◯(6594)ニデック : E-AxleでEV市場を牽引、盤石財務

銘柄紹介

はじめに

日本が世界に誇るモーターメーカー、ニデック(旧:日本電産)についてご紹介します。かつては「日本電産」という社名で知られ、創業者の永守重信氏が一代で築き上げたグローバル企業です。同社は精密小型モーターから自動車、家電、産業用まで、あらゆるモーター製品を手掛け、特に近年は電気自動車(EV)用駆動モーター「E-Axle(イーアクスル)」で世界の注目を集めています。常に革新を追求し、M&Aを積極的に活用しながら成長を続けてきたニデックの魅力に迫りましょう。

銘柄の基礎情報

ニデックは、モーターおよびその応用製品の開発・製造・販売を主軸とする、日本を代表する総合モーターメーカーです。データセンターや家電製品、産業機械、そして電気自動車など、幅広い分野で同社のモーターが活躍しています。

  • 最低投資金額 : 246,000円(2,460円/株)
  • PBR : 1.64倍
  • PER : —
  • 配当利回り : —
  • 株主優待 : なし

(2025年10月24日(金)時点)

ぽんぽん的な評価

〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!EV市場の成長を牽引するE-Axleに期待大ぽん!ただし、株価の変動も大きいから、少し落ち着いたタイミングで、押し目を狙いたいぽん〜!

評価の理由

[評価の注目ポイント]

EV用モーター「E-Axle」で世界を牽引!M&Aで成長を続け、収益性と財務の安定感も魅力的な企業ぽん!

A. 成長性 : ◎

ニデックの最大の成長ドライバーは、やはり電気自動車(EV)用駆動モーター「E-Axle」でしょう。世界的な脱炭素の流れとEVシフトの加速は、同社にとって大きな追い風となっています。E-Axleはモーター、インバーター、ギアを一体化したコンパクトな駆動ユニットで、EVの設計自由度を高め、軽量化にも貢献します。ニデックはこの分野で先行者利益を享受しており、特に中国市場を中心に高いシェアを獲得しています。

同社はM&A(合併・買収)戦略も積極的で、これまでにも多くの企業を買収し、事業領域を拡大してきました。これにより、モーター単体だけでなく、周辺技術やシステム全体でのソリューション提供が可能となり、新たな成長機会を創出しています。例えば、産業用ロボットやIoT関連の技術を取り込むことで、今後のスマートファクトリー化や自動化の波にも対応できる体制を整えています。収益性も改善傾向にあり、純利益率、営業利益率ともに前年同期比で持ち直しを見せており、安定した成長が期待できます。

B. 割安性 : △

現在のニデックのPER(株価収益率)や配当利回りは、会社予想のデータが提供されていないため、正確な判断が難しい状況です。しかし、PBR(株価純資産倍率)は1.64倍となっており、これは成長企業としての評価や、後述する財務の安定性を考慮すれば、決して割高すぎる水準ではないと言えるでしょう。ただし、株主優待制度がないため、インカムゲイン(配当や優待)を重視する投資家にとっては、やや物足りなさを感じるかもしれません。ニデックは成長投資を優先する傾向があるため、その点を理解した上で投資を検討する必要があります。

C. 安全性 : ◎

ニデックの財務健全性は非常に高く、安心して投資できるポイントの一つです。自己資本比率は51.8%と、一般的に望ましいとされる30%を大きく上回っており、強固な財務基盤を築いています。これは、積極的なM&A戦略を展開しながらも、適切なリスク管理と資金調達を行ってきた証拠と言えるでしょう。有利子負債も前年同期比で減少傾向にあり、財務の安定性がさらに高まっています。EPS(一株当たり利益)も前年同期比で増加が続いており、企業が稼ぐ力を着実に伸ばしていることが伺えます。高い自己資本比率と安定した収益力は、景気変動や予期せぬ事態にも耐えうる強靭な企業体質を示しています。

ニデックのE-Axle戦略とEV市場の未来

ニデックがEV市場で存在感を放つ最大の要因は、やはり「E-Axle」です。従来のEVは、モーター、インバーター、ギアボックスがそれぞれ独立して搭載されることが多かったのですが、E-Axleはこれらを一体化することで、小型・軽量化、高効率化を実現しました。これにより、自動車メーカーはEVの設計自由度を高め、室内空間の拡大やバッテリー搭載量の増加といったメリットを享受できるようになります。

ニデックは、このE-Axleの量産体制をいち早く確立し、特に中国市場で急速にシェアを拡大してきました。中国は世界最大のEV市場であり、多くのEVメーカーがコスト競争力と技術力を兼ね備えたE-Axleを求めています。ニデックは、長年培ってきたモーター技術と、M&Aで獲得したインバーター技術などを融合させ、高性能かつ低コストなE-Axleを提供することで、市場のニーズに応えています。

しかし、EV市場は競争が激しく、今後も多くの企業がE-Axle市場に参入してくることが予想されます。ニデックは、引き続き技術革新を進め、より高出力・高効率な製品を開発するとともに、生産体制の強化やグローバル展開を加速させることで、競争優位性を維持していく必要があります。特に、EVの普及に伴い、モーターだけでなく、バッテリー管理システム(BMS)や熱管理システムなど、EVを構成する他の重要部品との連携も重要になってくるでしょう。

ニデックは、EV市場の成長を捉えつつ、産業用モーターやロボットなど、他の成長分野にも目を向け、事業の多角化を進めています。例えば、産業分野では、省エネや自動化のニーズが高まっており、高効率モーターや精密制御技術の需要が増加しています。ニデックの技術力は、こうした分野でも大きな強みとなるでしょう。
EV化の波は、関連する多くの産業にも影響を与えています。例えば、電子部品メーカーのKOA(6999)も、EV化の追い風を受けている企業のひとつです。ニデックのような駆動系部品だけでなく、電子回路を保護する抵抗器などの需要も高まっています。このように、EV化は自動車産業だけでなく、裾野の広い産業構造の変化をもたらしているのです。

ニデックは、今後もグローバルな視点と、積極的な投資戦略で、次世代のモーター技術をリードしていくことが期待されます。EV市場の動向はもちろん、同社の技術開発やM&A戦略にも注目していくと良いでしょう。

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