本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
製薬大手の研究開発体制を強化する「ダイイチ(第一三共)」
今回ご紹介するのは、医薬品の研究開発、製造、販売を手掛けるグローバルな製薬会社「ダイイチ」、正式名称は第一三共(TSE: 4568)です。世界中の人々の健康に貢献するため、がん領域を中心に革新的な医薬品の開発に注力しており、特に抗がん剤「エンハーツ」などでその存在感を高めています。日々、新たな治療法の探求と患者さんのQOL向上に向けた取り組みを進めています。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 179,900円(1,799円/株)
- PBR : 1.16倍
- PER : 16.84倍
- 配当利回り : 2.22%
- 1株配当(会社予想) : 40.00円(2026年9月)
- 株主優待 : なし
- (2026年2月20日(木)時点)
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!もう少し収益改善の兆しが見えたら、積極的に検討したいぽん〜!
評価の注目ポイント
堅実な財務基盤と新R&Dヘッドによる研究開発強化に期待!収益性の改善が今後の鍵ぽん。
A. 成長性 : △
ダイイチ(第一三共)の過去数年の収益性を見ると、純利益率、営業利益率ともに前年同期比で低下傾向にあり、直近でも弱含みです。ROE(自己資本利益率)も一般的に望ましいとされる目安に届かない場面が増えており、収益性の不安定さが課題として挙げられます。しかし、医薬品業界において成長の源泉となるのは、やはり画期的な新薬の創出です。後述する新たなR&Dグローバルヘッドの就任は、今後の研究開発パイプラインの強化と新薬創出による成長への期待を高める要因となるでしょう。この人事が、現在の収益性悪化トレンドを転換させる起爆剤となるか、注目したいところです。
B. 割安性 : 〇
現在のPBR(株価純資産倍率)は1.16倍、PER(株価収益率)は16.84倍と、特別に割安感があるわけではありませんが、グローバルで競争力を持ち、成長期待の高い製薬企業としては妥当な水準とも考えられます。配当利回りは2.22%と、現在の低金利環境下では比較的魅力的な水準であり、株主還元への意識も感じられます。今後の収益改善や、期待される新薬開発の進捗次第では、さらなる評価の上昇も期待できるでしょう。長期的な視点で見れば、現在の株価は将来の成長を織り込みきれていない可能性も秘めているかもしれません。
C. 安全性 : ◎
財務の安定性については非常に高く評価できます。自己資本比率は63.0%と、一般的に理想とされる30%を大きく上回る水準で推移しており、盤石な財務基盤を築いています。有利子負債も概ね抑えられており、経営の安定性は抜群と言えるでしょう。これは、大規模な研究開発投資が必要となる製薬業界において、非常に重要な強みとなります。財務の健全性が高いため、予期せぬ事態や大型投資が必要になった際にも、柔軟に対応できる体力があると考えられます。ただし、EPS(1株当たり利益)は前年同期比でやや弱い傾向が見られるため、収益力強化がさらなる安心感に繋がるでしょう。
財務の安定性については、以下の記事も参考にしてみてください。
- ◎(21850)シイエム・シイ : 盤石財務79.5%とPER10.90倍:AI対応ドキュメントとDX支援
- ◎(30870)ドトール・日レスホールディングス : 盤石財務77.5%と多様なブランド力:コロナ回復と収益改善
R&D体制強化で未来を拓くダイイチ(第一三共)の挑戦
ダイイチ(第一三共)が直面する収益性の課題を乗り越え、持続的な成長を実現するために、研究開発(R&D)体制の強化は不可欠です。そんな中、2026年2月19日(米国時間)に発表された新たなR&Dグローバルヘッドの任命は、同社の将来を占う上で非常に重要なニュースと言えるでしょう。
今回、ダイイチ(第一三共)は、元ノバルティスのチーフメディカルオフィサー(CMO)であるジョン・ツァイ氏を新たなR&Dグローバルヘッドに迎えることを発表しました。この人事は、現R&Dヘッドのケン・タケシタ氏が2026年4月1日付で退任するのに伴うものです。この重要な人事は、以下のニュース記事でも報じられています。
参照記事: Daiichi Sankyo Appoints John Tsai, MD as Global Head of R&D – BioSpace
ツァイ氏は、ノバルティスだけでなく、ファイザー、ブリストル・マイヤーズ スクイブ、アムジェンといった世界的な大手製薬企業でR&Dの要職を歴任してきた、まさに「新薬開発のプロフェッショナル」です。特にノバルティス在任中には、160ものプロジェクトと500の臨床試験を主導し、最終的に15の新薬をグローバルで承認に導いたという輝かしい実績を持っています。直近ではベンチャーキャピタルに身を置き、がん、心血管疾患、腎臓病領域のバイオテクノロジー企業の立ち上げと実行を担うなど、その経験は多岐にわたります。
ダイイチ(第一三共)は、ツァイ氏の25年以上にわたる豊富な経験とリーダーシップが、同社が持つ強力なパイプラインをさらに成長させ、新たな科学の加速を通じて患者さんに必要な革新的な医薬品を届けることに貢献すると期待しています。現在の収益性悪化という課題を抱える中で、このような世界トップクラスのR&D人材を招聘できたことは、同社の将来の成長戦略に対する強い意志の表れと言えるでしょう。
医薬品開発は、膨大な時間とコストがかかり、成功確率も決して高くない「ハイリスク・ハイリターン」な事業です。しかし、ツァイ氏のような実績豊富なリーダーが指揮を執ることで、開発効率の向上、有望なシーズの選定、そしてグローバル市場での競争力強化に繋がる可能性があります。特に、ダイイチ(第一三共)が注力するがん領域においては、日々新たな技術や治療法が生まれており、ツァイ氏の豊富な知見とネットワークが、今後の研究開発の方向性を大きく左右するかもしれません。
このR&D体制の強化が、今後数年間のダイイチ(第一三共)の収益構造にどのような変化をもたらすのか、そして新たな成長ステージへと導くことができるのか、引き続き注目していく価値があると考えられます。
まとめ
ダイイチ(第一三共)は、強固な財務基盤と株主還元への意識を持つ一方で、足元の収益性には課題を抱えています。しかし、ジョン・ツァイ氏を新たなR&Dグローバルヘッドに迎えたことで、研究開発体制の抜本的な強化と、将来の成長への期待が高まっています。世界的な新薬開発のプロフェッショナルが加わることで、同社のパイプラインがどう進化し、それが今後の業績にどう反映されていくのか、非常に興味深い局面を迎えていると言えるでしょう。長期的な視点に立ち、同社の研究開発の進捗と収益性の改善を注意深く見守っていくことが大切だと感じています。
SaaS分野での成長と安定財務を両立する企業に興味があれば、以下の記事も参考になるかもしれません。


コメント