はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、クラウド会計ソフトで有名なfreee(フリー)です。freeeは、中小企業や個人事業主向けのクラウド型会計ソフトや人事労務ソフトなどを提供するSaaS(Software as a Service)企業として、日本のバックオフィス業務のデジタル化を牽引しています。
従来のインストール型ソフトウェアとは異なり、インターネットを通じてサービスを利用するため、常に最新の機能が提供され、場所を選ばずに業務を行えるのが大きな特徴です。特に、簿記の知識がなくても直感的に操作できるユーザーインターフェースや、銀行口座・クレジットカードとの連携による自動仕訳機能は、多くの事業者に支持されています。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 327,000円(3,270円/株)
- PBR : 9.91倍
- PER : —(会社予想EPSが算出できないため)
- 配当利回り : 0.00%
- 株主優待 : なし
- (2025年10月3日(金)時点)
freeeの株価は100株単位で購入可能で、現在の最低投資金額は327,000円となっています。PBRは9.91倍と非常に高く、市場からの成長期待の高さがうかがえます。一方で、会社予想のEPSが算出できないためPERは表示されておらず、配当も現状は行っていません。
ぽんぽん的な評価
〇 ぽんぽんは、買いたいぽん!もう少し魅力的な水準まで下がってきたら考えたいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント] クラウド会計のパイオニアとして成長性◎、AI活用で更なる進化に期待も、株価は割高感があるぽん!
A. 成長性 : ◎
freeeの成長性は、SaaSビジネスモデルの強みと、中小企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の追い風に支えられています。クラウド型サービスは、一度導入されると継続的な利用が見込まれるため、安定した収益基盤を築きやすいのが特徴です。また、日本の多くの中小企業では、いまだに手作業や旧来のシステムでバックオフィス業務を行っているケースが多く、freeeが提供するサービスの市場拡大余地は大きいと考えられます。
特に注目すべきは、AI技術の進化とfreeeのサービスへの応用です。最近では、AIがウェブブラウジング体験を変革するような動きも見られます。例えば、AIを搭載したウェブブラウザ「Perplexity’s Comet」が無料で提供され、ウェブ上の情報を要約したり、複数サイト横断でタスクを実行したりと、生産性向上に貢献しています。(参考:$200 AI Browser Now FREE for All: Perplexity’s Comet Takes on Chrome and Internet “Slop” – ts2.tech)
このようなAIの進化は、freeeが提供する会計・人事労務ソフトにおいても、さらなる自動化や効率化、そしてユーザー体験の向上に直結するでしょう。例えば、AIによる経費精算の自動化精度向上、労務相談へのAIアシスタント導入、経営分析の高度化などが考えられます。freeeは、こうした技術革新を積極的に取り入れることで、市場での競争優位性をさらに高め、持続的な成長を続ける可能性を秘めていると言えるでしょう。
DX支援やSaaSビジネスの成長性については、◎(4384)ラクスル : 既存産業DXとシェアリングエコノミーや◯(9211)エフ・コード : DX支援と高ROEで成長加速といった銘柄の記事も参考になるかもしれません。
B. 割安性 : ×
freeeの割安性については、現時点では慎重な評価が必要です。PBRが9.91倍と非常に高い水準にあること、そして会社予想EPSが算出できないためPERが表示されていない(これは赤字予想を意味する可能性が高い)ことから、現在の株価には将来の成長に対する大きな期待が織り込まれていると考えられます。また、配当も現状は行われていないため、インカムゲインを目的とする投資家には不向きです。
成長企業の場合、利益が安定するまではPERが高くなったり、赤字が続いたりすることは珍しくありませんが、その分、株価の変動リスクも高まります。投資を検討する際は、事業の成長ペースと株価のバランスを慎重に見極める必要があるでしょう。
C. 安全性 : △
財務の安全性については、自己資本比率が37.1%と一定の水準を保っており、直近の実績ROEも7.55%と黒字を確保しています。しかし、会社予想EPSが算出できない(つまり赤字予想)という点は、今後の利益の安定性に対して懸念材料となります。成長投資を積極的に行っている段階であるため、一時的に赤字に転落することはあるかもしれませんが、それが長期化しないか、資金繰りに問題はないかといった点は注視が必要です。
SaaSビジネスは初期投資が大きい特性がありますが、一度軌道に乗れば高い利益率を期待できるビジネスモデルです。freeeが今後、どのタイミングで安定的な黒字化を達成し、利益を積み上げていけるかが、財務の安全性を評価する上での重要なポイントとなるでしょう。


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