投資家にとっての優先株式の選択肢
ソフトバンクグループの優先株式は、普通株式とは異なる投資妙味を提供します。普通株式が持つ「議決権」や「青天井のキャピタルゲイン」といった魅力はないものの、その代わりに「配当の優先性」と「比較的安定したリターン」が期待できます。特に、市場のボラティリティが高い局面や、企業の成長戦略に期待しつつもリスクを抑えたいと考える投資家にとって、優先株式は有効なポートフォリオの一部となり得るでしょう。
ソフトバンクグループのAIへの「異次元投資」は、長期的に見れば大きなリターンを生み出す可能性を秘めています。この大きな絵図の中に、安定した配当を期待できる優先株式という形で参加することは、賢明な選択肢の一つかもしれません。ただし、前述の通り、現時点では配当利回りなどの詳細な情報が不足しているため、今後の企業からの情報開示を注意深く見守り、ご自身の投資判断に役立てていくことが肝要です。


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