本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
はじめに
今回ご紹介するのは、電子部品メーカーとして世界中で活躍するSMK(6798)です。私たちの身の回りにある様々な電子機器にSMKの技術が使われているんですよ。自動車やスマートフォン、家電製品、そして産業機器まで、幅広い分野でその存在感を発揮しています。
SMKは、コネクタ、スイッチ、リモコン、タッチパネル、モジュール製品といった多岐にわたる電子部品の開発・製造・販売を手掛けています。特に、IoT(モノのインターネット)や5G(第5世代移動通信システム)、そして自動車の電動化・自動運転といった成長分野に注力しており、未来の社会を支える技術を提供している企業と言えるでしょう。
銘柄の基礎情報
- 最低投資金額 : 227,500円(2,275円/株)
- PBR : (連)0.50倍
- PER : (連)24.02倍
- 配当利回り : 4.40%
- 1株配当(会社予想) : 100.00円
- 株主優待 : なし
- (2025年11月4日(月)時点)
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!PBRの割安感と高配当は魅力的だけど、足元の収益改善の兆しが見えてきたら、もっと積極的に検討したいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント]
PBR0.50倍と高配当4.40%は魅力的だけど、足元の収益悪化が気になるぽん!将来の成長分野に期待したいぽんね。
A. 成長性 : △
過去数年の業績を見ると、残念ながら収益性は悪化傾向にあり、純利益率や営業利益率も弱含みで推移しています。ROEもマイナスとなっており、足元の成長力には課題が見られます。しかし、SMKはIoT、5G、車載といった将来性の高い分野に積極的に投資しており、中長期的にはこれらの分野での需要拡大が成長のドライバーとなる可能性を秘めています。特に、自動車の電動化や自動運転技術の進化は、SMKのコネクタやセンサーなどの需要を大きく押し上げるでしょう。
B. 割安性 : ◎
現在のPBRは(連)0.50倍と、市場平均と比較しても非常に割安な水準にあります。また、配当利回りも4.40%と高く、インカムゲインを重視する投資家にとっては魅力的に映るかもしれません。PERは(連)24.02倍ですが、これは足元の収益悪化が影響している可能性があり、今後の業績回復によって改善が見込まれるポイントでもあります。現状の株価は、企業の持つ資産価値や将来的な配当を考慮すると、割安感があると言えそうです。
C. 安全性 : 〇
自己資本比率は(連)50.7%と、一般的に望ましいとされる30%を大きく上回っており、財務基盤は比較的安定していると言えます。有利子負債は増加傾向にあるものの、この自己資本比率の高さは、事業運営における外部環境の変化や投資への耐性を示唆しています。ただし、EPS(1株当たり利益)が弱含みで推移している点は、利益創出力の観点から注視していく必要があるでしょう。
SMKの未来を拓く「Industry 5.0」への貢献
SMKは、コネクタやスイッチ、タッチパネルといった電子部品の提供を通じて、私たちの身の回りの様々な製品を支えています。特に、IoTや5G、車載関連といった成長分野への注力は、今後のSMKの成長を占う上で非常に重要なポイントです。そんな中、マレーシアで開催された展示会「AUTOMEX」に関するニュースが目に留まりました。この展示会は、マレーシアのIndustry 5.0への変革を推進するものであり、SMKの事業と密接な関連があると考えられます。
参考記事:Automex Debuts in Penang, Driving Malaysia’s Industry 5.0 Transformation – The Manila Times
「AUTOMEX」は、マレーシアのオートメーションとスマートマニュファクチャリングをリードする展示会として、最新のロボット工学、オートメーション、スマートファクトリーのイノベーションを紹介しています。ここで謳われるIndustry 5.0とは、単なる効率化だけでなく、人と機械が協調し、より持続可能で人間中心の生産システムを目指す概念です。これには、高度なセンサー技術、リアルタイムデータ処理、AIを活用した意思決定、そしてそれらを繋ぐ高信頼性の通信・接続技術が不可欠となります。
SMKが提供する電子部品は、まさにこのIndustry 5.0の実現に欠かせない要素です。
- 高信頼性コネクタ:スマートファクトリー内のロボットや生産設備、センサーネットワーク間の確実なデータ伝送を支えます。過酷な産業環境下でも安定した接続を提供することは、生産ラインの停止を防ぎ、効率的な稼働を維持するために極めて重要です。
- 高精度スイッチ・センサー:ロボットのアームの動作制御や、生産ラインにおける製品の検知、異常の監視などに利用されます。これらの部品の精度と耐久性が、自動化システムの性能を左右します。
- タッチパネル・HMI(ヒューマンマシンインターフェース):作業員がロボットや機械と直感的に対話するためのインターフェースとして機能します。使いやすいHMIは、人と機械の協調作業を円滑にし、生産性を向上させます。
- 無線モジュール:IoTデバイス間の無線通信を可能にし、工場全体のデータ収集と分析を促進します。これにより、生産状況の可視化や予知保全が可能となり、よりスマートな工場運営に貢献します。
このように、SMKの製品群は、Industry 5.0が目指す「つながる工場」や「人と機械の協調」を実現するための基盤技術を提供しています。マレーシアのような新興国がIndustry 5.0への変革を加速させる中で、SMKの技術に対する需要は今後も高まっていく可能性を秘めていると言えるでしょう。展示会への参加や、関連企業との連携を通じて、SMKがどのように新たなビジネスチャンスを掴んでいくのか、注目していきたいところです。
PBRが割安で財務基盤も安定しているものの、足元の収益性には課題が見られます。しかし、IoTや車載、そしてIndustry 5.0といった将来性のある分野への取り組みは、SMKが持つ技術力と市場での潜在的な成長力を示唆しています。今後の業績回復と、これらの成長分野での具体的な成果に期待が集まります。他のPBR割安銘柄についても興味があれば、〇(9322)川西倉庫 : PBR超割安・財務盤石も収益改善に期待の記事も参考になるかもしれません。


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