本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
はじめに
今回ご紹介するのは、先進的なテクノロジーを駆使して社会課題の解決を目指すELEMENTS(エレメンツ)です。銘柄コードは3982。主にAI、生体認証、ブロックチェーンといった最先端技術を事業の柱としており、特にオンライン本人確認(eKYC)サービス「LIQUID eKYC」は、デジタル社会におけるセキュリティと利便性の向上に大きく貢献しています。DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する現代において、同社の技術は多岐にわたる業界でその真価を発揮し始めています。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 97,900円(979円/株)
- PBR : (連)14.16倍
- PER : —
- 配当利回り : 0.00%
- 株主優待 : なし
- (2025年10月10日(金)時点)
ぽんぽん的な評価
△ ぽんぽんは、あまり魅力は感じないぽん。。将来性には期待できるけど、現時点ではリスクが高いぽん。
評価の理由
[評価の注目ポイント] 先端技術による成長期待は大きいものの、現在の赤字と高いPBRは割高感があり、投資には慎重な見極めが必要ぽん!
A. 成長性
◎
ELEMENTSの最大の魅力は、その成長性にあると言えるでしょう。同社は、AI、生体認証、ブロックチェーンといった、今後の社会を大きく変革する可能性を秘めた技術分野に特化しています。特に、オンラインでの本人確認を可能にするeKYCサービス「LIQUID eKYC」は、金融機関をはじめとする様々な業界で導入が進んでおり、デジタル化の波に乗って需要が拡大しています。
しかし、提供された指標データを見ると、EPS(1株当たり利益)がマイナスであり、PERが算出不能(—)となっていることから、現状ではまだ収益化が課題となっていることが伺えます。これは、成長段階にあるテクノロジー企業によく見られる傾向でもあります。先行投資が続き、将来の大きな収益を見込んで事業を拡大している段階と捉えることもできるでしょう。
このような先端技術の進化は、私たちの想像を超えるスピードで進んでいます。例えば、2025年10月11日には、「科学者たちが太陽のように光る紙のように薄い光を開発」という興味深いニュースが報じられました。(参照:Scientists create a paper-thin light that glows like the sun – ScienceDaily)。この研究では、量子ドット技術を応用して、紙のように薄く、太陽光に近い自然な光を発する新しい光源が開発されたとのことです。このような新素材や光技術の進歩は、直接的にはELEMENTSの事業とは異なる分野に見えるかもしれません。
しかし、技術革新は相互に影響し合うものです。例えば、高性能な生体認証デバイスには、より高精度なセンサーや、消費電力を抑えたディスプレイ技術が不可欠です。量子ドットのような新技術が、将来的にELEMENTSが提供する生体認証デバイスの性能向上や、新たなインターフェースの開発に寄与する可能性も十分に考えられます。このように、広範な技術トレンドを捉え、自社のコア技術と融合させることで、ELEMENTSはさらなる成長の機会を掴むことができるかもしれません。
AIやDXの推進は、現代社会の喫緊の課題であり、多くの企業がその恩恵を受けようとしています。例えば、AI・GPU技術でDXを推進する(3652)ディジタルメディアプロフェッショナルや、AI・DXで成長を目指す(4418)JDSCといった企業も、同様に成長市場で活躍しています。ELEMENTSもこれらの企業と同様に、社会のデジタル化の波に乗り、技術力を武器に市場を拡大していくことが期待されます。
B. 割安性
△
割安性の観点から見ると、ELEMENTSは現時点では割高感が否めません。PERが算出不能であるのは、前述の通りEPSがマイナス、つまり赤字であるためです。また、PBR(株価純資産倍率)は14.16倍と非常に高い水準にあります。これは、投資家が同社の将来の成長に対して大きな期待を寄せていることの表れとも言えますが、純資産に対して株価が過度に評価されている可能性も示唆しています。
配当利回りが0.00%であることからもわかるように、現状では株主への配当は行われていません。これは、得られた利益を再投資して事業成長を加速させるフェーズにある企業によく見られる戦略です。インカムゲインを重視する投資家にとっては魅力に欠けるかもしれませんが、キャピタルゲイン(株価上昇による利益)を狙う投資家にとっては、成長の可能性に賭ける対象となるでしょう。
最低投資金額は97,900円(100株単位)と、10万円を切る水準であり、比較的少額から投資を始めやすい点はメリットと言えます。
C. 安全性
〇
財務の健全性を示す自己資本比率は42.9%と、一定の水準を保っています。これは、企業の安定性を示す一つの指標として評価できます。しかし、ROE(自己資本利益率)が-8.83%とマイナスである点は、自己資本を効率的に活用して利益を生み出せていない現状を示しており、今後の改善が期待されます。
また、信用買残が3,886,800株と多く、信用倍率が20.98倍と高い水準にあることも注目すべき点です。信用買残が多いと、将来的にそれらの買い玉が決済される際に売り圧力となる可能性があり、株価の上昇を抑制する要因となることがあります。需給面から見ると、やや重い状況にあると言えるかもしれません。
ELEMENTSは、生体認証やAIといったセキュリティと密接に関わる事業を展開しているため、強固な技術基盤と信頼性が重要です。SMSとセキュリティ事業で成長している(3967)アクリートのように、確かな技術力と安定したサービス提供が、企業の安全性と成長を両立させる鍵となるでしょう。


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