本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
はじめに
今回ご紹介するのは、ネットワーク技術の最先端を走り続けるACCESS(4813)です。皆さんのスマートフォンや家電製品、自動車など、身の回りのあらゆるものがインターネットにつながる「IoT(モノのインターネット)」の世界を支える、まさに縁の下の力持ちのような存在ですね。
ACCESSは、組み込みソフトウェアやネットワーク技術、そしてセキュリティソリューションを強みとしています。特に、通信キャリアや家電メーカー、自動車メーカーなど、幅広い業界にその技術を提供しており、私たちのデジタルライフには欠かせない存在と言えるでしょう。しかし、直近の業績を見ると、収益性や安定性に課題が見られるのも事実です。今回は、その技術力と市場の可能性、そして現在の財務状況をじっくりと見ていきたいと思います。
銘柄の基礎情報
まずは、ACCESSの基本的な情報から確認していきましょう。(2026年1月3日時点)
- 最低投資金額 : 58,000円(580円/株)
- PBR : 2.92倍
- PER : —(赤字のため算出されません)
- 配当利回り : 0.00%
- 株主優待 : なし
その他の主要な指標は以下の通りです。
- 前日終値 : 580円(2025/12/29)
- 始値 : 580円(2025/12/30)
- 高値 : 585円(2025/12/30)
- 安値 : 566円(2025/12/30)
- 時価総額 : 22,738百万円(2025/12/30)
- 発行済株式数 : 39,962,100株(2025/12/30)
- 1株配当(会社予想) : 0.00円(2026/01)
- EPS(会社予想) : (連)-37.27(2026/01)
- BPS(実績) : (連)194.67
- ROE(実績) : (連)-33.04%
- 自己資本比率(実績) : (連)46.5%
- 年初来高値 : 1,192円(2025/01/31)
- 年初来安値 : 488円(2025/12/22)
ぽんぽん的な評価
△ ぽんぽんは、売りたいぽん!
IoTやネットワーク技術の将来性は魅力だけど、現状の赤字継続と収益性・安定性の悪化が心配ぽん。もう少し様子を見たいぽん〜!
評価の理由
[評価の注目ポイント]
IoT・ネットワーク分野での独自技術力は光るものの、収益性悪化と赤字継続が懸念材料。今後の事業転換と市場ニーズへの対応に注目したい。
A. 成長性 : △
ACCESSの成長性を見ると、過去数年の売上高は横ばい、あるいはやや伸び悩む傾向にあります。特に利益面では、赤字が継続しており、そのマイナス幅が拡大している点が大きな懸念材料です。EPS(1株あたり利益)もマイナスで、残念ながら配当も出ていません。
しかし、ACCESSが事業を展開するIoTやネットワーク、セキュリティといった分野は、社会全体のデジタル化が進む中で非常に高い成長が期待されています。同社は、エッジコンピューティングやブロックチェーン技術への取り組みも強化しており、将来的な収益の柱を育てるべく努力を続けているようです。潜在的な成長力は秘めているものの、それが具体的な収益へと結びつくには、まだ時間がかかりそうです。
B. 割安性 : △
割安性については、現状では判断が難しいところがあります。PER(株価収益率)は、会社予想のEPSがマイナスであるため算出できません。これは、企業が利益を出せていない状況を示しています。
一方、PBR(株価純資産倍率)は2.92倍と、純資産に対してはやや割高感があります。一般的にPBRが1倍を下回ると割安と見なされることが多いので、現在の株価は企業の資産価値から見ると高めと言えるかもしれません。配当利回りは0.00%で、株主優待もありません。株価は年初来安値に近い水準で推移していますが、収益が伴わない現状では、積極的に割安とは言い切れない状況です。
C. 安全性 : △
財務の安全性については、自己資本比率が46.5%と、一般的に健全とされる30%を上回っています。この点だけを見れば、一定の財務基盤は持っていると言えるでしょう。しかし、前年同期比では自己資本比率が低下傾向にあり、有利子負債も増加している点は注意が必要です。例えば、安定した財務基盤を持つ企業として、TAKARAA&COMPANY(7921)のように自己資本比率が75.7%と非常に高い企業と比較すると、ACCESSの余裕は縮小していると言えます。
