△(6081)アライドアーキテクツ : 収益性課題もステーブルコインで次世代マーケティングへ挑戦

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、アライドアーキテクツ(証券コード:6081)です。アライドアーキテクツは、データとクリエイティブの力でマーケティングコミュニケーションを設計し、事業成果の向上に貢献する「マーケティングAX(※1)支援企業」として知られています。特にSNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングの分野で強みを発揮し、企業のデジタルマーケティングを多角的にサポートしています。

2005年の創業以来、6,000社を超える企業のマーケティング支援実績を持ち、その知見とノウハウは業界内でも高く評価されています。SNSの普及とともに、企業と顧客のコミュニケーションのあり方が多様化する中で、同社の役割はますます重要になっていると言えるでしょう。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 25,100円(251円/株)
  • PBR : (連)2.17倍
  • PER : (会社予想) —(EPSがマイナスであるため算出されていません)
  • 配当利回り : (会社予想) —
  • 株主優待 : (情報なし)
  • 時価総額 : 3,991百万円(2025年12月8日時点)

ぽんぽん的な評価

△ ぽんぽんは、あまり魅力は感じないぽん。。直近の収益性が不安定で、投資指標も割高感があるぽん。ただ、新しい取り組みには注目したいぽん!

評価の理由

[評価の注目ポイント]: 収益性に課題があるものの、ステーブルコインを活用した次世代マーケティングへの挑戦は注目したいぽん!

A. 成長性 : △

アライドアーキテクツの成長性については、直近のデータを見る限り、残念ながら課題が見られます。過去数年の業績を振り返ると、売上や利益の推移は不安定で、特に純利益率および営業利益率は前年同期比でマイナス幅が拡大しており、直近でも依然としてマイナスが続いています。これは、事業環境の変化や競争の激化、あるいは先行投資の影響などが考えられます。EPS(1株当たり利益)もマイナスとなっており、企業の収益力が十分に発揮されていない状況がうかがえます。

しかし、同社は常に新しいマーケティング手法やテクノロジーを取り入れ、事業の転換を図ろうとしています。特に、後述するステーブルコインを活用した次世代マーケティングへの挑戦は、将来的な成長の大きな芽となる可能性を秘めていると私は見ています。デジタルマーケティング市場は今後も拡大が予想されるため、この新しい取り組みが軌道に乗れば、現在の収益性の課題を克服し、再び成長路線に乗ることも期待できるかもしれません。

B. 割安性 : △

割安性の観点から見ると、アライドアーキテクツの株価は現状ではやや割高感があるかもしれません。PER(株価収益率)は、EPSがマイナスであるため算出されていませんが、これは企業が利益を出せていない状況を示しています。PBR(株価純資産倍率)は2.17倍となっており、企業の純資産と比較して株価が2倍以上に評価されている状態です。一般的にPBRが1倍を超えていると割高と判断されることが多いため、収益性が悪化している中でこの水準は、投資家が将来の成長期待を織り込んでいるとも考えられますが、現状の財務状況を考慮すると慎重な見方が必要です。

残念ながら、会社予想の配当利回りは「—」となっており、配当によるリターンは期待できません。株主優待についても情報がないため、現状では株価の値上がり益が主な投資リターンとなります。収益性の改善がなければ、PBRの水準を正当化することは難しいかもしれません。

C. 安全性 : ○

企業の安全性、特に財務健全性については、比較的安定していると言えるでしょう。自己資本比率は58.5%と、一般的に望ましいとされる30%を大きく上回る水準を維持しています。これは、企業の資産のうち返済不要な自己資本が占める割合が高く、財務基盤が比較的強固であることを示しています。急な景気変動や予期せぬ事態にも耐えうる体力があると考えられます。

ただし、提供された情報によると、自己資本比率は前年同期比でやや低下傾向にあり、有利子負債も増加傾向にあるとのことです。これは、事業拡大のための投資や、収益性の悪化を補うための資金調達などが背景にあるかもしれません。現時点では問題となる水準ではありませんが、今後の推移には注意が必要です。EPSがマイナス方向への振れが拡大している点も、短期的な財務の安定性には影響を及ぼす可能性があります。

ステーブルコインを活用した次世代マーケティングへの挑戦

アライドアーキテクツの将来を考える上で、特に注目したいのが、JPYC株式会社との連携によるステーブルコインを活用した次世代マーケティングへの挑戦です。2025年12月8日、アライドアーキテクツは日本円ステーブルコイン「JPYC」を発行するJPYC株式会社との連携開始を発表しました。この提携は、企業のマーケティング活動にWeb3.0時代の新しい価値観と技術を取り入れる画期的な試みと言えるでしょう。

詳細はこちらのプレスリリースもご参照ください。アライドアーキテクツがJPYC社とステーブルコインを活用した次世代マーケティングで連携を開始

「JPYC」とは何か?

「JPYC」は、ブロックチェーン技術を基盤とした日本円ステーブルコインです。法定通貨である日本円に価値が連動しており、価格変動のリスクが少ないのが特徴です。これにより、デジタル空間での決済や報酬、インセンティブ付与などが、より安全かつスムーズに行えるようになります。

次世代マーケティングの可能性

アライドアーキテクツは、これまで培ってきたマーケティングAX支援のノウハウと、JPYCの持つステーブルコインの特性を組み合わせることで、以下のような次世代マーケティングの実現を目指しています。

  • 新たな顧客体験の創出: JPYCを活用することで、企業は顧客に対して、これまでのポイントやクーポンとは異なる、より直接的で価値のある報酬を提供できるようになります。例えば、SNSでのエンゲージメントや商品購入、アンケート回答などに対して、JPYCを付与するといった施策が考えられます。これにより、顧客は得たJPYCを他のWeb3.0サービスで利用したり、将来的には日本円に換金したりすることも可能になり、より深いロイヤリティ形成に繋がる可能性があります。
  • Web3.0時代に対応したマーケティング基盤: ブロックチェーン技術は、透明性やセキュリティの高さが特徴です。これにより、マーケティング活動におけるデータの信頼性を向上させ、不正行為のリスクを低減することが期待されます。また、DAO(分散型自律組織)のようなコミュニティ形成にも繋がりやすく、企業と顧客が共創する新しい経済圏の構築も視野に入ります。
  • インフルエンサーマーケティングの進化: アライドアーキテクツはインフルエンサーマーケティングにも強みを持っています。インフルエンサーマーケティングで収益性回復!成長期待と株価の行方に注目でもご紹介したように、この分野は今後も成長が期待されます。JPYCをインフルエンサーへの報酬や、インフルエンサーを通じてフォロワーに配布するインセンティブとして活用することで、これまでの広告効果測定が難しかった部分にも、より透明性とインセンティブ効果の高い仕組みを導入できる可能性があります。

今後の展望

この提携は、単なる技術連携に留まらず、アライドアーキテクツがWeb3.0時代のマーケティングを牽引していくという強い意思の表れだと感じます。現在の収益性の課題を乗り越え、持続的な成長を実現するためには、このような革新的な取り組みが不可欠です。ステーブルコインを活用したマーケティングはまだ黎明期にありますが、その潜在的な可能性は非常に大きいと言えるでしょう。

同社は、AIやデータ活用によるDX支援も手掛けており、AI・データ活用でDX支援、成長性と盤石な財務基盤に注目といった企業と同様に、デジタル技術の進化を事業成長に繋げようとしています。JPYCとの連携が、アライドアーキテクツの新たな成長エンジンとなり、収益性の改善に大きく貢献できるか、今後の動向を注視していきたいと思います。

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