△(5381)巴川コーポレーション : PBR割安も収益悪化と成長性課題

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、巴川コーポレーション(証券コード:5381)です。

巴川コーポレーションは、独自の精密塗工技術を核として、多岐にわたる高機能材料を開発・製造・販売している企業です。情報記録材料から始まり、現在では電子機能材料、粘接着材料、光学材料など、幅広い産業分野に貢献しています。特に、スマートフォンやディスプレイ、半導体関連など、最先端技術を支える材料開発に強みを持っています。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 75,400円(754円/株)
  • PBR : 0.50倍(実績)
  • PER : 10.14倍(会社予想)
  • 配当利回り : 1.99%(会社予想)
  • 1株配当 : 15.00円(2026年3月期 会社予想)
  • 時価総額 : 7,834百万円
  • 自己資本比率 : 33.1%(実績)

(2025年11月7日(金)時点)

ぽんぽん的な評価

△ ぽんぽんは、あまり魅力は感じないぽん。。

評価の理由

[評価の注目ポイント] PBRは超割安だけど、収益悪化と成長性の課題が気になっちゃうぽん!

A. 成長性 : ×

巴川コーポレーションの成長性については、残念ながら厳しい評価にならざるを得ないぽん。提供されている情報によると、成長性は「0.0倍」とされており、これは事業の拡大や収益の増加がほとんど見込めない状況を示唆しているぽん。さらに、EPS(1株当たり利益)も前年同期比で伸びが鈍く、収益性自体も悪化傾向にあるぽん。純利益率や営業利益率も低下しており、企業としての勢いが弱いと感じるぽん。

B. 割安性 : 〇

割安性については、一見すると非常に魅力的な数字が並んでいるぽん。特にPBRは0.50倍と、解散価値とされる1倍を大きく下回っており、理論上は非常に割安に放置されていると言えるぽん。PERも10.14倍と市場平均と比較しても低めであり、配当利回りも1.99%と悪くない水準ぽん。ただし、この割安感が、前述の収益性悪化や成長性の課題を市場が織り込んでいる結果である可能性も考慮する必要があるぽん。

C. 安全性 : △

財務の安全性については、少し懸念があるぽん。自己資本比率は33.1%と、一般的に望ましいとされる30%をわずかに上回っているものの、緩やかに低下傾向にあるぽん。また、有利子負債が増加傾向にある点も、将来的な財務負担となる可能性があるぽん。現時点では極端に危険な水準ではないものの、安定性がやや低下しているという評価になるぽん。

PBRの割安感と市場の評価:巴川コーポレーションの課題

巴川コーポレーションの投資指標を見ると、PBR(株価純資産倍率)が0.50倍という非常に低い水準にあることが目を引きます。PBRは企業の純資産に対して株価が何倍になっているかを示す指標で、一般的に1倍を下回ると「割安」と判断されることが多いです。しかし、なぜ巴川コーポレーションはこれほど割安に評価されているのでしょうか。

市場では、企業の将来性や収益力に対する期待が株価に織り込まれます。PBRが低いということは、現在の純資産価値に比べて、市場が将来の成長や収益改善にあまり期待していない、あるいは現在の収益悪化を懸念している可能性を示唆しています。

ここで、他社の事例を見てみましょう。例えば、FP Corporation(TSE:7947)に関するsimplywall.stの記事では、P/E(株価収益率)が業界平均を大きく上回り、潜在的な過大評価が指摘されています。FP Corporationは最近の業績見通し上方修正や増配によって株価が上昇したものの、長期的な株主リターンはまだマイナスであり、市場は持続的な改善を求めている状況です。(simplywall.stのFP Corporationに関する記事)

FP CorporationのケースはP/Eの高さが注目されていますが、巴川コーポレーションの場合はPBRの低さが特徴的です。巴川コーポレーションは、PERも10.14倍と比較的に低い水準にあります。このような指標の低さは、一見すると「お買い得」に見えるかもしれませんが、その背景には「収益性の悪化」や「成長性の欠如」といった課題が存在していることを忘れてはなりません。

巴川コーポレーションの場合、提供された情報では「収益性が悪化しており、純利益率や営業利益率が低下している」「成長性が0.0倍」とあります。また、自己資本比率が緩やかに低下し、有利子負債が増加傾向にあるなど、財務の安定性にもやや懸念が見られます。これらの要因が、PBRが低水準に留まる主な理由だと考えられます。

投資を検討する際には、単にPBRが低いという表面的な数字だけでなく、なぜそのように評価されているのか、企業の根本的な課題は何なのかを深く掘り下げて考えることが重要です。PBRの割安感が、単なる市場の見過ごしによるものなのか、それとも企業の構造的な問題に起因するものなのかを見極める視点を持つことが、賢明な投資判断に繋がるでしょう。

同様にPBRが割安に評価されている他の銘柄についても、その背景を探ることで、より多角的な視点が得られるかもしれません。例えば、過去の記事では、指月電機製作所(6771)アゼアス(3161)などもPBRの割安感と財務の安定性について触れています。PBRが低い銘柄は他にも、川西倉庫(9322)クニミネ工業(5388)などがありますので、比較検討してみるのも良いでしょう。

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