◯(8345)岩手銀行 : PBR0.34倍の割安感と3.53%の配当利回り

銘柄紹介

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

はじめに

今回は、岩手県に本店を置く地域金融機関、岩手銀行(証券コード:8345)についてご紹介します。地域経済の要として、長年にわたり岩手県の発展を支えてきた同行の魅力や、投資対象としての特徴を深掘りしていきましょう。

銘柄の基礎情報

岩手銀行は、岩手県盛岡市に本店を構える地方銀行です。預金業務、貸出業務、為替業務、有価証券投資などを通じて、地域のお客様の暮らしと企業の事業活動を支える役割を担っています。地域に密着したサービス展開で、地元経済の活性化に貢献しています。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 382,000円(3,820円/株)
  • PBR : (連)0.34倍
  • PER : (連)8.76倍
  • 配当利回り : 3.53%
  • 1株配当(会社予想) : 135.00円
  • (2025年10月7日(火)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!PBRの割安感と安定した配当利回りが魅力的だぽん!

評価の理由

[評価の注目ポイント]
PBR0.34倍という極めて低い水準で、資産価値に対して市場評価が割安な点が最大の魅力ぽん!

A. 成長性 : ○

岩手銀行は、地域経済の動向に強く影響を受けるビジネスモデルですが、デジタル化の推進やコンサルティング機能の強化を通じて、非金利収益の拡大に注力しています。地域に根ざした強固な顧客基盤は大きな強みですが、岩手県内の人口減少という構造的な課題も抱えています。しかし、地域に寄り添い、お客様の多様なニーズに応えることで、持続的な成長を目指す姿勢は評価できます。例えば、2026年の干支にちなんだ記念コインの予約販売など、地域に密着したイベントを通じて顧客との接点を深め、預金以外のサービス利用にも繋げようとする取り組みが見られます。

B. 割安性 : ◎

PBR(株価純資産倍率)が0.34倍という水準は、企業の解散価値と比較しても非常に割安感があります。これは、市場が岩手銀行の純資産価値を大きく下回って評価していることを示しており、長期的な視点で見れば、株価上昇のポテンシャルを秘めている可能性があります。また、PER(株価収益率)も8.76倍と市場平均と比較して低く、利益水準から見ても割安感があります。さらに、配当利回りは3.53%と高く、安定したインカムゲインを期待できる点も、配当重視の投資家にとっては魅力的なポイントと言えるでしょう。PBRが低い銘柄に興味がある方は、加藤製作所(PBR0.36倍)の記事も参考にしてみてください。

C. 安全性 : ○

銀行業における自己資本比率は、バーゼル規制などの国際的なルールに基づいて計算され、一般事業会社とは異なる基準で評価されます。岩手銀行の自己資本比率4.8%は、銀行としての健全性を保つための基準を満たしているものと見られます。地域に根ざした銀行として、預金という安定した資金調達源を持ち、長年の信頼関係を築いてきた顧客基盤は、財務の安定性に寄与しています。堅実な経営体制のもと、地域経済の変動に対応しながら安定した事業運営を続けていると考えられます。

岩手銀行の地域貢献と非金利収益への取り組み

岩手銀行は、単に金融サービスを提供するだけでなく、地域社会の発展に深く貢献する役割を担っています。その一例として、最近報じられた「2026年の干支『午』が描かれた数量限定販売の記念コイン」の予約販売のニュースは、同行の地域密着戦略の一端を垣間見ることができます。

参考記事:2026年の干支にちなんだ「馬」の記念コイン 県内の銀行で予約販売開始 岩手県(岩手めんこいテレビ) – Yahoo!ニュース

このニュースによると、2026年の干支である「馬」をデザインした記念コインが、全国36の金融機関で取り扱われ、岩手銀行でも予約受付が開始されました。岩手銀行デジタル推進部の担当者からは、「(馬は)縁起のいい動物で駆け上がるや成功の象徴。新しい年を迎えるにあたっての記念品として購入いただければ」というコメントが寄せられています。

この取り組みは、一見すると単なる商品販売に見えますが、地域金融機関にとって複数の重要な意味合いを持っています。

  1. 顧客エンゲージメントの強化: 干支の記念コインは、新年の縁起物として多くの人々の関心を集めます。このような商品を扱うことで、銀行は既存顧客との関係性を深めるだけでなく、新たな顧客層との接点を創出することができます。地域の人々にとって身近な話題を通じて、銀行をより親しみやすい存在として認識してもらう機会となります。
  2. 非金利収益の確保: 銀行の収益は、預貸金利息による「金利収益」と、手数料収入などの「非金利収益」に大別されます。低金利環境が続く中で、多くの地域金融機関は非金利収益の強化を模索しています。記念コインの販売は、その手数料収入を通じて非金利収益を補完する一助となります。特に、最も高額なものでは660万円というフランスの500ユーロ金貨も取り扱われることから、富裕層向けのサービス提供能力も示唆され、多様な顧客層へのアプローチが見て取れます。
  3. 地域文化への貢献: 干支という日本の文化に根ざした商品を扱うことは、地域文化への理解と尊重を示すことにも繋がります。縁起物としての意味合いを強調することで、顧客の感情に訴えかけ、地域社会の一員としての銀行の存在感を高めることができます。

このように、岩手銀行は地域に密着した視点から、顧客ニーズを捉え、単なる金融機能に留まらない付加価値を提供しようと努力しています。これは、地域経済の活性化という大命題を背負う地域金融機関にとって、非常に重要な戦略と言えるでしょう。

まとめ

岩手銀行は、PBR0.34倍という極めて高い割安感と、3.53%という魅力的な配当利回りを兼ね備えた銘柄です。地域経済の構造的な課題はあるものの、デジタル化やコンサルティング機能の強化、そして地域に密着したサービス展開を通じて、持続的な成長を目指しています。特に、記念コイン販売のような非金利収益の多角化への取り組みは、地域金融機関としての新たな価値創造への意欲を感じさせます。投資を検討される際は、このような地域密着型の取り組みや、今後の収益構造の変化にも注目してみると良いかもしれません。

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