EPSがマイナス幅を拡大していることも、財務の安定性に対する懸念を強めます。すぐに倒産するような水準ではありませんが、収益性の改善がなければ、中長期的な財務健全性にも影響が出てくる可能性はあります。今後の資金繰りや事業投資の動向を注視していく必要があるでしょう。
ACCESSの技術力と市場の可能性
ACCESSの最大の魅力は、その優れた技術力と、将来性豊かな市場での存在感にあります。同社は、ブラウザ技術で培ったノウハウを活かし、IoTデバイス向けの組み込みソフトウェアや、様々なネットワーク環境に対応するソリューションを提供しています。特に、デバイスの小型化・低消費電力化が進む中で、ACCESSの技術は多くのメーカーにとって不可欠なものとなっています。
最近では、セキュリティ分野への注力も顕著です。IoTデバイスの普及に伴い、サイバーセキュリティの重要性はますます高まっています。デバイス間の安全な通信、データの保護、不正アクセス防止など、ACCESSのセキュリティ技術が活躍する場は広がる一方です。
この点に関連して、QY Researchが発表した「Global and U.S. Access Control Security Market Report」というニュース記事に注目したいと思います。(参考記事はこちら)
このレポートでは、「アクセス制御セキュリティ」が物理空間、デジタルリソース、システムへのアクセスを規制し、IDを検証し、許可を付与または拒否するために使用されるシステムと技術を指すと定義されています。まさに、ACCESSが提供するセキュリティソリューションが対象とする市場そのものです。
IoTデバイスが爆発的に増加する現代において、それぞれのデバイスやそこから得られるデータへの「アクセス」をいかに安全かつ効率的に管理するかは、企業の喫緊の課題となっています。例えば、スマートファクトリーでは各製造装置へのアクセス権限管理、スマートシティでは公共インフラへの不正アクセス防止、コネクテッドカーでは車両システムへのリモートアクセス制御など、多岐にわたる場面でアクセス制御セキュリティが求められます。ACCESSの技術は、これらのIoTデバイスやシステムの「基盤」となる部分で、セキュリティと利便性を両立させるソリューションを提供しています。この市場が成長すればするほど、ACCESSの技術への需要も高まる可能性があります。
同社は、既存の技術を応用し、5GやLPWA(省電力広域無線通信)といった次世代通信技術への対応も進めています。これらの技術は、IoTのさらなる普及を後押しするものであり、ACCESSにとっては新たなビジネスチャンスに繋がるでしょう。また、エッジコンピューティングの分野では、デバイス側でデータ処理を行うことで、クラウドへの負荷軽減やリアルタイム性の向上を実現し、より高度なIoTサービスの実現に貢献しています。
しかし、こうした高い技術力と市場の可能性がありながらも、現状の赤字継続は課題です。技術開発への先行投資が大きいことや、市場での競争激化などが要因として考えられます。今後は、これらの先端技術をいかに効率的に収益化し、安定した事業基盤を確立できるかが、ACCESSにとっての大きな焦点となるでしょう。
まとめ
ACCESSは、IoTやネットワーク、セキュリティといった成長分野で独自の技術力を持つ企業です。市場の潜在的な需要は非常に高く、今後のデジタル社会においてその技術が果たす役割は大きいと期待されます。しかし、現状は赤字が継続し、収益性や安定性に課題を抱えている状況です。
投資を検討される際には、同社の技術力や将来の成長性といったポジティブな側面だけでなく、現在の財務状況や収益改善に向けた具体的な戦略、そして競争環境の変化なども総合的に判断することが重要です。今後の事業展開や、最新技術がどのように収益に結びついていくのか、引き続き注目していきたい銘柄です。


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