△(6390)加藤製作所 : 配当利回り5.49%の高水準も、収益性と成長性に課題

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、建設機械や特殊車両の製造で知られる加藤製作所(KATO WORKS CO., LTD.)です。クレーンや油圧ショベルといった建設現場で活躍する重機から、環境機械、道路機械まで、幅広い製品を手掛けています。特にクレーン車は、国内外のインフラ整備や災害復旧など、さまざまな場面でその技術力が光る存在ですね。

直近の営業日(2025年11月28日)における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 127,400円(1,274円/株)
  • PBR : 0.34倍
  • PER : 73.13倍
  • 配当利回り : 5.49%
  • 株主優待 : なし
  • (2025年11月28日(金)時点)

ぽんぽん的な評価

△ ぽんぽんは、売りたいぽん!収益性の改善が見えないと、なかなか手が出しにくいぽん。。

評価の理由

[評価の注目ポイント] 高配当とPBRの割安感は魅力的だけど、収益性や成長性には注意が必要な銘柄ぽん!財務の安定性も注視したいぽん。

A. 成長性 : ×

加藤製作所の過去数年の業績を見ると、成長性には課題が見られます。特に、直近のデータでは純利益率が前年同期比でマイナスに転じ、営業利益率も低下傾向にあります。ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)も、一般的に望ましいとされる水準を下回る四半期が続き、収益性の不安定さが目立ちます。新たな事業の柱や収益源の確立が、今後の成長に向けた大きな課題となりそうです。

B. 割安性 : 〇

割安性という点では、非常に魅力的な指標をいくつか持っています。PBR(株価純資産倍率)は0.34倍と、企業の持つ純資産価値に比べて株価がかなり割安に評価されていることを示しています。また、配当利回りも5.49%と高水準で、配当を重視する投資家の方にとっては魅力的に映るかもしれません。ただし、PER(株価収益率)が73.13倍と非常に高く、現在の利益水準から見ると株価が割高に感じられる点には注意が必要です。この高PERは、直近のEPS(一株当たり利益)が低いことに起因しており、収益性の悪化が背景にあることを示唆しています。

C. 安全性 : △

財務の安全性については、自己資本比率が43.4%と、一般的に健全とされる30%を上回っており、一定の安定性は保たれています。しかし、有利子負債が前年同期比で増加傾向にある点は少し懸念材料です。また、EPSがマイナスに転じ、その変動が大きいことから、安定した事業運営や収益基盤の確立が今後の課題と言えるでしょう。長期的な視点で見ると、財務体質のさらなる強化が必要になるかもしれません。

建設機械業界の動向と加藤製作所の展望

加藤製作所が事業を展開する建設機械業界は、国内外のインフラ投資や都市開発、資源開発といったマクロ経済の動向に大きく左右されます。特に、新興国市場でのインフラ整備需要や、先進国での老朽化したインフラの更新需要は、今後も一定の市場規模を保つと見られています。

このような市場環境の中で、建設機械の性能向上や多様なニーズへの対応は常に求められています。例えば、建設現場における安全性や効率性の向上は、機械メーカーにとって重要な開発テーマです。オフハイウェイ機械の分野では、部品レベルでの技術革新も活発に行われています。

関連するニュースとして、海外の産業車両技術専門誌「Industrial Vehicle Technology International」が2025年11月28日に報じた「Southco launches rotary latch for agricultural and other off-highway machinery」という記事があります。これは、米国のアクセスソリューションプロバイダーであるSouthco社が、農業機械やその他のオフハイウェイ機械向けに新しいロータリーラッチを発売したというものです。このラッチは、ドアやパネルの開閉に用いられ、過酷な環境下での耐久性や操作性、セキュリティの向上が期待される製品です。

加藤製作所のような建設機械メーカーにとって、このような部品レベルでの技術革新は無視できません。製品の安全性や耐久性、操作性を高めるためには、高品質で革新的な部品の採用が不可欠だからです。また、オフハイウェイ機械市場全体として、自動運転化や電動化といったトレンドも進んでおり、これらに対応するための技術開発やサプライヤーとの連携も重要になってくるでしょう。

加藤製作所は、長年培ってきた技術力とブランド力で、国内外の顧客基盤を持っています。しかし、収益性の改善や安定化、そして新たな成長ドライバーの創出が喫緊の課題と言えます。グローバル市場での競争が激化する中で、いかに独自性を打ち出し、持続的な成長を実現していくのか、今後の戦略に注目が集まります。

建設現場を支える企業としては、〇(9663)ナガワのように、ユニットハウスなどの仮設機材を提供する企業も、建設業界の動向に密接に関連しています。建設業界全体の活性化が、加藤製作所の業績にも良い影響を与える可能性は十分にありますね。

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