本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
はじめに
今回ご紹介するのは、半導体製造装置業界のリーディングカンパニーであるSCREENホールディングス(証券コード:7735)です。京都に本社を構える同社は、特に半導体洗浄装置の分野で世界トップクラスのシェアを誇り、デジタル社会の発展を根底から支える重要な役割を担っています。
半導体は、スマートフォンやPCはもちろん、AI、IoT、データセンター、自動車など、あらゆる先端技術の進化に不可欠な存在です。その半導体を製造する上で欠かせないのが、微細な回路を形成する前にウェーハ表面の不純物を徹底的に除去する「洗浄」プロセス。SCREENホールディングスは、この洗浄工程において高い技術力と実績を持ち、世界の半導体メーカーから厚い信頼を得ています。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 1,382,500円(13,825円/株)
- PBR : 3.17倍
- PER : 14.85倍
- 配当利回り : 2.03%
- 株主優待 : なし
- (2025年10月10日(金)時点)
ぽんぽん的な評価
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評価の理由
[評価の注目ポイント] 半導体洗浄装置で世界トップ!AI需要が追い風で成長性◎。高い収益性と盤石な財務も魅力的な優良企業ぽん!
A. 成長性 : ◎
SCREENホールディングスの成長性は、世界の半導体市場の拡大と密接に連動しています。特に、AIやデータセンター、自動運転といった最先端技術の進化が、高性能半導体の需要を爆発的に押し上げており、同社の主力製品である半導体洗浄装置へのニーズも高まる一方です。
同社は、半導体ウェーハの微細化が進む中で、より高度で精密な洗浄技術が求められるという市場のトレンドを的確に捉え、常に技術革新を続けています。独自の洗浄液供給技術や乾燥技術は、歩留まり向上に大きく貢献し、顧客である半導体メーカーの生産性向上に不可欠な存在となっています。
過去数年の業績を見ると、半導体サイクルの影響を受けて変動はあるものの、長期的な視点では売上高、利益ともに着実に成長を遂げています。2026年3月期の会社予想EPS(1株当たり利益)は930.90円と高い水準を維持しており、今後も半導体市場の牽引役として、安定した成長が期待されます。配当金も安定的に推移しており、株主還元にも積極的な姿勢が見られます。
B. 割安性 : 〇
PER(株価収益率)は14.85倍、PBR(株価純資産倍率)は3.17倍という指標は、一見すると割安とは言えないかもしれません。しかし、半導体製造装置業界は高い技術力と成長性が評価されるため、一般的に市場平均よりも高めのPERやPBRで取引される傾向があります。特に、SCREENホールディングスのように特定の分野で世界トップシェアを誇る企業であれば、その技術的優位性や将来の成長期待が株価に織り込まれるのは自然なことです。
注目すべきは、ROE(自己資本利益率)が25.10%と非常に高い水準にある点です。これは、自己資本を効率的に活用して大きな利益を生み出していることを示しており、投資家にとって魅力的なポイントと言えるでしょう。高いROEは、PBRの高さもある程度正当化する要因となります。
配当利回りは2.03%と、特別高配当というわけではありませんが、安定した事業基盤と成長性、そして増配への期待を考慮すると、魅力的な水準だと考えられます。株主優待はありませんが、安定した配当と高い収益性で株主価値向上に努めていると言えるでしょう。
C. 安全性 : ◎
SCREENホールディングスの財務健全性は非常に高く、投資家にとって大きな安心材料となります。自己資本比率は62.7%と高く、これは借入金に頼らず、自社の資金で経営を行っている割合が大きいことを示します。一般的に、自己資本比率が40%を超えると優良企業とされる中で、60%を超える水準は極めて堅固な財務体質であると言えます。
また、前述の通りROEが25.10%という高い水準にあることも、財務の安全性を裏付けています。効率的な経営によって安定的に利益を創出できる能力は、景気変動や市場の変化にも柔軟に対応できる強固な事業基盤があることを示唆しています。
このような盤石な財務基盤は、研究開発への積極的な投資や、M&Aなどによる事業拡大の余地をもたらし、将来の成長戦略を安心して実行できる土台となっています。信用買残は645,700株、信用売残は232,200株、信用倍率は2.78倍(2025年10月03日時点)となっており、極端な信用偏りも見られず、市場からの評価も比較的安定していると見受けられます。
半導体市場の動向とSCREENホールディングスの展望
半導体産業は、まさに現代社会のインフラを支える基幹産業であり、その市場規模は年々拡大しています。特に2025年以降は、AI技術のさらなる進化、5G/6G通信の普及、IoTデバイスの多様化、そしてデータセンターへの投資加速が、半導体需要の強力な牽引役となるでしょう。
MarketBeatの2025年10月10日付の記事(BHP Group Limitedに関するレポートの一部として言及されたもの)では、「Computing Stocks To Keep An Eye On(コンピューティング関連銘柄に注目)」というフレーズが示唆されており、これは半導体製造装置メーカーであるSCREENホールディングスにとっても重要な示唆を与えています。コンピューティング能力の向上は、より高性能な半導体を必要とし、その製造プロセスにおいてSCREENが提供する高精度な洗浄装置の重要性は増すばかりです。
半導体製造の最前線では、回路線幅がナノメートル単位で微細化されており、わずかな不純物も製品の不良につながるため、洗浄工程の重要性はこれまで以上に高まっています。SCREENホールディングスは、この微細化トレンドに対応するため、常に最先端の技術開発に注力し、競合他社に対する優位性を確立しています。同社の技術は、次世代半導体の量産を可能にするための「縁の下の力持ち」として、今後も必要不可欠な存在であり続けるでしょう。
また、半導体製造装置業界は、景気循環の影響を受けやすいセクターではありますが、SCREENホールディングスは長年にわたる技術蓄積と顧客との強固な関係性により、安定した事業基盤を築いています。世界的な半導体生産能力増強の動きも、同社にとって追い風となるでしょう。
まとめ
SCREENホールディングスは、半導体洗浄装置というニッチながらも極めて重要な分野で世界をリードする企業です。AIやDXといった現代社会のトレンドが半導体需要を押し上げる中で、同社の技術力と製品は今後も必要不可欠な存在であり続けるでしょう。高い成長性、優れた収益性、そして盤石な財務基盤は、長期的な視点で投資を検討する上で非常に魅力的な要素と言えます。
半導体市場の変動リスクは常に存在しますが、同社の技術的優位性と財務の安定性を考慮すれば、今後のさらなる発展に期待が持てます。半導体製造装置業界に興味のある方は、ぜひSCREENホールディングスに注目してみてくださいね。半導体製造装置のもう一つの雄であるアルバックの記事も参考になるかもしれません。


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