はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、東証プライム市場に上場しているプレス工業(7246)です。プレス工業は、主に自動車部品と建設機械部品の製造を手掛ける老舗メーカーとして知られています。特に、自動車の骨格となるシャシーフレームやボディ部品、そして建設機械の重要部品において高い技術力とシェアを誇っています。
同社の製品は、私たちの生活を支える自動車や、社会インフラを築く建設現場で欠かせない存在となっています。長年にわたり培ってきたプレス加工技術と溶接技術は、まさに日本のものづくりを支える基盤の一つと言えるでしょう。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。(2025年10月7日(火)時点)
- 最低投資金額 : 65,500円(655円/株)
- PBR : (連)0.58倍
- PER : (連)13.00倍
- 配当利回り : 5.04%
- 株主優待 : なし
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!
PBR0.58倍と割安感があり、配当利回り5.04%は非常に魅力的ぽん!財務も安定しているから、もう少し様子を見て、もし少し下がってきたら買い増しを検討したいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント]:自動車と建機の強固な基盤、魅力的な高配当とPBRの割安感、そして堅実な財務が光るぽん!
A. 成長性 : 〇
プレス工業の成長性を見る上で、まず注目すべきは、その事業の柱である自動車部品と建設機械部品の動向です。自動車部品においては、シャシーフレームやボディ部品で培った高い技術力と国内での強固なシェアが強みです。近年、自動車業界はEV(電気自動車)シフトという大きな変革期を迎えていますが、プレス工業もこの変化に対応すべく、軽量化技術や新たな素材への対応を進めていると見られます。例えば、EVはバッテリー搭載による重量増が課題となるため、車体部品の軽量化技術は今後ますます重要になるでしょう。この点では、同業のユニプレス(7313)などもEVシフトへの対応を強化しており、競争環境は厳しくも、技術革新の余地は大きいと言えます。
建設機械部品事業は、国内外のインフラ投資需要に支えられ、比較的安定した収益基盤となっています。特に新興国でのインフラ整備や、先進国での老朽化したインフラの更新需要は今後も継続すると予想され、安定的な成長が見込めます。
過去数年の売上や利益は、コロナ禍や半導体不足といった外部要因の影響を受けつつも、回復基調にあります。配当金も安定して支払われており、株主還元への意識も感じられます。製造業全体で進むDX(デジタルトランスフォーメーション)やスマートファクトリー化への取り組みが、将来的な生産性向上や競争力強化に繋がる可能性も秘めています。
B. 割安性 : ◎
プレス工業の割安性は非常に魅力的です。PBR(株価純資産倍率)は0.58倍と、会社の持つ純資産価値に対して株価が半分程度に評価されていることを示しており、市場からは割安と見られていることがわかります。一般的にPBR1倍割れは、企業が保有する資産を考慮すると株価が低い状態とされ、見直し期待が高まるポイントです。
PER(株価収益率)は13.00倍で、これは業種平均と比較しても妥当か、やや割安感がある水準と言えるでしょう。また、特筆すべきは配当利回り5.04%という高水準です。現在の低金利環境を考えると、これだけの配当利回りを提供する銘柄は貴重であり、インカムゲインを重視する投資家にとっては非常に魅力的な選択肢となり得ます。
最低投資金額も65,500円(100株)と比較的投資しやすい価格帯であるため、少額からでも高配当の恩恵を受けられる点も評価できます。
C. 安全性 : ◎
財務の健全性もプレス工業の大きな強みの一つです。自己資本比率は57.6%と非常に高く、これは会社の総資産のうち、返済義務のない自己資本が占める割合が大きいことを意味します。一般的に自己資本比率が40%を超えると優良企業と評価されることが多いため、同社の財務基盤は盤石と言えるでしょう。
BPS(1株あたり純資産)も1,124.83円と、現在の株価(655円)を大きく上回っており、企業の安定した資産価値を示しています。有利子負債も適切に管理されており、急な経済変動や市場の落ち込みにも耐えうる、安定した経営基盤があることが伺えます。このような堅実な財務状況は、長期的な視点で安心して投資を検討できるポイントとなります。
製造業の未来を拓くスマートセンサー技術
プレス工業のような製造業にとって、生産プロセスの効率化と品質向上は常に重要な課題です。そんな中で、近年注目されているのがスマートセンサー技術の進化です。米国の大手産業オートメーション情報サイト「Automation World」が2025年10月7日に公開したポッドキャスト「Are Smart Sensors Changing Manufacturing?」では、この技術が製造業にもたらす変革について深く掘り下げています。
Are Smart Sensors Changing Manufacturing? – Automation World
このポッドキャストによると、スマートセンサーは単にデータを収集するだけでなく、デバイス上でAI処理や自己診断を行う能力を持つようになっています。これにより、継続的な監視と予測保全が可能となり、5~10%の生産性向上を実現しているとのことです。例えば、特殊化学品メーカーのPremix Groupでは、リアルタイムのセンサーデータをAIプラットフォームに供給することで、調合開発サイクルを数ヶ月から数日に短縮しています。これは、20,000以上のレシピデータベースを活用し、AIが最適な組み合わせを導き出すことで実現された画期的な成果です。
プレス工業のような自動車部品や建設機械部品の製造現場でも、このスマートセンサー技術は大きな可能性を秘めています。例えば、プレス加工機の稼働状況をリアルタイムで監視し、異常の兆候を早期に検知することで、突発的な故障を未然に防ぎ、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。また、溶接工程における温度や圧力、振動データをAIで解析することで、品質のばらつきを減らし、不良品発生率を低減することも可能になるでしょう。
さらに、スマートセンサーは製品の品質管理にも貢献します。部品の寸法精度や表面状態を自動で検査し、基準値からのずれを即座にフィードバックすることで、より高精度な製品製造に繋がります。これは、EV向けの軽量部品や、高耐久性が求められる建設機械部品の製造において、競争力を高める上で不可欠な要素です。
製造業のDX推進は、もはや企業の存続と成長に欠かせないテーマとなっています。プレス工業がこれらの先進技術をどのように自社の生産プロセスに取り入れ、効率化、品質向上、コスト削減を実現していくか、その動向は今後も注目に値します。製造業のDXを支援する企業としては、VRAIN Solution(3840)のようなAI・3D技術を活用したソリューションを提供する企業も存在し、産業全体の変革を後押ししています。プレス工業がこのような技術を積極的に導入し、生産体制のスマート化を進めることで、更なる競争力強化と企業価値向上に繋がることを期待したいですね。


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